声。
とてつもなくブルー。
こうなる事は分かってた。人はどんどん欲張りになる。
昔から比べたら、今の状況がどれ程幸せなのか充分分かっているはずなのに。
こんな気持ちにならない為に、毎日目一杯幸せを感じようって、幸せだけを感じていようって、
そう思って、大切に大切に抱きしめていたはずなのに。
腕が折れそうでも、心がはち切れそうでも、
くだらない戯言なんかに負けないでいようって、
そう想い、願い続けてきてるのに。
彼からの音が鳴らない静かすぎる週末。
もうかれこれ1年になる。
こんな繰り返し、いつまでたっても何も、変わらない。
だけど、彼が大好きで、どうしても好きで、離れる事すらできない。
取ってもらえるはずもない電話片手に、10回のコール。
聞こえてくるのはいつも、女の声。留守番電話へ繋がれる。
それでも前よりましになったのに。
電話すら繋がらなかったあの日々に比べたら、
今なんて、全然ましなはずなのに。
だけど、問いかける言葉は変わらない。
どうして出てくれないの?
どうしてかけ直してくれないの?
メールすら、くれないの?
答えは分かってる。
彼女の家にいるからよ。
そう悪魔が教えてくれる。
素直に彼に問いたいのに。
怖くて言葉が出てくれない。
そんな変われない私は、きっと月曜日には笑ってる。
泣けないもの。
愚痴れないもの。
問いただせないもの。
だから、笑うしかないじゃない。
他に手があるなら教えてよ。
お願いだから教えてよ。
私がこんな気持ちになる事くらい、予想ついてるはずだよね?
メールも電話もしなけりゃ、私が悲しむ事くらい分かってるはずだよね?
私を切り捨ててでも、一緒に居たい相手なわけだ。
私を好きだと、かわいいと言ってくれてても、
どうしても、彼女がいいわけだ。
彼女が好きなんだ。
昔から連絡がとれなくなると想像する。
今きっと、別れ話をしてくれているんだ、って。
だから明日からはきっと、我慢しなくていいんだ、って。
だけど、いつも決まって妄想は妄想のまま終わってしまう。
彼女のブログを見ていると、楽しそうな週末の光景が目に浮かぶ。
なんだ、楽しくやってるんじゃん。
彼女の愚痴なんて、結婚はありえないだなんて、
嘘なんじゃん。
だったら早く結婚してよ。
子供でも作って、どうにもならない状況にしてよ。
そう、私に告げてよ。
さよならって、
ちゃんと私に投げつけてよ。
じゃなきゃ私、もう、どうしようもできないよ。
離れる事すらできない私は、彼だけは責めてはいけないと、
固く固く心に誓う。
笑おうって。
彼がたくさん笑ってくれるように、笑っていようって。
彼が一緒に居たいって想ってくれるように、頑張ろうって。
彼が私を手放せなくなるように、
いつまでもかわいく、屈託ない姿で迎えようって。
だけどね、心はずっといつも泣いてるんだよ。
君の左手に光るリング。
顔が見たいよ、と言ってくれる君の左手には、
いつもリングが光ってる。
私と逢う時にだけ見える、
その薬指の日焼けの跡が、
どんなに私を遠ざけたか分かる?
私を抱く時にでさえ、
首からぶらさがるリングとおそろいのネックレス。
そんなに大事?
そんなに好き?
だったらどうして私なんかに構うのよ。
だったらどうして私なんかいらないって、
そっぽむいてくれないのよ。
どうしてよ。
私はただ、君を信じて彷徨うだけ。
ただ君を信じていたい。
君が好きだと言ってくれたあの夜を、
信じたい。
信じたいだけなのに。
冷たく哀しい現実が今宵も頬を濡らしてく。
君の声が聞きたいよ。
君の手を握りたいよ。
こんな日々もあったんだね、といつかふたりで笑える日を信じて。
いつか、
一緒に居る日々が当たり前になるんだもん。
またねの後の淋しさも、おやすみの後の恐怖も、
全て消える日がくるんだもん。
本当にくるんだもん。