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さて以前、タフツ・シンドロームについて、ご説明したことがあります。
Tufts Syndromeとは、ある大学に「優秀すぎる生徒」が出願した場合、大学側は「この生徒は上位校に合格するだろうから、うちには来ない。」と考え、合格を出さず、不合格やWaitlistという対応をすること。
なぜ、このような対応になるかといえば、大学が、Yield Rate(歩留まり率)を「下げたくない」から。
ではYield Rateとは具体的に何か?
ハーバード大学・CLASS OF 2022のYield Rateは、81.7%。これはどういうことかというと、大学卒業の年が2022年である2018年のハーバード大学合格者のうち、81.7%がハーバードに進学することにしたということ。Yield Rateが高いほど、その大学が第一志望という合格者が多いということになりますね。
ではここで、アイビーリーグやスタンフォード、MIT、カルテックなどのグループ(カテゴリーα)を第一志望にしている志願者が、他には、どのあたりの大学に出願しているのか、考えてみます。
おそらくは、世に名門と名高いけれど、アイビーよりは「入りやすいかも?」と考える大学群(カテゴリーβ)だと思います。だって、アイビーレベルの合格率は、優遇枠に入っていない限り、数パーセントですもの
でも、「カテゴリーαの大学に合格する実力があり、そちらが本命!」という志願者に出願された、カテゴリーβの大学は、ある意味、たまったもんじゃないわけです。
「本当にうちの大学に進学するつもりのある、優秀な志願者に合格を出したい。セーフティー扱いされると、Yield Rateが下がるじゃないの…」と。
なので、明らかに「うちの大学をセーフティー扱いにしているのね。」と分かるような志願者には合格を出さず、「カテゴリーαの大学の合格は難しいかもしれないけど、十分優秀で、しかも、うちの大学に来るつもりのありそうな志願者に合格をだそう。」となるのです…。
ある意味、カテゴリーβの大学側からすれば、当然の判断かもしれません。
このシンドローム、年々傾向が強まっているように思います。
ではどのような対策を立てればよいのか。
まず、もし「カテゴリーβ」の大学の校風などが気に入り、本気で進学したいのであれば、その大学にアーリー・ディシジョン(Early Decision)、あるいはアーリー・アクション(Early Action)で出願すべき、でしょう。
*アーリーは早期出願制度。2種類ある。11月1日くらいが出願の締め切り。
問題は本命はカテゴリーαだが、確実にカテゴリーβの大学にも合格しておきたい、という場合!その志願者が優秀であればあるほど、誠意と手間をつくした対応が必要となります。
次回、その対応策について、お伝えしたいと思います。
*タフツ大学自体も由緒ある名門校です。だからこそ、アイビーなどのカテゴリーαを目指す志願者達にも、魅力的な大学に映り、一緒に出願されてしまうということなのでしょう。私自身は、これまでのブログ記事でもお伝えしたように、知名度やランキングだけで大学を選ぶ傾向には懐疑的です。しかしながら、このシンドロームに陥り、成績優秀・課外活動完璧にも関わらず、カテゴリーα・カテゴリーβといった希望の大学群のどこにも合格できなかったという事例があまりに多いため、うちの子・ミニムーミン出願時に実施した対応策を記事にすることにしました。
**カテゴリーα、カテゴリーβという用語についてですが、今回、便宜上設定しただけで、そういう言葉が受験用語にあるわけではありません。