つい先日、この映画を海外で観ました。 あまりにおもしろかったので、この原作本を読んでみたわけです。 映画はこの原作にかなり忠実に映像化しています。 船の描写などは映像のほうがわかりやすいので、この原作と合わせて映画を観るのをお勧めします。
さてさて、内容はインド人青年パイの冒険談なのですが、かなりユニークです。 乗っていた貨物船が沈没し、自分ひとりだけが救命ボートで脱出できるのですが、そのボートの中にはシマウマ、ハイエナ、オランウータン、そしてベンガルトラが居て、主人公パイはトラと一緒に200数十日の漂流生活を体験する話です。
第1部はパイの幼少時代の物語、第2部は本題の漂流生活、第3部が漂着後の話。 ちなみに、この作品での著者は売れない作家で、流れ流れて生活費の安いインドで小説のネタ探しをしている時に、パイの冒険談を小耳に挟み、パイ在住のカナダで本人から話を聞いている状況で進行していきます。
なかなか書き方が巧みで、話に引き込まれます。 おそらく、原文で読めばかなりの感動を得られるかと思います。 と言うのも、主人公はインド人で、舞台は太平洋で、共演が猛獣という設定は、ヨーロッパの人には未知の世界の話のように取られるはずです。 話の流れと同時に、水泳の話や数学の話、宗教の話や猛獣の話、海や魚の話などがサイドストーリーのごとく出て、詳しく解説されています。 物語と同時に教育書的な内容も含まれていて、読み応えを感じます。 で、この作品はイギリスのブッカー賞を受賞しています。
一度読んで、また読み返したくなる作品です。 それと、再度言いますが、映画も合わせて見ることをお勧めします。