使者として荒木村重の城に赴いた黒田官兵衛が牢屋に捕らわれ、城内で起きる事件解決に知恵を求められるお話です。

 

 使者は生きて返すか殺して首を返すもので、牢屋で生かされると裏切ったと思われ、人質となっている息子は、主君に殺されるというのがこの時代の考え方です。

 

 官兵衛は自分を痛めつける牢番を、調略によって排除するなど、頭を使って危機を切り抜けます。

 

 宝物ではなく入れ物が必要だった、顔を見た人はその人を初めて見た人だった、という三つ目の事件が謎解きとしてはおもしろかったです。

 

 四つの事件の謎が解けて、最後に明らかになった黒幕は、行けば極楽、戻れば地獄と言われるけれど行かなくても極楽はあるものだ、と言う人で感銘を受けた人が協力します。

 

 官兵衛によって、織田信長の「殺す」に対して、村重の「生かす」が対比され、村重は城から一人で逃げたと思われていますが、その真意が明らかになります。

 パリの介護施設長であるヒロインが施設の改革を進める中で、末期がん患者である舞台劇演出家と出会うお話です。

 

 二人は、互いの国に留学したことがあり、二か国語を話すことができるので、二か国語で会話が弾みます。

 

 舞台後のQ&Aで、不可能なことは不可能です。抜け道を見つけて可能にするまでは。で、話が進み、今夜は帰りたくない、と人生ではじめて口にするほど意気投合します。

 

 ヒロインは母を人をモノとして扱う介護施設に入れたことを悔やみ、入所者の尊厳を守り、近い距離で視線を合わせて話しかけ、肩などに触れて、立つ、介護を実践しています。

 

 資本主義は労働者と消費者がいる都市が、外部を搾取することで成り立つ。時間も外部で、過労死や高度成長はこれによる。民主主義は資本主義の枠内で成立すると分析します。

 

 あなたは何?と聞かれて末期患者だけでないと挑戦していた友は最期が近づくと、急に具合が悪くなり、緩和ケアを受ける目的で帰国しますが、ヒロインは別の提案をします。

 

 リスクを考えることは恐怖で人を縛る。残された力を抵抗ではなく小さな希望を叶えることに使う喜びを学びました。

 足を骨折した大分に住む義父のもとへ行く主人公のお話です。宿泊場所からの途中で朝食をとり犬を散歩させ、写真館を営む義父の手伝いをして、弁当の昼食をとります。

 

 妻は東京で旅行者のガイドをしています。主人公は写真館の仕事で、学校の卒業アルバムや婚礼の写真を撮る手伝いをします。それらが交互に描写されます。

 

 同じような毎日ですが少しずつ違い、動画メールで主人公の誕生日を知った義父は、今日は晩飯を食べに行こうと誘ったりします。

 

 義父が妻と娘の後姿を撮った写真が、主人公の妻と娘になり、世代を超えて受け継がれていくようです。

 

 写真が、記憶を呼び覚まします。音声や音も、同様です。婚礼の写真を撮る音が、自分の結婚式の写真を思い出させ、留守電に残った声がその人の記憶を呼び覚まします。

 

 主人公が、今、撮った写真も、あなたが、今、撮った写真も、将来、そうなることが期待されることでしょう。