ファンブログ❤源氏物語 第三部 宇治十帖 第五十帖 東屋<あずまや>” | みそらの日日是好日 ‪‪ᵕ̈* ニチニチコレコウジツᵕ̈*

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2020年春...
1998年生まれの長男は
東京で社会人に。
2000年生まれの長女は
うどん県で女子大生。
これから わたし時間を楽しむぞ!!(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛








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壱や【源氏物語】
宇治十帖
第五十帖
東屋


薫は、浮舟に惹かれながらも、熱中するのは、身分をわきまえない行為とさしひかえて、自分からは手紙などやらず、専ら弁の尼を仲介にして交渉させている。

常陸の守のところは、先妻の子も多く、後妻の北の方にも子供が次々生まれていたので、とにかく連れ子の浮舟を常陸の守は他人扱いして冷遇しがちであった。

北の方はそれを苦にして、何とかこの姫君にいい結婚をさせたいと願っていた。

この浮舟は、水際だった美しさで自然に具わった気品があるので、母君としては、こんな境遇に置くのがしのびない。

連れ子として差別されるのが不憫でならない。

常陸の守は、財力にまかせて、家も派手に飾り立て、娘たちも、京の姫君に負けないようにと大切に育てているので、懸想文を寄こす者も多くいた。

その中で左近の少将というのが人品も卑しくなく、しっかりしているように見えたので、この男なら浮舟の婿としてもいいだろうと、母君は手紙の取り次ぎをして、浮舟にも返事を書かせ、ふたりの仲を取り持った。

少将は熱心に言い寄り、母君は縁組は八月ごろと決めて、娘の部屋を飾り立てて婚礼の用意をする。

そのうち少将が待ちきれず、結婚をせいてきたので、母君は仲人に、浮舟が連れ子だということを話した。

それを仲人から聞いた少将は、常陸の守の財力と助力を目当てにして、不如意な生活を改めようと思っていたので、常陸の守の実子ではなく、守がうとんじている継娘と知って、すっかり怒ってしまった。

そこで、心の悪い仲人が、浮舟の代りに、まだ少女の常陸の守の娘と取り持って、相手を取り替えて浮舟の異父妹と縁組してしまった。

それと知らぬ母君は、少将が明日にも通ってくるものと準備万端整えて待っていたところへ、常陸の守がやって来て、自分の娘と少将の結婚話が整い、約束の日に少将が通ってくると告げた。

母君はすっかり動転して、少将の裏切りに言葉もなく、浮舟の身柄をしばらく預かってほしいと、中の君のもとに手紙を届けた。

中の君は、父宮があれほど認めなかった妹だからと逡巡したが、女房の大輔が取りなして、二条の院の西の対の人目のつかぬところに、かくまうことにした。

母君と浮舟は乳母と二、三人の女房を連れて、中の君のところへ身を寄せた。

母君は中の君の幸せそうな生活を見て羨ましく、自分に冷淡だった八の宮を恨めしく思う。

二、三日滞在していた母君は匂宮を垣間見て、そのあまりの美しさに驚嘆する。

その折、従者の中にまじっていた左近の少将の姿もら見つけ、その貧相な卑小な感じに、こんな男を婿に望んでいたかと恥ずかしくなる。

ここでは母君は、訪ねて来た薫をも垣間見て、匂宮に劣らない立派さ美しさに驚く。

あまりに身分が違いすぎて、これまで薫から浮舟を大君の身代わりにという申し込みを本気に考えていなかったことを悔やむのだった。

今はその仲立ちを中の君に頼みこんで帰って行った。

匂宮は帰ってきた時、中の君が髪を洗っていたので退屈しのぎに邸うちを歩いていて、ふと西の対にいる浮舟を目にとめてしまった。

誰ともわからないまま、女の美しさに匂宮はすっかり興味を持ち、その場で浮舟を捕らえて放さず、側に寄りそって横になると、傍若無人に、何とかして女を自由にしようとする。

浮舟は生まれてはじめてそんな目に遭い、恐ろしさのあまりなす術を知らない。

そのうち相手の言葉から、この邸の主人の匂宮だとわかって、途方にくれる。

気丈な乳母がその有様をみつけて、ふたりの側に寄り、降魔のような形相で匂宮を睨みつけ、何とか追っ払おうとするが匂宮は平気で、邪魔者の乳母の手をひどくつねったりする。

そこへ見廻りに来た女房の右近に乳母はこんなことになって困っていると遠慮なく告げたので、右近は覗いてみてびっくりし、中の君に告げるべく立ち去ってしまった。

中の君は事情をきいて、また匂宮のいつもの癖が出たと嘆息し、浮舟を可哀そうに思うがどうしようもない。

そこへ明石の中宮の御加減が悪くなったという使いが来て、匂宮はしぶしぶ浮舟を手放し、宮中へお見舞いに上がった。

危機一髪で難を逃れたものの、この先が思いやられてくる。

中の君は浮舟を身近に呼んで優しく慰めて、一晩、自分の側に寝かせて八の宮の話などしてやる。

母君は乳母から事情を聞き、あわてて浮舟を引き取って、三条あたりに用意しておいた小さな家に隠した。

弁の尼が薫に頼まれて京へ出向き、浮舟に薫の意向を伝えていた夜、突然、薫自身が忍んで来て、浮舟と一夜を共にした。

浮舟の可憐さ美しさに満足した薫は、その翌朝、浮舟をいきなり車に乗せ、宇治へ連れ去ってしまう。

弁の尼と女房の侍従だけがお供をして、その車に同乗して宇治へ行った。

浮舟は運命に流されて、自分の意志ではなく、ついに宇治に住みつくことになる。
源氏物語 巻九 
瀬戸内寂聴 訳 引用



この歌を聞いていると浮舟
が現代に蘇って来ているようで
壱やブログより

壱やブログより画像お借りしました。


一族を背負う妊娠と出産

「東屋」巻、浮舟の母は、中の君・匂宮・若君家族の仲睦まじい姿を見て、心を騒がせた。

これぞ玉の輿、我が娘・浮舟もあわよくば。
そう思うと、夜一夜眠ることができなかった。

中の君にこの幸福をもたらしたのは、妊娠と出産だ。

匂宮を夕霧の娘・六の君に奪われかけるなかで、それはまさに起死回生の一発であった。

また生まれたのが男子だったことで、日陰者だった彼女は一躍貴族社会に認められ、産養うぶやしないには公卿たちがつめかけた。

さて、ことこの「妊娠」「出産」という物語要素については、平安文学における重要性たるや、近代文学とは比較にならない甚大さと言っても過言ではない。

人々は妊娠を男女の前世からの契りの深さを意味するものと考えていたし、出産はそれこそ家の繁栄に直結する大事だった。

そんなわけで、平安文学には夥しい数の「妊娠」「出産」が描かれている。

この『源氏物語』宇治の中の君、彼女の妊娠は六の君と匂宮の縁談が本決まりになった時期に重なる。

中の君は零落皇族の娘で匂宮の単なる妻の一人に過ぎず、権力者の娘で堂々の正妻・六の君の前には、居場所を失いかねない。

そこを救ったのが「妊娠」という切り札だった。

だが彼女は、それを匂宮に突きつけたりしなかった。

食が細くなった彼女を見かねて、彼が「ねえ、どうしたの?妊娠したらそんなふうになるって聞いたけど」などと聞いても、恥ずかしげにやり過ごすだけ。

偉そうな「懐妊宣言」で六の君に対抗したりはしない。

このつつましさは、匂宮にも夕霧にも、また匂宮の両親にも好印象を与えたろう。

計算か偶然か、はたまた無意識の故意かは別として、彼女は懐妊という切り札を上手に使ったのだ。

とはいえ、懐妊のことは女房に確かめれば分かるものだ。

当時の女性は御帳台の中の「清筥しのはこ」で小用を足していた。

月々の生理がなくなれば、その清掃にあたる「樋洗ひすまし」たちが最初に気づき、やがては上臈じょうろう女房に知られる。

この時代、妊娠と出産には産婦とその一族の運命がかかっていた。

また当然のこととして、命がかかっていた。

その勝者と思えば、宇治の中の君は、やはり大した強運の持ち主だったのだ。

平安人の心で「源氏物語」を読む
山本淳子 著 引用









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ブログの更新が
随分空いてしまいました。

壱やブログでは
23日日曜日に「浮舟」更新されてます。
明日は「蜻蛉」の更新予定。

遅れをとっていますが
マイペースで
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いつも
お付き合いありがとうございます。
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