令和7年9月15日(月・祝)
俺の本棚~面白いッ書 第763回
文庫本4冊購入。 阿部暁子があった。 「パラ・スター Side百花」 「パラ・スター Side宝良」(単行本は共に2020年)、村木嵐「まいまいつぶろ」(単行本は203年)、石田衣良「池袋ウエストパークXIX 神の呪われた子」(単行本は2023年)である。
元会社のメンバー・80才前後の8人で呑み会。 誰もが病気・手術の自慢大会の如くで、かつ、元会社の誰々が亡くなった、という年寄りらしい盛り上がりであった。 予約した部屋が暗く、人手が足りないのか、酒・肴の注文に対して反応が遅いので、次回は、16時から、もっと明るいところで、と話が決まり、言い出しっぺの自分が探すことになった。
PGAは、久常、金谷、大西の3人。 ・・・久常涼が予選通過。 ・・・13位だった。
LPGAは、13人。 ・・・山下美夢有、岩井千怜、畑岡奈紗、竹田麗央、吉田優利、西郷真央、勝みなみ、古江彩佳が予選通過。 渋野、笹生以下、5人は予選落ち。 ・・・山下4位(103千$)、畑岡・岩井5位タイ(54千$)、アトは、竹田38位他、下位に沈んだ。
欧州ツアーはイギリスで。 何と、松山が出場、中島、桂川の3人。
(世界の舞台で日本人19人が出場、たいしたモンだ。 それにしても女子が圧倒的に多い、今の日本のゴルフ界を象徴しているナ・・・)
・・・何と! 松山英樹がトップで予選通過。 桂川も予選通過した。 ・・・松山は三日目、大きく崩れて13位(108千€)に終った。
日本男子は、韓国・アジア・日本との共催で韓国で。 道産子は、片岡のみ。 ・・・予選落ちした。
・・・何と! 比嘉一樹が優勝(2,840万円)した。 天晴れ!
女子は茨城県でメジャー戦。 道産子は、吉本、内田、阿部、政田の4人。 (小祝さくらは手首痛が完治せず、手術に踏み切り、今季の残り試合を欠場する、と発表した。 残念ながら完治するのが先だろう。 来季の奮起に期待しよう) ・・・阿部未悠、吉本ここねが予選通過。 ・・・地元出身の30才・金澤志奈が、プレーオフの末、3勝の22才を破って初優勝!(3,600万円) 初優勝が地元大会で、かつ、メジャー戦で、というのは凄くないか? この選手のこれからの活躍から目を離せない。 阿部10位、吉本44位だった。
阿部暁子「金環日蝕」(単行本は2022年)
札幌ドームが見える住宅街に住んでいる大学生(心理学)の春風(はるか)・20才は、午後4時半、悲鳴を挙げながら転倒した、はす向かいに住んでいる小佐田サヨ子・70才を突き飛ばし、帽子とマスクで顔を隠した黒ジャンバーの男を見た。 紙袋を奪っている。 サヨ子に駆け寄って助け起こしたが、掌に生々しい擦過傷があった。 春風は肩からトートバックを投げ捨てて男を追った。 ほぼ同時に黒い影が視界の左をすり抜けた。 しなやかに加速して春風のずっと先を走り、まるで狩場に放たれた猟犬のようだった。 真っ黒な詰襟の学生服、スモーキーマフラーが映えている。 →あっちから回ってください!と、その少年が春風に指示を出した。 勝手知ったる住宅街の細い道、挟み撃ちである。 案の定、先回りした春風に向かって、年寄りから略奪した男は、睨みつけながら突進してきた。 咄嗟にジャンパーの裾を掴んだが、男はがむしゃらに身体を捻って、振り払った。 その拍子にポケットから何かが飛び出した。 一目散に逃げ去って行く。 →大丈夫ですか!と、手を差し伸べてくれた少年の金ボタンの校章は、春風が二年前に卒業した道立高校のモノだった。 二年生だという。 道路の真ん中に何かが光った。 写真フイルムを収める円筒形の遮光ケースを飾りにしたストラップだった。 逃げ去った男が落としていったモノだ、けれど、これは春風には見覚えがあった。
春風の母は、H銀行に勤め、融資を担当している。 6ツ上の兄・夏夜(なつや)は、今月から食品メーカーの旭川勤務である。 父はこの4月からタイ支社に単身赴任、それまでは料理が何より好き、という父が朝食を作ってくれていたが、今は春風の担当になった。 但し、料理は得意ではないので、目玉焼き、卵焼き、茹で卵、スクランブルエッグと、トーストのローテーションである。 アトは、ウインナー、ベーコン、ミニトマトを添えている。
地下鉄東豊線で札幌駅まで乗り、そこからは徒歩10分強の大学まで歩いていく。 同い年の皐月は大の親友である。 写真部の彼女があのストラップを知っている。 過日の写真展で売っていた部員の手作り品・40個で、皐月から貰ったのだった。 あることから人探し、と断って、理由を言わずに買ってくれた人を部員に尋ねてほしい、とお願いする。 ・・・今日は先日の高校生、錬クンと回転寿司で待ち合わせである。 怪我をしたサヨ子婆ちゃんは、→盗られたモノは大したものじゃないし、警察に届けるのは事情聴取とか面倒臭いし、万が一の復讐も怖いし、もう忘れて頂戴、これ、お二人にお礼、と無理矢理、封筒を二通握らされたので、寿司でも食べてチャチャっと使っちゃおう、と錬クンを呼び出したのだった。 封筒には諭吉さんが一枚づつ入っていた。 盛り過ぎイクラ軍艦、大トロ、ウニ、炙りエンガワ、活ホッキ、ボタンえび、中トロ軍艦、秋鮭アラ汁、もう一度、盛り過ぎイクラ軍艦、等々、普段は余り口にしない豪華品目である。 そこに皐月から携帯が入った。 ストラップは革ひもとチエーンを20個づつだったから、ここにあるのは革ひもだと、答えると、革ひもは8個しか売れなかったの、残りは部員で山分けしたから、買ってくれた8人は何とか、判りそう、もう、ちょっと時間頂戴、とあり難い連絡だった。
(こうして二人は、大学生の犯人に辿り着いていく。 しかし、サヨ子婆が何故、警察に届けないという真相があったし、錬、共々の探偵コンビは、そこから拡がっていく、特殊詐欺団の正体に徐々に近づいてしまう展開が、見事に奇麗に繋がっていて、作者の才能の豊かさに驚いてしまった。 これから読む「パラ・スター」2冊も期待大である)
(ここまで、2,500字超え)
令和7年(2025)9月15日(月・祝)