トラという名の女② | のほほんいこう

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トホホな日常をのほほ~んと綴りたくて始めたブログですが。娘2人の不登校や父の末期癌や母の大動脈解離などいろいろありました。40代から始めて今や還暦過ぎ。長い長い自分の記録になりました。ボケ防止だと思って書いてます。

つづきです。


幼い息子2人を嫁ぎ先に残し、家を出たトラは、飯場の飯炊き女として働いていた。

出戻り娘に世間の目が冷たかったとはいえ、普通は実家に戻るだろう。


しかし、トラは実家には戻らなかった。


あらくれ男どもの現場に泊まり込みで、飯炊き女として働くという、その選択もまたトラの気性の激しさを感じさせる。


なぜ、そうまでして外で働いたのか。

家電の無い時代の農家なら、実家でいくらでも家事仕事はあっただろうに。


その驚きの理由もまた、トラが亡くなった1年後にわかることだった。


ここまでは、我が家の家族とトラには接点は無かった。

このまま、縁もゆかりも無く生きていたかも知れない人だった。


つづく