秋の門下生のコンサートでは、連弾やセッション、ソロなど全部で6曲を演奏する。
中でも、ソロのショパンは私にとって与えられた課題でもある。
ものすごく手が小さい私...
音を外すリスクもしかり、その手を見開いてかなり早い16分音符を打ち続けるため、最後には指も腕もつりそうになる。
そんなことより、私にぴったりで、流れよく弾けているからと、なぜかY先生はこの一曲を提案した。
大好きで、自分の人生をどこか映しているようで、選曲そのものに異論はない。
ただ、リスクはリスクとしてある。
2ヶ月でモノに出来なければ別の選曲をすると言っていたけれど、その期日。
無事?苦笑 ショパンに決定された。
そこから調子は波打ち、思うように弾けなくなっていく。コンサートの日にベストに持っていく.... これ、アスリートと同じだからと....
そして...まだなぜか別の逃げ道を考えていた私。
音大レッスンの発表会も、コンサートと同時期に予定され、そちらにも出ることに。
こちらで提案されたプーランクは、手の大きさ的には無理がないが、どちらかというと私が苦手としている曲調。
とはいえ、リスクの少なさからこのプーランクを逃げの候補にY先生に提案。
ちょっと弾いてみろと言われて触りだけを弾いたけれど、曲調と譜読み程度しかしていなかった私の音を聴き、すぐさま却下。
そんなこんなのやりとりをしながら一ヶ月。
プーランクとショパンは、それぞれのレッスンで鍛えられ...
音大のT先生にもショパンも聴いてもらった。
いくつかアドバイスを頂くも、問題ないと。
そして、誰より毒舌なY先生も...
" プーランク弾いてみなさい" と。
T先生には、なかなかよく弾けてると言われてはいたが... 一体どんな評価が下るのか⁈
すると、
Y先生も少しのアドバイスを....
意外な言い方で!
"もっとこうしたら、より素敵な演奏になると思うわ"と。
やっと聴けるようになった
雑音は聞きたくない
もっとマシに弾けないの⁈
大抵は、こんなやりとりが繰り広げられる。
そしてY先生は、続けてショパンも弾かせた。
自分が破たんしないように、弾いたショパン。
これにも、" スランプからはどうやら抜けたみたいね。私はショパンを弾けば?と思うけど、精神的にその方が楽なら、プーランクにしてもいいわよ。よく弾けていたから"
と。
わお...
これは、Y先生流の最大の褒め言葉だろう。
どちらでもよいと言われると、ショパンのリスクをとって見たくなったりもする。
人の心理って不思議ですね~