120円で530キロの旅 | ミスプロの海外競馬

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関西の人だとわかるかも。 全国でも電車に乗るのが好きな「乗りテツ」だと知ってるかも。
大阪・福島から天満まで環状線2駅区間を超大回りすると、530キロ・12時間の大旅行ができます。 ちなみに、切符代は120円。
一度やってみましょうか。
 
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大阪市内のJR福島駅から天満駅まで電車に乗った。 大阪環状線だと2駅目、約5分(2・6キロ)。 だが、関西2府5県をまたぐ約530キロ、約12時間の「大回り」をした。 ちょっと信じ難いが切符代は120円。 JRの大都市近郊区間内の運賃特例だ。 トラベルライターの横見浩彦さん(46)=横浜市=に旅の先達をお願いした。
 
東京▽新潟▽大阪▽福岡圏は路線が多く、目的地までの経路が複数ある。 乗った経路通りの運賃を請求すると、改札口で頻繁な精算が生じ、お客も駅も大変な手間。 そこで指定の区間内では、同じ駅を2回通ったり改札口を出ない限り、最低運賃で行ける。 大阪圏は98年に和歌山線や加古川線(兵庫県)などが加わって大幅に拡大、大回りできる距離が延びた。
 
朝7時過ぎ、毎日新聞大阪本社に近い福島を出発。 コンビニのおにぎりを食べたばかりなのに腹が減る。 「電車に乗ると、みんなそう言います。 揺れが消化を促進するとか、諸説ある」と横見さん。 和歌山で早速、ホームの立ち食いスタンドへ。
和歌山線では無人駅が続く。 畑と民家、たまに工場。 どこを走っているのか分からないと眠くなる。 地図を持って来るべきだった。 10時過ぎ、年配の車掌さんが検札に来た。 福島発の120円切符、どう見てもキセル乗車。 緊張しながら「お、大回り中です」と差し出すと、「ああ、はい」と無反応。 同好の士は多いとみた。
 
「うぉー」。 突然、横見さんが窓に額をくっつけて興奮。 昨年3月、近畿で唯一残っていたスイッチバックが廃止された北宇智だ。 「行きつ戻りつする電車を跨(こ)線橋の上から何度も見た」。 当時のホームや線路はまだ残っていた。
 
加茂からローカル色が濃くなり、2両編成のディーゼルカーがうなる。 14時を過ぎて猛烈に空腹だが、なかなか売店がない。 「関東の大回りだと、いくらでもエキナカ(駅の中)で食えるんだけど。 甘くみてた」と、横見さんもつらそう。
 
草津から新快速。 沿線に、これでもかとマンションが林立している。 ここから琵琶湖を左回りに1周。 壮大なアホらしさが醍醐味(だいごみ)だ。 「ほや、ほや」と連発していたおばさん2人組は長浜で下車。 「そうだ」の意味の方言らしい。 湖西線沿いの水田を琵琶湖と見まがう。
 
道中、横見さんは「デートコースにどうかな」と真顔で言った。 確かに、綿密なルート計画が必要で、食料やトイレの心配を共にする。 下手な所でケンカして途中下車すると、とんでもない運賃を払うはめに。 スリルあるデート、盛り上がるかも。
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