どうして私の家族だったのか
どうしてこうなってしまったのか
いろんなことが頭をめぐる
もし違う日なら
もう少し時間がずれていたなら
どうしようもないことなのに
そんなことばかり考えてしまう
病院について手渡されたのは
家族の所持品が入った大きな袋
中が見えない白い袋だった
私はそれを開けるのが恐かった
事故を記憶している物たち
でも、そこからにおうのは明らかに家族のにおい
人間のにおい
愛おしさと悲しさと恐怖が私の中を巡った
勇気を出して開けてみれば
現場の慌しさを思い起こさせるように破かれた衣類たち
染み付いた血
靴
携帯電話
涙がこみ上げてきた
嗚咽とともに肩が揺れる
でも、それとは裏腹にどこか冷静な頭は
血なんて気にならなかった
優しくそれをたたんで
無傷なものを必死にさがした
懐中時計
父が大切にしているもの
肌身離さず持っていたもの
私に誇らしげに見せてくれた
それは、無傷で今も時を刻んでいた
大丈夫
みんなきっと元気になる
幸せな日が必ず戻ってくる
また、みんな一緒に時を刻める
そう信じて
これから訪れるであろう困難を考えながら
強く立たなきゃと
思う
後悔なんてしても無駄
これからをどう刻んでいくべきか考えないといけないんだ