ゴンバデカーブースが強いのか

 

2022年勝ち馬 ドゥラエレーデ

 

地方競馬との関係で12月29日から1月4日までは中央競馬の開催をしない申し合わせで約束の期日ぎりぎりで行われるのがこのレース。皐月賞と同距離同コースでもあり注目だが、近年のクラシック候補は年明けの共同通信杯を目指す方向性が顕著。ともあれ、有力馬の事前検討をしてみたい。

<登録22頭 フルゲート18頭>

 出走が確定しているのはたったの7頭。ココナッツキュートは除外対象で11/14というかなり確率が高い抽選になる。

 

シンエンペラー

<前走>京都2歳ステークス1着

京都最終週だがCコース替わり2週目でほぼフラットな馬場で出遅れて後方から。内に入ってロスのない競馬をして、直線は馬群を捌いて差し切った。これは弱いメンバーに恵まれて実力以上にモレイラの好騎乗に依る部分が大きいと見るか、出遅れて厳しい展開になっても勝ち切ったこと自体に価値があると見るかは微妙。凱旋門賞馬ソットサスの全弟という血統背景から人気になることが予想される。したがって、無敗で重賞を制覇して底を見せていないことを考慮すれば相応の高い評価は必要だが、血統背景だけによる過大評価は禁物である。

 

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<配合>父Siyouni 母Starlet's Sister 母の父Galileo

主導はNorthern Dancer5・5×4・6・7・7の系列ぐるみ。Mr. Prospector、Buckpasserなど米系の血がスピード・スタミナを補給。比較的少ないクロス馬で父母の良さが押さえられた点がポイント。課題は硬い芝への適応で、瞬発力勝負には不安は残るが、凱旋門賞を制した全兄ソットサスの実績どおりの優秀な配合で一流の中・長距離ランナーに育つ可能性がある

 

ゴンバデカーブース

<前走>サウジアラビアロイヤルカップ1着

東京開幕週ながら馬場状態はほぼフラットな状態で、9頭立ての比較的少頭数ながら最後方追走から直線で外に出すと一気に差し切る強い内容。2着のボンドガールは伝説の新馬戦になりつつあるデビュー戦を勝ちあがっており、3着のシュトラウスは次走の東スポ杯で重賞制覇をしている。したがって、2・3着馬に気性面や折り合いなど若干の問題があったにせよ、2馬身の差をつけて勝利しており、本命級の高い評価を与えるべきである。

 

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<配合>父ブリックスアンドモルタル 母アッフィラート 母の父ディープインパクト

主導はHalo6×4の系列ぐるみ。これにRoberto5×5も系列ぐるみとなってHail to Reasonで結合することでスピード・スタミナをバランスよく取り込んでいる。また、父母を通じて大きな不備なくまとめられている。さらにPocahontasクロスが欧米の血を結合させる効果を発揮している点もポイントで、しっかりした配合内容を示している。好調期に平均ペースで長く良い脚を使える一流の中距離ランナーに育つ可能性を秘めている

 

レガレイラ(抽選対象)

<前走>アイビーステークス(L)3着

ほぼフラットな馬場で6頭立ての3番手という絶好位を楽に追走しながら前の2頭を捕えることができなかった。圧倒的な1番人気を裏切ったことは確かで2戦目で底を見せた感はあるが、テンの3Fが37.7秒、1000mの通過が63.1秒という超スローペースを自身32秒台のあがりを使っていることを考えれば位置取りの差であって悲観する内容ではない。ただ2着のホウオウプロサンゲが次走の京都2歳Sで9着に敗れていることは気になる材料。したがって、しっかりした末脚があることを考慮すれば、それなりの高い評価を与えるべきである。

 

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<配合>父スワーヴリチャード 母ロカ 母の父ハービンジャー
サンデーサイレンス3×4は中間断絶だが血を集めるうえでは有効。主導はLyphard5×5・6の系列ぐるみ。次いでHail to Reason5・8×6・8とNijinsky7×5・7の系列ぐるみ。Almahmoudがスピードを補給。父母間に不備はないが、父の母方の影響力が極端に弱くバランスを崩していて、安定性には不安が残る。好調期にしぶとい走りを見せる中距離ランナー

 

ヴェロキラプトル

<前走>野路菊ステークス(OP)1着

野芝の軽い馬場でやや内側が有利な状態で7頭立ての少頭数。4番手あたりを楽に追走して抜け出して1馬身差をつけての勝利だったが、2着のメイショウゴーフルが次走のエリカ賞で8着に惨敗、3着馬ヘルモーズも掲示板さえなく連敗しているように弱いメンバーに恵まれた感が強い。したがって、オープン特別勝ち馬といえども、好走には馬場や展開でかなりの助けが必要と認識すべきである。

 

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<配合>父スワーヴリチャード 母ルーヴインペリアル 母の父Giant's Causeway
Northern Dancer6×4・5は中間断絶となって影響力が弱まるが、血を集めるうえでは有効。主導はHail to Reasonクロスを伴うHalo4×6だが、やや明確性に欠けることになった。また欧米の血が入り混じって血の統一性に欠けることは瞬発力勝負に不安を残す。父母間に大きな不備はないが、父の母方の影響力が極端に弱くバランスを崩している。好調期に意外性の発揮は可能で、芝よりもダートの方がいい可能性がある

 

センチュリーボンド

<前走>黄菊賞(1勝クラス)1着

やや時計のかかるフラットな馬場で後の朝日杯4着馬ジューンテイクを降して勝利していると見れば悪くはないが、テンの3Fが36.5秒、1000mの通過が61.3秒のスローペースを2番手追走から差しただけでレースとしての価値は低い。またスローペースでジューンテイクは脚を余した(0.2秒差4着)ということもできる。したがって、当馬に高い評価は不要であり、好走には馬場や展開にかなりの助けが必要と認識すべきである。

 

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<配合>父キズナ 母マニクール 母の父ヘニーヒューズ

Storm Cat3×4は単一クロスとなって、主導はSecretariat5×6・6の系列ぐるみ。父母ともに系列ぐるみになったことでスピード・スタミナが強化された。一方、父母間に大きな不備はないものの、父方の欧州系の良質な血はほとんど生かされず、米系の血を中心に母の父方を強調しつつ比較的少ないクロス馬でバランスよくまとめられている。好調期に平均ペースで意外性を発揮する芝ダート兼用の中距離ランナー

 

ミスタージーティー(抽選対象)

<前走>新馬(京都2000m)1着

Bコース替わりでやや内側が有利な馬場で、超スローペースの8頭立ての6番手あたりを追走し、11秒台が続く尻あがりのラップを差し切る着差以上に強い内容で勝ち上がった。また2着のハヤテノフクノスケも次走で未勝利を卒業しており、低レベルの新馬戦とは言い切れない。したがって、初めての長距離輸送や多頭数競馬、直線の坂などクリアしなければならないことは多いうえにいきなりのG1だが、当馬にとって試金石の一戦と認識すべきである。

 

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<配合>父ドゥラメンテ 母リッスン 母の父Sadler's Wells

世代の古い母方に対して、父方の世代が新しくNorthern Dancer6・6・6・8×3の遺伝効果が疑問。代わって主導はNative Dancerクロスを伴うRaise a Native5×4でAlmahmoudがスピードを、Hail to Reasonがスタミナを補給。スピードは確保されやすくなったが欧州系の血との連動性がいまひとつ。また父母間に不備はないものの影響度バランスを崩しており安定性に欠ける。父がディープインパクトだった姉タッチングスピーチや兄サトノルークスには及ばないが生きている血の質は高い。好調期にしぶとい走りが可能な中距離ランナー

 

ショウナンラプンタ(抽選対象)

<前走>東京スポーツ杯2歳ステークス4着

Cコース替わりながらほぼフラットな馬場で先行馬が上位を独占する展開で出遅れて最後方からただ1頭33秒台の末脚で追い込んだが届かなかった。派手な追い込みではあったが、勝ち馬とは3馬身近く離され、3着とも1馬身以上差があった。また新馬戦は勝ったが、その時も出遅れている。したがって末脚は魅力ではあるが、多頭数での出遅れは致命傷になる危険性が高く、好走には外差しが利く馬場で前潰れの展開になるなど馬場や展開でかなりの助けが必要と判断すべきである。

 

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<配合>父キズナ 母フリアアステカ 母の父Zensational
Storm Cat3×4は単一クロスとなって、主導はNorthern Dancer5・6×6・6の系列ぐるみ。父母間に大きな不備はなく、比較的少ないクロス馬でまとめられているが、父方の欧州系の良質な血は壊滅状態で、母の父方の世代後退により影響バランスも崩れている。好調期にマイルから中距離で意外性を発揮する可能性はある

 

タリフライン(抽選対象)

<前走>新馬(東京1800m)1着

東京開幕週ながらほぼフラットな馬場で、1000mの通過が62.0秒のスローな流れを後方2番手で脚を溜めて、直線外に出されるとあがりNo.1の33.4秒の末脚でまとめて差し切る着差以上に強い内容の勝利。2着馬と6着馬が次走の未勝利戦で勝ち上がっており、新馬戦のレベルも低くはない。したがって、クリアしなければならないものが多いことを考えると、当馬にとって試金石の一戦と認識すべきである。

 

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<配合>父サトノダイヤモンド 母タリサ 母の父Pour Moi
主導はNorthern Dancer6・6・6×5・6の系列ぐるみ。Almahmoudがスピードを補強。父母間で不備はないが、父母の血の傾向が異なって良質な血が充分に生かされず、血の統一性にも欠ける。また母の母方の遺伝参加が弱く影響度バランスを崩している。好調期に意外性を発揮する可能性はある

 

シリウスコルト

<前走>芙蓉ステークス1着

野芝で中山最終週でも内側が有利な馬場で、1頭除外の8頭立てを4・5番手で追走から外々を回って捲り気味に追い上げて直線で抜け出し2馬身差をつける強い内容。ただ弱いメンバーに恵まれた感は否めない。したがって、外差しが届く展開や馬場になったときには押さえ程度の評価は必要と判断すべきである。

 

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<配合>父マクフィ 母オールドフレイム 母の父ゼンノロブロイ
主導はMr. Prospector5×5・7の系列ぐるみ。さらにLyphard6×6、Roberto6×7の系列ぐるみだが、Lyphardは5代目のNorthern Dancerと、Robertoは5代目のHail to Reasonとそれぞれ位置が逆転しており、瞬発力勝負に不安を残す。芝ダート兼用で好調期にマイル前後の距離で意外性を発揮する可能性はある

 

ウインマクシマム(抽選対象)

<前走>未勝利(中山2000m)1着

中山開幕週の内側有利の馬場でマイペースでの逃げ切りであり、2着に1馬身以上の差をつけているとはいってもレース内容としては価値はあまり高くない。また3走前の札幌での新馬戦では、後の黄菊賞の1・2着馬と接戦しており、今回出走のセンチュリーボンドと能力的には差がないと考えられる。したがって、当馬に高い評価は不要であり、好走には馬場や展開でかなりの助けが必要と判断すべきである。

 

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<配合>父キタサンブラック 母コスモアクシス 母の父ロージズインメイ

主導はHalo4×5の系列ぐるみ。この主導の明確性がこの馬の長所。さらにLyphard5・5×6がスタミナを補給し、父の良さを再現している。米系の血に若干のつながりの弱さはあるものの不備なくまとめられ、父方ブラックタイドを強調しつつ影響バランスも非常によいことも特筆される。安定して長くいい脚を使える中距離ランナー

 

ホープフルS出走の有力馬について事前検討してみた。

今週のポイントはこれに尽きる。

未対戦馬同士の能力比較

 これができれば馬券を獲ったも同じ。でもそれが難しい。

 

もう少し悩んでみたい。