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                                            ( 松本駅のスーパーあずさ32号 )
マイクロバスが竜島温泉からJR松本駅に向かう中で登山ガイドのOさんが「Yさんから何か説明をして下さい」と言われたと言いがらマイクを持って話をしました。「今回はお客様に恵まれました、というのも途中でひょっとして私がザックを持つ羽目になったら大変と思っていましたが、そういう事も無く登山できたのが幸いでした」と言われて私のことを指して言っていたのかなと思いました。
「私は学生のころから登山をしていて、危ない山にも行って親に心配をかけましたが、その親も死にました。登山をしていて親の死に目にも会えませんでした」という登山好きがこうじて今の職業についているというような解説でした。
午後6時にはJR松本駅に疲れ切った一団が到着して午後6時35分の新宿行き特急に乗り込みました。松本駅では自由時間20分でお土産を買う時間があったので土産物屋で品定めをするも買うものとてなく、以前お土産で買った安曇野そばが美味しかったのを思い出して乾麺を購入しました。
 
午後6時35分発のスーパーあずさ32号に乗り込み直ぐに前日注文した弁当がYさんから配られたので食べましたが、美味しくなかったのでやっぱりかという気持ちにさせられました。しかし電車の中で今日は弁当が売ってなかったというような話し声も聞こえたので食べられるだけいいかと思い食べました。食べ終わることには再びYさんがビニール袋を持って弁当がらを回収にきました。この時、弁当が食べられたので温泉に入った効果があったのを感じることもできました。
座席は行きの時と左右が変わり、私の横には行きの時同様愛想の悪い男が座りました。この男とは会話をする事も無く新宿まで行きました。座席によっては会話が弾んでいる座席もありましたが、私は静かな方が楽でいいと思いました。外は夜で暮れていくばかりの暗闇だったので見るものも無いのですが暮れゆく景色を眺めていました。あれだけ歩いて疲れた筈ですが眠くならなかったのが不思議でした。
 
この列車の一番の問題は自由席が休日で大混雑しているということでした。社内アナウンスで駅に到着するたびに、自由席のある車両のドア付近を開けろというような注意がされたので、自由席の車両がどれだけ混雑しているのかと少々不快な気分になりました。指定席は立っている人もいなくてゆうゆうとしている状態でしたので、立っているだけならば指定席の通路に人を流せば少しは混雑も解消するのではないかというようなことを勝手に考えていました。社内販売も指定席の車両ばかりを往復しているので何度も販売に来るようなな始末でした。
それに加えて、車掌の説明では混雑で列車が3分遅れなのでそのまま3分遅れて新宿に到着しますという説明が気になりました。3分遅れたのなら取り戻して定刻通り到着するのが日本の伝統ではなかったのかと思ったからでした。会社の評価でいえば落第点、こういう事がJRでは日常茶飯事になっているとすれば、やはりJRの劣化はどんどん進んでいるのだということを感じさせ落胆したのでした。
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( 竜島温泉に行くときには川を渡ります )
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( 日帰り温泉 竜島温泉 )
沢渡で混載バスからマイクロバスに乗り換えて、午後4時10分くらいに竜島温泉に到着しました。Yさんがマイクロバスの中で「温泉には登山ツアー3組が予約しているので混んでいるかもしれません」という案内をしたので気落ちしました。昨年の登山でも帰りの温泉で大勢の人で風呂場に入るのに待たされたという経験があったので、その時の再来かと思ったのでした。
竜島温泉にマイクロバスが到着すると、皆準備よく入浴のものを持って温泉に急行しました。私はマイクロバスの座席が奥だったせいもあり少し遅れながら風呂場に行くことになりました。
風呂場に入ると幸いにして洗い場が空いていたのでほっとしました。風呂を出るときにその理由が分かりました。風呂場の外には露天風呂があって、皆そちらに行ったので洗い場が空いているのした。私は露天風呂に入るなんていう趣味は持ち合わせないし、そもそも温泉なんていうのもは大勢がはいるので汚いという先入観をもっているのでさっさと出たいという気持ちが強く、体や頭を洗って風呂には数分も温泉に浸かってから脱衣場に出ました。脱衣場の長椅子に座り、丁寧に足をふくと塵が取れて温泉の不清潔さを感じました。
温泉を出て冷たいものでも飲もうと自動販売機で長野特産の葡萄ジュースを持ってツアーメンバーがビールを飲んでいる場所に行きました。私はジュースでもう一人の男はお茶を飲んで、その他全員がビールを飲んでいました。唯一20歳代の若い男は一人カツカレーを食って他の世代との格差を見せつけていました。
ここでは、あの山この山についてツアーメンバーから質問が出るたびに登山ガイドのOさんが解説する場になっいていました。話が弾んでいるなか私が「そろそろ帰り時間では・・・」とYさんに言うと「バスに帰りましょう」とYさんが仕切ってビール飲みの後片づけを始めてバスに向かいました。
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最初に来た時に昼食休憩したインフォメーションセンターの裏手に到着するとYさんが待っていました。
Yさんが登山の遅い3人に向かって「今日は何も無かったですね」と言うので私は「下山は得意ですから」と答えると、登山ガイドのOさんが「下山は誰でも問題ありませんよ」とそういう質問が無駄であると決めつけたのでした。しかしもうひとりの登山で時々立ち止まった男は「いや下山もきつくて何とかついてきたけどね」と弱音をはいていました。
ストレッチ体操をしてからザック内を片付けて、お土産を買ったりとする時間を過ごしました。お土産を買うばかりでなく、同時に冷たいものを胃に放り込みたいという衝動が断ち切れずアイスクリームを買ってバリバリと食べると少しは渇きがいやされるように感じました。
休憩時間はザックを片付けて土産物を買う時間を含めて30分ほどしかありませんでしたので、それほどのんびりとはできませんでした。弾丸ツアーかなとも思えるのでした。
午後3時位に一般観光客との混載のバスで沢渡まで行き、沢渡からマイクロバスで竜島温泉という日帰り温泉に向かいました。
混載バスは満席で補助席も使い、小さな子供は親の膝の上に載せる程混雑していましたので、バスが上高地から沢渡に向かう途中のバス停では、運転手が満席ですと言って扉を開けませんでした。待っている人たちは何時になったらバスに乗せてもらえるのか不安だろうなと思いました。
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                     ( 明神から近くの川もいい景色でした )
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                     ( 上高地のロッジが見えて安心する )
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                                         ( 河童橋のたもとから穂高方向を見る )
明神から上高地までは登山客よりも観光客の方が多いような気がして「こんにちは」と登山道で声をかけるのとは少し雰囲気が違うような感じを持ちました。家族連れが楽しく歩いているかと思えば、ぐずって歩きたくないというような子供もいて、上高地が近づくにつれて普通の世間に帰ってきたのだという実感を持たせたのでした。ツアーのおばさん連は昔の経験からか、自分でも覚えがあるのか思い出したように「あれでも子供なりに行きたくない理由を考えているんだよね」という会話が聞こえてきました。
それに外人の3・4組ほどの年配の夫婦が歩いて来るのにも出会って、上高地だけあって金持ちの西洋人夫婦が散策を楽しんでいるのかなという感想を持ちました。
 
河童橋の前までくると登山ガイドのOさんが河童橋の手前で立ち止まり、「橋の奥に見えるのは焼岳です」とか「反対側に見えるのは穂高の山です」とか解説をしてくれました。しかし、9時間も歩いているのでそんな話はもうどうでもよく、早く休みたいという気の方が強かったので、ここで歩くのを停止している時間が無駄なように感じるのでした。
上高地のバスセンターに到着したのは午後2時20分位でした、何とか登山もできて帰ることができたのでほっとしたというのが一番の感想でした。足の裏は歩き続けて水ぶくれができえていましたが気になるほどではありませんでした。
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                     ( 穂高の山並みにに雲が出ている )
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                     ( 晴れて川の光景がよく分かる )
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                     ( 猿の群れが出たあたりの場所 )
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                                                     ( 明神到着 )
徳沢園からは相変わらずの青天の中の歩行で気持ちよく歩けました。しかし足の裏は皮がはがれるのかと思えるようになっていたのでした。天気の良さは暑さも同居していて、長時間の歩行で汗も出るし喉も渇くしという体調は青天を愛でるような気持ちはすっかり失せさせて、早く上高地に到着したいという一心だけで早足で歩くのでした。それでも昨日のような小雨の中の歩きに比べれば天国を歩くようなものでした。
途中でキッキッと鋭く鳴く声が聞こえて猿の群れに出会い、あちこちに猿が点在する姿を見ながら歩きました。猿の一匹は道路際に現れましたが、我々を全く恐れる様子も無く歩いてたのをみるとすっかり人に慣れているのかとも思ったのでした。ツアーメンバーは「あっちだ」「こっちだ」と野生の猿を見た驚きに歓声を上げて歩くのでした、しかしそういう事に対しても登山ガイドのOさんは反応を見せませんでした、ひたすらに歩き続けて立ち止まろうとはしませんでした。
徳沢園から穂高の山並みを見ながら1時間弱かけて明神に到着すると、休日の家族連れが大勢いて日陰のベンチは満席なので、仕方なく木の影が気持ちだけあるような場所に座って休みました。私はコーラを一気飲みしましたが刺激が強すぎて半分も飲めませんでしたが、それでも喉は渇いたように感じてもっと冷たいものがほしい気分になりました。
ここで添乗員のYさんは先に出発して上高地のバスを予約に行き、残りの13名で上高地に向かって歩き始めました。
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                   ( 天気が良い日に歩くのは楽しいと感じる )
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                 ( 誰もが見慣れた光景も少しは違うと思えました )
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                                              ( 徳沢園入口から穂高方面を見た光景 )
横尾山荘を出発してから河原沿いの道を徳沢に向かって進み、1時間弱で徳山荘に到着しました。何度も見ている風景もこれだけお天気がいいと何だか違う場所に来ているような錯覚に陥るほどでした。昨日は雨合羽で重いザックでふらふらしながら歩いた同じ道とは思えなかったのは、よほど精神的にも肉体的にも変化があったのだろうと思わせるほどでした。
初夏の夏に輝く木々の葉もここではまだ新緑に見えるものも多いのが、緑を強く感じる人間の視覚を刺激しているとも感じるのでした。
徳沢園では皆が冷たいものがほしいというのでソフトクリームを皆が競って買いましたが、私は最初に貰ったへ先が地面にぼたったと落ちたので、そのまま行こうとすると店の人が気を遣ったのかもう一つくれたので難なく食べることができました。ソフトクリームを楽しむのではなく冷たいものを胃の中に入れたいという事なのでなめるというよりも一気に食べて胃の中に放り込みました。少しは冷たさで体が癒されるような気分になりましたが、それは一瞬で終わりました。
小屋の玄関に座りこんでYさんがソフトクリームをおいしそうに舐めていて「やっぱりこれがいいですね」と感想を述べるのを、私は聞き役に回り同意したのでした。
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                  ( 流れ落ちる小川を見ながら歩くのは楽しい )
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                      ( 森の中の小川が清々しい )
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                      ( 日本庭園のような光景だ ) 
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                                ( 穂高の山並みが見える横尾山荘前に到着 )
槍見河原から横尾までの道は、昨日は小雨に濡れながらヘッドランプで道を照らしながら歩いた道で、当然周りは真っ暗だったので、当然ながらこの日は風景が新鮮に感じられました。昨日は雨で道が悪かったのですが、今日は一転して気にならないほどになっていました。
横尾までは川から少し離れて歩く道で、風景は林の中に変わりましたが、時々小川や湿地帯が現れると、その光景は私好みのものでもっとゆっくり歩きたい気分になるでした。しかしながら、先を急ぐ登山ガイドのOさんはすたすたと歩みを進めていくばかりで、そういう観光をする気分にしたる時間などはありませんでした。
横尾山荘には午前11時15分くらいに到着しました、槍ヶ岳山荘を出発してから6時間くらい経過していました。ここではもう太陽の陽に当たると暑いので、小屋の陰を何とか見つけてから預かり荷物をザックに詰めこんで一休みしました。添乗員のYさんは日がさんさんと射しているベンチで何かを食べていたので若い人は違うものだなと感慨を持ってその姿を見て休みました。
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                  ( 身を任せるように流れ落ちる川の流れ )
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                       ( 清流の音が響く谷間 )
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                    ( 木々の間を清流が流れ落ちる )
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               ( 槍見河原で腰を下ろした場所に咲いていた花 )
槍沢ロッジでは登山靴の底はがれの対応があったので休憩は20分くらいになりました。この先は川の急流を右手に山の斜面の木陰を歩きました、その光景は昨日同様ニュージーランドのルートバーントラックを思い出させて、川の流れの音がうるさいのも忘れるくらいに景色に惚れてしまいました。川の清冽さはルートバーントラックの横を流れる川と同じだったようにも思えました。これは私の個人的な感想だったかもしれませんが、午前10時位のそんなに太陽も高くない時間なので、光と陰のコントラストが一番良い時間だったかもしれません。
昨日とは違いどんどん下るだけなので足早になっているのが自然にわかりましたが、早朝から歩き続けているので槍見河原に到着した時には少しへたりこんではあはあという息を収めました。朝5時から歩き始めて5時間も経過したこともあり再び食欲はなくなり、それよりも冷たいものを体に入れたいという欲求が高まってきました。
やれやれと思って腰を下ろした大木の前には小さな白い花が咲いていたのを見つけて、休みがてらシャッターを切りました。
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                         ( 山崩れの場所を通る )
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                     ( 歩きながら撮影、花のきれいな高山植物 )
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                      ( 槍沢ロッジの入り口前で休憩 )
昨日は初めての登山ルートだったので、曇り空の下を周りの様子を窺いながら歩いたのですが、今日は天気も良いし下りばかりで歩くのは苦になりませんでした。しかし、ババ平から先の直射日光が当たるような場所では暑い直射日光で夏を感じて不快になりました。それでも大半は崖の陰や林の中だったので何とか歩くことができたのだと思います。
午前9時20分に槍沢ロッジの到着して一休みしました。この時には日が十分に上って、日当たりの場所は暑いので日陰の場所を探すと、入り口のあたりは宿泊した人たちが出払ったと見えて閑散としていました。そこに全員がザックを下して休憩しました。
ロッジの先の登山道の通り道には望遠鏡が置いてあって、槍ヶ岳を見るように設置してあるのですが快晴の空にはいつの間にか雲が出てこの望遠鏡から槍ヶ岳を見ることはできませんでした。
槍沢ロッジでは水が冷たいので出ていたのでたらふく飲めるだけ飲んでから、あとはペットボトルにも詰めてこの先で飲みました。
 
木陰のベンチで一休みていると一人の男が靴の底がはがれるというような事を言ったので、登山ガイドのOさんが自慢の靴の底を固定する道具を取り出して片足はOさん、もう片足はYさんが取り付けるという騒ぎがありました。
Oさんが「この靴は何年前に買ったの」と質問するとその男は「10年前です」と答えたので一同全員が驚きました。10年も同じ靴を履き続けるなんてことが出来るのかとも思いました。こういう厳しい登山の時は、靴を買いなおす絶好の機会と思って買うねばならんかという判断の時に、考えもなくそのまま履いてきたのだろうと思いました。
時々登山の前に注意書きとして、登山靴の底がはがれていないか確認してくださいというような文章を見かけることがあったのですが、実際にそういう場面に初めて遭遇して事実としてあるのだというのを見聞した貴重な経験をすることになりました。