悪魔にすらなれない私は。
ごめんねと告げば、何もかも無かった事として扱われるのだろうか。
この2日だけじゃない、
これまで幾度と過ごした哀しく冷たい夜。
彼は私のメールを見て、何を想っているんだろう。
嘆きを聞いても、哀しみを知っても、
なんとも思わず、いつもとなんら変わらぬ時間を過ごしているのだろうか。
明日は平日。
電話なんてかかってくるのだろうか。
こんなにきまづくさせて、何事もなかったように振舞うつもりだろうか。
もしかしたら電話なんてかけてもこないかもしれないよね。
そうやっていつも逃げるんだよね。
私からも彼女からも、そして自分からも。
どうしてだろう。
どうして自分の気持ちすら見えないんだろう。
そして、見えているのであれば、
どうして、答えを告げられないんだろう。
そんなに簡単に人を傷つけてしまう人なの?
自分だけ幸せなら、それなら周りはどうなってもいいの?
2番目に好きでもいい、そんなちょっとでも好きな相手を、
いとも簡単に哀しみいっぱいにさせて、
平気なの?
私にはよくわからない。
ううん、分かるんだきっと。
私もそうやって傷つけた人がいたもんね。
そうだよね。
罪悪感はあるんだよ、きっと。
だけど、彼の中での捨てられない相手とは、彼女であって、
きっと、私はどちらでもいい存在。
居るなら居て、去るなら去って、
だけどそれは自分で決めてね、なんだろうね。
分かるよ。
とてもよく分かる。
だけどね、私はそうならないように、ちゃんと聞いたよね。
覚えてる、11月6日、月曜日。
私はちゃんと聞いたよね。
このままは辛いから、だから、選んで欲しいって。
たくさん考えて、真面目に考えて、それで答えを出して欲しいって。
あれが最後の勇気だった。
そして勇気をくれた人の為でもあった。
私が罪悪感を感じながらも、好きになれた、
私を1番理解して、1番そばにいてくれて、1番安心できる相手だった。
私はそんな彼を傷つけて、泣かせて、それでも、
君が大好きで、どうしようもなく好きで、
だから、無駄にしたくなかった。
彼が追った傷も、私が感じた罪悪感も、
ふたりの悲しみも、全て、無駄にしたくなかった。
君に逢えたのも、君に告げる事が出来たのも、
彼のおかげだと思ってる。
誰かが犠牲になってでも、誰かが死ぬほど悲しんでも、
私はあなたを失いたくなかった。
ひどい話だよね。
きっと、その彼が、今の私なんだ。
きっと、大好きなあなたの中の私は、
そこまでの存在なんだよね。
だってそうじゃない。
私、連休に入る前、ちゃんと言ったもん。
週末連絡くれなくなるのは、嫌だよって。
そんなことないよ、電話するって言ってくれたのに。
どうして?
土曜日、電話くれたのも、メッセしてくれたのも、
あれは、罪滅ぼしのつもりだったの?
土曜日の電話一度だけで、
あなたの電話するって言葉は終わりだったの?
そんなに簡単なもの?
夜23時に起きるよって言ったのも口実だったの?
ねぇ答えてよ。
ちゃんと答えてよ。
全部嘘なの?
もう、嫌だよ。
こんな事想像してると、本当に悪魔になっちゃうよ。
助けてよ。誰か助けてよ。
もう、どうしたらいいのかわかんないよ。
せっかく買った、彼の為だけの携帯。
こんなもの、
買わなければよかった。
いつか絶対こう想ってしまう日がくると思った。
確信してた。
わかってた。
なのに。
じゃあどうして買ってしまったの?
ばかすぎるよね。
だけど知りたい。
ここまで無視できる彼の心境を。
着暦見ても何も感じない彼の心を。
メールを送っても、返事すらしてこない彼の心を。
ほらね、
素直になったって、何もない。
ただばかみたいって思うだけ。
自分が辛くなるだけ。
素直になったって、何もいい事なんてないもの。
自分がどんどん弱くなって、自分の事が憎くなる。
だから、素直になんてなりたくなかった。
だったら、強がって平気だよって言い続ける方がどれだけ楽か。
もう、涙が止まらないよ。
誰か、
助けて。
あなたはそんなにひどい人なの?
うそつきで自分さえよければそれでよくて、
人の哀しみなんて見ても平気な、そんな人?
そんな風に思いたくないよ。
お願いよ。
そんな風に思わせないでよ。
あなたを信じたいだけなのに。
信じられないよ。
君の心が感じられないよ。
どうしてよ。
好きだよと言ってくれたじゃない。
どこにも行っちゃやだって手を握ってくれたじゃない。
ナウシカ見せてくれるって、
テレビだって見れるよって、
そう言って笑ってくれてたじゃない。
どうしてよ。
なのにどうしてこんなことするのよ。
そんなに哀しませて楽しい?
私が辛くて泣いてたらそれで満足?
嬉しいの?
私は何しても平気だって思われてるの?
そんなに軽く扱われてるの?
私の気持ちは分かってるよって、
辛い気持ちにさせてるって思ってるって、
あれは全部嘘?
その場しのぎの哀れみの言葉だった?
違うって思いたい。
私を忘れていないって、
心は痛めてるって、
そう信じたい。
だけどね、いつもそれは裏切られるの。
いつもそう、
ごめんねのひとことで片付けられる。
私はそんな程度の女。
楽しい週末が過ごせたの?
またどこか車でおでかけしたの?
鼻歌うたいながら、穏やかな時間を過ごしたの?
ねぇ、
私は泣いてたんだよ。
あなたを想って、傷をえぐりながら、
何時間も泣いてたんだよ。
どうしてよ。
私が弱いだけ?
もっと強くならなきゃいけない?
もっともっと笑わなきゃいけない?
私の努力が足りないだけ?
そうなら教えて欲しい。
もう、わからないから。
どうしたらいいのか、わからないから。
強くなりたい。
もう泣かなくていいくらいに、
強くなりたい。
もう、悪魔になんてならないくらいに、
強く強くなりたいよ。
だれか、
たすけて。
声。
とてつもなくブルー。
こうなる事は分かってた。人はどんどん欲張りになる。
昔から比べたら、今の状況がどれ程幸せなのか充分分かっているはずなのに。
こんな気持ちにならない為に、毎日目一杯幸せを感じようって、幸せだけを感じていようって、
そう思って、大切に大切に抱きしめていたはずなのに。
腕が折れそうでも、心がはち切れそうでも、
くだらない戯言なんかに負けないでいようって、
そう想い、願い続けてきてるのに。
彼からの音が鳴らない静かすぎる週末。
もうかれこれ1年になる。
こんな繰り返し、いつまでたっても何も、変わらない。
だけど、彼が大好きで、どうしても好きで、離れる事すらできない。
取ってもらえるはずもない電話片手に、10回のコール。
聞こえてくるのはいつも、女の声。留守番電話へ繋がれる。
それでも前よりましになったのに。
電話すら繋がらなかったあの日々に比べたら、
今なんて、全然ましなはずなのに。
だけど、問いかける言葉は変わらない。
どうして出てくれないの?
どうしてかけ直してくれないの?
メールすら、くれないの?
答えは分かってる。
彼女の家にいるからよ。
そう悪魔が教えてくれる。
素直に彼に問いたいのに。
怖くて言葉が出てくれない。
そんな変われない私は、きっと月曜日には笑ってる。
泣けないもの。
愚痴れないもの。
問いただせないもの。
だから、笑うしかないじゃない。
他に手があるなら教えてよ。
お願いだから教えてよ。
私がこんな気持ちになる事くらい、予想ついてるはずだよね?
メールも電話もしなけりゃ、私が悲しむ事くらい分かってるはずだよね?
私を切り捨ててでも、一緒に居たい相手なわけだ。
私を好きだと、かわいいと言ってくれてても、
どうしても、彼女がいいわけだ。
彼女が好きなんだ。
昔から連絡がとれなくなると想像する。
今きっと、別れ話をしてくれているんだ、って。
だから明日からはきっと、我慢しなくていいんだ、って。
だけど、いつも決まって妄想は妄想のまま終わってしまう。
彼女のブログを見ていると、楽しそうな週末の光景が目に浮かぶ。
なんだ、楽しくやってるんじゃん。
彼女の愚痴なんて、結婚はありえないだなんて、
嘘なんじゃん。
だったら早く結婚してよ。
子供でも作って、どうにもならない状況にしてよ。
そう、私に告げてよ。
さよならって、
ちゃんと私に投げつけてよ。
じゃなきゃ私、もう、どうしようもできないよ。
離れる事すらできない私は、彼だけは責めてはいけないと、
固く固く心に誓う。
笑おうって。
彼がたくさん笑ってくれるように、笑っていようって。
彼が一緒に居たいって想ってくれるように、頑張ろうって。
彼が私を手放せなくなるように、
いつまでもかわいく、屈託ない姿で迎えようって。
だけどね、心はずっといつも泣いてるんだよ。
君の左手に光るリング。
顔が見たいよ、と言ってくれる君の左手には、
いつもリングが光ってる。
私と逢う時にだけ見える、
その薬指の日焼けの跡が、
どんなに私を遠ざけたか分かる?
私を抱く時にでさえ、
首からぶらさがるリングとおそろいのネックレス。
そんなに大事?
そんなに好き?
だったらどうして私なんかに構うのよ。
だったらどうして私なんかいらないって、
そっぽむいてくれないのよ。
どうしてよ。
私はただ、君を信じて彷徨うだけ。
ただ君を信じていたい。
君が好きだと言ってくれたあの夜を、
信じたい。
信じたいだけなのに。
冷たく哀しい現実が今宵も頬を濡らしてく。
君の声が聞きたいよ。
君の手を握りたいよ。
こんな日々もあったんだね、といつかふたりで笑える日を信じて。
いつか、
一緒に居る日々が当たり前になるんだもん。
またねの後の淋しさも、おやすみの後の恐怖も、
全て消える日がくるんだもん。
本当にくるんだもん。
