令和6年12月2日
俺の本棚~面白いッ書 第713回
大相撲九州場所の高級クラブのママ風な美女は、博多中州の、「スナック 田じま」の田島恵美子さんで、博多商工会議所から表彰もされていた有名人だった。 「魅力あるまちづくりアワード 博多の女性の美しさを全国に知らしめた貢献度大である」という内容だった。 youtubeで知った。
もう一つ、先回で書き洩れていた事は、幕下上位で長年低迷していた「塚原」が、やっと十両に上がって「栃大海」と四股名を変えた。 何か、大きな相撲を取るようになったナ、変わったナと思っていたが、ひと場所で幕下に陥落、されど直ぐ再十両となって今場所は10勝5敗だった。 立場を与えられて、その位置に合った実力となった典型的な見本であろう。 体もひと回り大きくなって突き押しも鋭くなっている。 遅咲きの今後に期待しよう。
ススキノの飲み会での帰途、バスに乗ると最後尾の席に、四人しか座っていないのでそちらに向かう途中、酔っていてよろけたのだろうか、後から二列目に座っていた20代の男の方が、→どうぞ!と言って席を譲ってくれた。 ありがとう、と言って座らせてもらったが、停留所一つを過ぎてもその方が立った儘だったので、後の4人に、→アトひとり、座れるでしょう、開けてやりなさいよ、と声を荒げると、モソモソと動いて座らせてくれたが・・・、目の前に立っている人がいても知らん顔の薄情さはとても理解出来ない。 この世は完全に二極化しているのだろうか? 譲ってくれる人と知らん振りの4人、知らん振りにはなりたくないナ、としみじみ思う。
U内科から単行本4冊を借用した。 一冊目は前回UPした「猫は忘れない」、2冊目は今回UPした「しろがねの葉」であるが、3冊目の2024年「このミステリーがすごい大賞」の、白川尚志「ファラスの密室」と、4冊目の松本清張賞の波木銅「万事快調」は、ここにUPする気が起こらない。 「ファラスの密室」は、古代エジプトのピラミッドに埋葬されたミイラに纏わる物語であるが、ミイラになった男が冥界から現世に舞い戻って自分が死んだ謎を解き明かす、なんて奇想天外すぎる。 「万事好調」は、片田舎村の底辺高校の女子校生が、校舎の屋上で大麻栽培を始めるなんて、余りにも突拍子過ぎるから、頭が付いて行かない。 夜中3時~4時に目覚めた時の側杖として読みかけた以上、不本意ながら意地になって読了したが、どちらも大賞選考委員の評価がしっくり来ない次第である。 これなら既読の文庫本を再読した方がよっぽど良かった、と結構な読了時間を後悔したのだった。
千早茜「しろがねの葉」(2023年直木賞、女性作者は江別出身 U内科から借用)
・・・戦国末期、シルバーラッシュに湧く石見銀山で生き抜いた、幼女・ウメの凄まじい生き方の物語である。
飢饉の村で食えなくなったウメの両親は、隠し田の米を盗み、年老いた母を置き去りにして産まれて間もない弟を抱え、夜逃げした。 おったゾ! 米泥棒が! 追手が迫って来る大声に怖がった弟が泣き止まない。 →赤子が居ては逃げられない、と父親は口を塞ぐ。 小さな手足が痙攣してぶらんと下がる。 五才のウメはゾクっと鳥肌が立った。 暗闇でお父うが獣になった、ウメは闇を駆け抜けた。 ズルッと滑って崖から落ちた。 ウメは気を失った。 ・・・目を覚ますと河原だった。 落ちる寸前、母親が叫んだ、→ウメ、こっちを見ちゃいかん、先に行き! 日の沈む方へ行きんさい! それを思い出しながら日を追って川を遡る。 途中、石をひっくり返して沢蟹を捕まえて甲羅を砕き口に入れた。 内蔵の甘みが舌で溶けた。 ・・・上流に行くに従って川は狭くなり、流れも急になった。 やがて滝に行く手を阻まれ、森に分け入った。 山犬の遠吠えを耳にすると、樹上で眠った。 戦で荒廃した村の廃屋で錆びた小刀と朽ちかけた大きな草履を手に入れた。 腹が減って、腹が減って、気が触れそうで朦朧とした。 魚や木の実、草の根、虫やカエル、樹液までも口に放り込んだ。 死にたくない、その一心だった。 そして岩の裂け目のような穴の中で気絶した。 ・・・奇妙な固い音がして飛び起きた、岩を打ち付けているような音だ、小山のような人影で顔は見えない。 突然、腕を掴まれ引っ張り出された、→臭ッさいのう、真っ黒やないけ、その間歩(まぶ)は廃れとる、掘っても何も出んぞ、わりゃ、どっから来たんじゃい? 後から羽織姿の侍が声を掛けた。 →喜兵衛、捨ておけ、もう、死にかけじゃないか。 →宗岡は黙っとれ! わりゃ死ぬ前に吐け! しろがね(銀)を狙うて来たんか、親はどこじゃ!
・・・これがウメを拾って育ててくれた、銀の気が視えると謳われていた、山師・喜兵衛との出会いだった。 これから数奇な運命に弄ばれるウメの物語が始まる。
男子ゴルフ最終戦はメジャー戦、42才の南アフリカ人が逆転優勝(4,000万円)! 何と、5年振りの出場権(30人)を得た結果らしい。 凄い! 賞金王は金谷拓実が逆転で手にした。 期待された石川遼は下位に沈んだ。 道産子・片岡尚之は、惜しいかな、2位(1,500万円)だった。
(ここ迄2,100字越え)
令和6年(2024)12月2日(月)