令和6年12月9日
俺の本棚~面白いッ書 第714回
文庫本6冊購入。 畠山健二「本所おけら長屋①」と「々 ②」(書き下ろし)、山本甲士「迷犬マジック④」(書き下ろし)、町田そのこ「コンビニ兄弟④」(書き下ろし)、畠中恵「こいごころ」(単行本2022年)、山本一力「千両かんばん」(単行本2013年)である。
Oさんから新刊単行本3冊と文庫本1冊を借用した。 大沢在昌「夜刑事 ヨルデカ」、東野圭吾「架空犯」、呉勝浩「法廷占拠~爆弾②」、文庫本は、大沢在昌「追跡者の血統」(文庫本1996年の新装版)である。
現役中、旭川に出張したら必ず「旭川醤油ラーメン」を食していた。 今回、急に食べたくなって、豊平区内の、初めての「旭川Kラーメン」を覗いた。 ・・・懐かしき醤油味だった。 壁には塩ラーメンのメニューもあったから、次回にはあれも味わってみようと、満足して帰って来た。
10才程年下の、釧路市時代の後輩・Aと連絡が取れて、小料理屋で割り勘することになった。 お互いに転勤して、札幌でも数回会っていたが、10年以上振りの懐かしき顔である。 ・・・驚いた、先ず、「虎屋の羊羹」のお土産を下げて来た。 おまけに、→ここは私が持ちます、と言って引き下がらず、結構な金額を奢って貰った。 有難し! 未だ現役の彼の強みである。 会話の中で元会社の同じO・BのHさんの話になって、私の携帯に番号があるので、その場で掛けて、3人で懐かしさを共有した。 更に、MやHの名前も出てきたので、5人で会いたいネ、と結論付け、今月中にAが場所選びと各自への連絡をする事で合意した。 その日が楽しみである。
欧州ツアーは南アフリカで。 桂川有人が18位(71千€)、久常涼が55位(19千€)だった。
さっそく東野圭吾「架空犯」を読破した。
いや、いや、流石の東野圭吾である。 一気に読み終えた。
東京都議会議員、藤堂康之(62才)とその妻・江利子(元女優、57才)が絞殺されて邸宅は燃え落ちた。 華やかな人生を歩んできた二人に何が起きたのか? 犯人から娘の榎並香織に父のタブレットからメールがあった。 →私は藤堂夫妻殺害事件の犯人である、動機は単純明快、世間を欺き、人として許されない行為を繰り返した二人に制裁を加えた! 天誅と言い換えてもイイ。 このタブレットには個人情報が満載である。 ネットに晒されたくなければ3億円でお返ししよう。 ・・・実は藤堂夫妻は郷里の高校で女子高生と教諭だった。 高卒後に女優デビューした江利子、教諭を辞めて親の跡を継いで政治の世界に進んだ康之が、やがて結婚した。 警視庁捜査一課の五代警部補は所轄署の57才の山尾警部補と組まされ、被害者二人の鑑取りに調べ廻ったが、実は、この山尾警部補も被害者の元女優と同級生で、更に、部活動していた山岳部の顧問が藤堂教諭だった。 特捜本部に居ながらこれらを打ち明けない山尾警部補に、アトから知った五代は疑いを強めた。 そして、高卒後、元女優は私生児の女の子を産み落とし、その子は養護施設で育てられた事が判明する。 その子・今西美咲は今はデパートの外商部員として活躍し、元女優・江利子の親友・本庄雅美(夫の転勤でアメリカ・シアトル在住)からのお薦めもあって、献身的に元女優に尽していた。 やがて、江利子が実の母と知り、それからは自分の娘の事も含めて良き相談相手となっていた。 美咲はシングルマザーとして娘を育てているが、中学生になった娘は不良仲間とも弦み始め、最近は大麻も吸っているようだ。 都議会議員の妻として、夫は多少の犯罪は隠匿する力を持っているが、麻薬だけは許されない。 江利子は祖母として、また、政治家の妻として、娘・美咲に、孫の育て方がなっていない、と激怒するのだった。 藤堂との間に産まれた娘・香織(30才)は、榎並病院の御曹司・健太と結婚して間もなく娘が産まれる予定で、表向きは初孫だが、実際は美咲の娘に次ぐ二人目の孫の誕生を心待ちにしている江利子であった。
・・・さて、美咲の父親は誰か? 山尾警部が二人を知る事実を隠匿する理由は? 絞殺して放火した犯人は? 「被害者にも犯人にも、そして刑事にも青春があった」とPR帯に謳われている。 全ての登場人物が見事に絡み合った展開が続く。 読み応え、充分である。
図書館から借用した文庫本、馳星周「殺しの許可証」は期待外れだった。 余りにもかけ離れた頭脳とハッカーの腕を持つ、公安部のアンタッチャブル・椿警視に翻弄される部下の宮澤巡査部長、時には漫才的なやり取りを織り交ぜてのストーリであった。 凡そ、馳星周らしからぬ知的さからは程遠い内容だと思う。 根性で読み終えたが徒労感が余りある。
(ここ迄、1,900字越え)
令和6年(2024)12月9日(月)