北海道の小さな島、ユルリ島には野生化した馬がいる。
絶滅に向かうその馬達を、若いカメラマンが、今、記録している。
なぜ、その島に馬がいるのかというと、
戦後、昆布を干す作業に使役するために、持ち込まれたため。
昭和40年代になって、機械化がすすみ、馬は不要になったものの、
そのまま町に連れて帰れば、食肉用にせざるを得ず、
かと言って、要らないものを飼うわけにもいかず、
小さな島に、放置した、という経緯がある。
ただし、島には、水と餌になる植物はあり、冬場でも雪をかき分けて食べることができるので、北海道の本土?に連れて帰るよりは、生き延びるチャンスがあった。
かくして60年ほど、この小さな島には馬が30頭ほどいたこともあったそうだ。
が、数年前、事情により、雄馬を間引き、雌馬のみを残したので、絶滅は確定したもの。
間引いた理由は、ちょっと、わたしには理解できなかったけれど、どうも、管理?していたらしき人物が高齢になり、責任は持てないから、というような?背景らしい。
雄馬を間引かなくても、おそらく、血縁同士の繁殖が続けば、いずれ、この島の馬達は絶滅しただろうと思う。
この島で生まれて、他を知らず、死んでいった馬もいるだろうし、
最初、馬を放置した人々の願いは、うまくかなったのだろうな、と思う。
家畜である馬に、人の庇護がないのは、かわいそうな気もするが、おそらく、今残っている馬は、人に世話されたことなんかないのではないか。
家畜だから、最後まで見届けるために、あえて殺処分を選ぶか、
運を天に任せて、放置するか。
どちらが、正しいのかは、わからない。
馬が入ったために、この小さな島の小さな生態系は、変わったのかもしれない。
で、何が言いたいかというと、
馬は大変だ!
の、一言に尽きる。
犬は、運が良ければ、飼い主にオムツの世話までしてもらえるものもいるが、
馬は、自力で立てないなら殺す、
用がなくなれば殺す(見捨てる)。
体が大きいから、寝たきりの馬を看病することは、できないだろうな、とはわかるんだけどね。
飼い主だって、自分の力で抱っこができるなら、喜んで、面倒みるだろうな、とも思うんだけどね。
昔から、戦場でも使われたのは、馬の他は犬くらい。
どちらかというと、馬の方が、よりひどい目にあっているように思う。
ユルリ島の馬が、最後の一頭まで、静かに過ごせることを祈ります。