令和7年2月17日(月)

俺の本棚~面白いッ書 第729回

PGAは招待試合で松山だけ。 ・・・松山は惜しくも連覇ならず、13位(384千$)に終わった。  

LPGAも欧州ツアーも今週は試合が無い。

 

年に3~4回、お昼に家内が留守の時に、瓶ビールとレバニラを食べに行っていた近くの中華食堂が閉店になっていた。 年老いた母親とその年嵩な息子がやっていたから、息子さんの奥さんは居ないんだナ、と思っていたが、何と、あの二人は夫婦だったらしい。 吃驚である。 去年の内に妻が亡くなってそれで店を閉めた、との事。 ワンオペじゃ廻せないと言う事だろう。 傍には産婦人科医院もあり、お昼は結構込んでいたし、出前もやっていたので、恐らく相当数のランチ難民が出ているだろう。 ・・・で、前から気になっていた道路向かいの「S」に入った。 持ち帰り専門の店、と思っていたが、何と、正午開店~20時閉店の居酒屋だった。 珍しい営業形態である。 生ビール2杯とお好み焼きで昼食とし、ホルモン焼きをお持ち帰りした。 この居酒屋は隣のカラオケルームと通路続きになっており、トイレも共同だった。 ビールも含む、呑み放題・唄い放題・スナック菓子付きで、1時間2,000円とあったが、唄い足りなくて2時間で4,000円じゃ高いよナ。 ・・・今後の家内不在時には、ここでの昼食になるだろう。 それにしても、最近、永年通っていた、トコヤ・歯医者・中華食堂が、たて続けに閉じる我が身の不運を憂う。

 

 

Oさんから借用した単行本、藤田宣永「喝采」は小さい字で525ページのぶ厚い長編である。 50年以上前の、1972年当時の探偵物語であるから、固定電話が頼りの連続で、文中、連絡の時間がまどろっこしい限りであった。 それでも次を読みたい気持が続き、4日間ほどで読了した。 筆力のある作家とは知っていたが、最後のどんでん返しには恐れ入った。

・・・元・刑事だった父が心臓発作で急逝し、そのアトを継いだ少年院上がりの息子が探偵として活躍する物語である。 娘だという若い女から、自分の母親だという引退した女優探しを依頼されて彼女を発見したが、その元女優と会う約束をして訪れると、何者かに毒殺されて第一発見者の探偵は容疑者扱いされてしまう。 同行する筈の依頼主の娘が来なかった為、事件のアトに連絡が取れなくなり、友人の記者や、歌手、父の元同僚だった刑事らの協力を得て事件を調べ始める。 やがて、亡き父が最後に追っていた現金輸送車襲撃事件と、奇妙な繋がりを見せる。 ・・・表題の「喝采」は、ちあきなおみの唄が行間に何度も流れてくるのであった。

 

 Oさんから借用した文庫本、桐野夏生「緑の毒」(単行本は2011年)

・・・開業医・川辺康之・39才、妻・カオルは新宿の公立病院内科の勤務医。 カオルは木曜日が公休なので水曜日はいつも夜が遅い。 同僚の救急センター長の玉木医師と浮気している事を康之は確信している。 夫婦がセックスレスとなってもう、三年。 ある時、中年女から、ご注進!のタレこみ電話があったのだった。 独身・玉木医師の名前を挙げたアト、奥様の監督をよろしくお願いします、というから横恋慕している看護婦だろうか?と思ったが。 ・・・水曜日の夜、川辺康之は予め目をつけていた、一人住まいの女のマンションに忍び込み、スタンガンで軽く気絶させたアト、静脈注射で睡眠剤5mlを注入、これで朝まで目を覚まさない。 それからゆっくり強姦するのだった。 意識の無い若い女を犯す昏い喜びは、カオルと玉木に復讐している絶頂感が迫ってくる。 これで5人目である。 指紋も綺麗に拭き取ったし、過去、一回も発覚の危機感を感じた事は無かった。 ・・・しかし、被害者がネットを通じて、奇跡的に繫がっていき、注射をするのは医者じゃないかと調べ始め、刻々と川辺に迫って行くのであった。 ・・・破壊された女性たちの恨みは果たして晴らすことが出来るのか、衝撃的である。

 

更に、文庫本の伊勢谷武「アマテラスの暗号 上・下巻」(単行本は2020年)は、我が頭では理解が追い付かない。 イザナギ・イザナミに始まってアマテラス、スサノオが続き、初代天皇の神武天皇のアトにはヤマトタケル、そして平成天皇の大嘗祭の様子が描かれる。 ユダヤ教等々の世界の宗教神もずら~ッと並び出し、そういう知識の一切無い我が頭は破裂しそうである。 上巻303ページの内、105ページでギブアップである。 例え、手元に未読の本がなくても、これを再読する元気は無い。 Oさんが、購入して理解して読んだとすれば、ホントに尊敬する次第である。 

 

 

図書館から借用した文庫本、宇江佐真理「夜鳴きめし屋」(単行本は2012年)は、作者が2015年没であり、1949年函館生まれである。 初めての作家で、生まれ年も近いし、道産子なので親近感を覚えた。 

・・・「鳳来堂」、深夜食堂の江戸版が「夜鳴きめし屋」である。 店主・長五郎がウデを奮う肴が人気を呼んで、上流階級から夜鷹までさまざまな客が訪れる。 夕方から夜明けまでの店は当時は珍しくて、目明しから、防犯上、早く店を締めろ、とガン付けされているのだった。 十年以上前に恋仲だった芸者・みさ吉も常連客の一人だが、その八歳の息子がひょっこり現れて・・・。

・・・最後に、山口恵似子のエッセイが載っていた。 宇江佐がまだ駆け出しで収入が不安定な頃、高三の息子の大学入試に大金が必要で、息子に泣き付かれた母親は、キッパリと宣言したそうだ。 書いて書いて書きまくって、無事に卒業させてやる、と約束したらしい。 それが、母は強し!のモチベーションになって多くの作品が生まれた、と山口は断言している。 他の作品も読んでみようかナ?  

 

「秘密のケンミンショー」等々の、グルメ番組を集中的に観ているが、思いもつかないグルメが多数ある。 自分が通過した都市のグルメを目にすると、食していない無念さが込み上げてくる。 現役時代は47都道府県を全て網羅したと思っているが、その時には評判に挙がっていなかったグルメが、今、あると思う。 悔し紛れの言い訳であるが・・・・。 今でも強烈な印象があるのは、土産で買い求めて来た、石川県の「とり野菜みそ」を使った鍋料理は絶品だったと思う。 今でも近所のどこかのスーパーで買えるかも知れないが・・・。

(ここまで、2,600字超え)

 

令和7年(2025)2月17日(月)