声。 | missing moon☆

声。

とてつもなくブルー。

こうなる事は分かってた。人はどんどん欲張りになる。

昔から比べたら、今の状況がどれ程幸せなのか充分分かっているはずなのに。

こんな気持ちにならない為に、毎日目一杯幸せを感じようって、幸せだけを感じていようって、

そう思って、大切に大切に抱きしめていたはずなのに。

腕が折れそうでも、心がはち切れそうでも、

くだらない戯言なんかに負けないでいようって、

そう想い、願い続けてきてるのに。


彼からの音が鳴らない静かすぎる週末。

もうかれこれ1年になる。

こんな繰り返し、いつまでたっても何も、変わらない。

だけど、彼が大好きで、どうしても好きで、離れる事すらできない。


取ってもらえるはずもない電話片手に、10回のコール。

聞こえてくるのはいつも、女の声。留守番電話へ繋がれる。

それでも前よりましになったのに。

電話すら繋がらなかったあの日々に比べたら、

今なんて、全然ましなはずなのに。


だけど、問いかける言葉は変わらない。

どうして出てくれないの?

どうしてかけ直してくれないの?

メールすら、くれないの?

答えは分かってる。

彼女の家にいるからよ。

そう悪魔が教えてくれる。


素直に彼に問いたいのに。

怖くて言葉が出てくれない。

そんな変われない私は、きっと月曜日には笑ってる。

泣けないもの。

愚痴れないもの。

問いただせないもの。

だから、笑うしかないじゃない。

他に手があるなら教えてよ。

お願いだから教えてよ。


私がこんな気持ちになる事くらい、予想ついてるはずだよね?

メールも電話もしなけりゃ、私が悲しむ事くらい分かってるはずだよね?

私を切り捨ててでも、一緒に居たい相手なわけだ。

私を好きだと、かわいいと言ってくれてても、

どうしても、彼女がいいわけだ。

彼女が好きなんだ。


昔から連絡がとれなくなると想像する。

今きっと、別れ話をしてくれているんだ、って。

だから明日からはきっと、我慢しなくていいんだ、って。
だけど、いつも決まって妄想は妄想のまま終わってしまう。


彼女のブログを見ていると、楽しそうな週末の光景が目に浮かぶ。

なんだ、楽しくやってるんじゃん。

彼女の愚痴なんて、結婚はありえないだなんて、

嘘なんじゃん。

だったら早く結婚してよ。

子供でも作って、どうにもならない状況にしてよ。

そう、私に告げてよ。

さよならって、

ちゃんと私に投げつけてよ。

じゃなきゃ私、もう、どうしようもできないよ。


離れる事すらできない私は、彼だけは責めてはいけないと、

固く固く心に誓う。

笑おうって。

彼がたくさん笑ってくれるように、笑っていようって。

彼が一緒に居たいって想ってくれるように、頑張ろうって。

彼が私を手放せなくなるように、

いつまでもかわいく、屈託ない姿で迎えようって。


だけどね、心はずっといつも泣いてるんだよ。

君の左手に光るリング。

顔が見たいよ、と言ってくれる君の左手には、

いつもリングが光ってる。

私と逢う時にだけ見える、

その薬指の日焼けの跡が、

どんなに私を遠ざけたか分かる?

私を抱く時にでさえ、

首からぶらさがるリングとおそろいのネックレス。

そんなに大事?

そんなに好き?

だったらどうして私なんかに構うのよ。

だったらどうして私なんかいらないって、

そっぽむいてくれないのよ。

どうしてよ。


私はただ、君を信じて彷徨うだけ。

ただ君を信じていたい。

君が好きだと言ってくれたあの夜を、

信じたい。

信じたいだけなのに。

冷たく哀しい現実が今宵も頬を濡らしてく。


君の声が聞きたいよ。

君の手を握りたいよ。


こんな日々もあったんだね、といつかふたりで笑える日を信じて。

いつか、

一緒に居る日々が当たり前になるんだもん。

またねの後の淋しさも、おやすみの後の恐怖も、

全て消える日がくるんだもん。


本当にくるんだもん。