俺の本棚~面白いッ書 第694回

令和6年8月12日

ガラケーが充電できなくなった。 ドコモに持ち込むと水に浸かったのが原因です、と言われてハッと思い出した。 昨夜、イモ焼酎の水割りを倒してしまい、小銭入れや数枚の千円札・五千札も水浸しになり、その脇にあったガラケーも同様だった。 電源が入らなければデーターも復元出来ません、と告げられ青くなってしまった。 自然乾燥を待つしかないが、充電機能が損なわれている可能性が大で極めて厳しい状態らしい。 バックアップはしていないし、これからかかってくる電話もメールも不通になる、と思ったら、新しいガラケーを即、発注した。 2026年3月の電波が無くなる時までギリギリ使おうと考えていたが、今、使えなくなるのは困るのだ。 案の定、その間に数件のメールと電話が入り事なきを得た。 ・・・三日後に自然乾燥が成ったのか、スイッチが入った。 対応してくれた女性にお願いするのがベストだろうと思い、0120で連絡すると、今日はいない、と若い男が応答した。 いない、じゃなくて外出なのか、休みなのか? と問うと、お盆休暇です、と素っ気無く言うから、始めからそう言えばイイのに、アンタ、バカじゃないの、本当にドコモの社員なの?と言い返すと、莫迦とは何ですか、そんな人にはもう答えられません、と宣った。 新ガラケーには会話の録音装置機能が付いていた。 今、再生し、我が言葉を聞き正している。 さて、このアト、どうするか?

 

日本男子は横浜で。 道産子は片岡尚之が3位(820万円)と健闘。

女子第22戦は軽井沢で、道産子は小祝さくらと政田夢乃が2位タイ(720万円)だった。 ツアールーキーの政田はトップを走っていたが、最終18ホールで池ポチャのダボとスコアを落とし、悲願の初優勝が消えた。 残念! 阿部未悠10位、宮澤美咲は35位だった。 これで21勝1敗、絶好調である。

PGAは悪天候で最終日は2ラウンドプレーだった。 21才・久常涼が第3・4ラウンドをスコアを伸ばし、首位と3打差の3位タイ(466千$)だった。 最後18番ホールのボギーが惜しかった!     

 

 

元・会社の後輩のY(59才)とM(63才)と会食した。 二人とも別な会社で、未だ現役だった。 釧路時代に三人は会社の野球チームで朝野球を楽しんでいた。 釧路の夏は冷たくて、飛行機で有珠海水浴に行った事、等々の思い出話に花が咲いて懐かしい記憶が甦って来た。 自分は最近の小食気味で料理を結構食い残してしまったが、酒だけは一番多く吞んだ。 驚いた事に二人が支払ってくれた。 申し訳ない。 酔っ払ったせいか、帰途、足がよろけてひっくり返ってしまった。 お恥ずかしい。 それを心配してくれたYが一緒にバスに乗り、自宅まで付いてきてくれた。 ここからタクシーで帰る、と言っていたが直ぐ、つかまったろうか? 

 

 

 

山口恵似子「食堂のおばちゃん⑮おむすび縁結び」(書き下ろし)

第一話 おむすび縁結び

「松原青果」の松原団と、「ラーメンちとせ」の相良千歳の結婚式は1月28日(日)に行われる。 新婚旅行に行かずに、翌月曜日は平常通り、ラーメン店を営業するという。 始めて間もないラーメン店を休みたくないので、その後、G・Wとか、お盆とかに少し纏まった休みを取って新婚旅行に当てるらしい。 場所は松原の実家がある江戸川区のコミュニティセンターで、ご祝儀一切不要、但し、ロクなおもてなしも出来ませんから身一つでお越し下さい、ってイイ心掛けだよ、結婚式じゃなくて二人の将来の為にお金を使おうとしているンだから・・・と、はじめ食堂の3人は勿論、辰浪康平と菊川瑠美が感心し切りである。

 

当日、一子と二三は、結婚式なんていつ以来かしら、最近は冠婚葬祭の葬ばっかりだよネ、と話しながら皐と共に会場に入った。 既に20人程の、30才前後の若者達が談笑している。 すると団とそっくりな顔をした若者が近寄ってきて、→ 一(にのまえ)さんですよネ、いつも兄をご贔屓にして下さってありがとうございます、弟の開(かい)です、と挨拶された。 →かえってウチの方こそ美味しい野菜を頂いて助かっています、と返していると、突然、女性の声で、→遅くなりました、サンドウイッチをお届けに上がりました、と大きなプラスチック容器を抱えて、汗だくの様子で入って来た。 どうも途中で渋滞に引っかかったらしい。 何と! 女性は有名な小説家・足利省吾を伯父に持つ永野つばさである。 つばさは一子と二三にも気付いて近寄って来た。 去年からサンドウイッチの店で働いているとの事だった、何れ、独立したい夢がある、と言う。 式が始まると新郎・新婦がそれぞれ挨拶して、一人一人に話し掛けながら廻っている。 松原の両親が、→ 一様、いつも息子がお世話になっております、松原青果の会長の松原譲でございます、こちらは妻の久澄でございます。 続いて千歳の父が進み出た、→相良伸一でございます、はじめ食堂の皆様には火事やその他の件で大変お世話になりましてお礼の言葉もありません、こちらは千歳の弟夫婦で、大地と凪と言います、二人とも公務員をやりながら田圃を手伝ってくれてます、妻は千歳が高校生の時に亡くなりまして、淋しい思いをさせました、だから、はじめ食堂さんの皆様からのお気持ちはどんなに心強かったかわかりません、本当にありがとうございました、と目を潤ませて丁寧な挨拶だった。

 

会食が始まるとサンドウイッチの旨さに驚いた。 団が、→弟の親友のお兄さんが始めた店で、味が抜群なんで結婚式に使いたかったんです、と笑顔である。 料理研究家・菊川留美からの祝電、新郎・団の高校時代からの親友は、→団のような好い男を伴侶に選んだ奥さん、お目が高い!と笑いを誘い、新婦・千歳の調理師学校の同期で、有名なイタリア料理店のスーシエフを務めている大柄な女性は、女ゴリラと言われて悩んでいたら、千歳に、→料理は力の世界よ、私がアンタをどれだけ羨ましく思っているか、知らないでしょ、贅沢な悩みだよ、と、もの凄い剣幕で怒られたエピソードを語った。 そして、→千歳のような素晴らしい女性を伴侶にして、ご主人、本当にお目が高い、と新郎友人と同じ言葉を言った途端、盛大な拍手が湧き起こった。 司会の開が、→本日のメインデッシュです、相良家で育てたお米で作ったおにぎりと、松原家で育てた小松菜の漬物です。 団の母・久澄と千歳の弟の妻・凪がワゴンを押して現れた。 二人でおにぎりを握ったという。 新婦の父・良一が、→亡くなった妻とのキッカケはお握りでした、千歳が郡山を出て東京の料理学校に進んだ時、何れ、東京の人と結婚して東京の人になってしまうんだナ、と淋しく思っていましたが、この度、松原青果さんとのご縁を頂き、何と、農家同志で繫がった、これもきっと妻のお導きだろうと嬉しく思っております、と挨拶され、会場の中には目頭を押さえている人が多かった。 そして、静かな拍手が広がって行った。

 

第四話 どうする?たけのこ  第五話 真実の参鶏湯

11月1日出産予定が決まった5月始めの松原夫婦、臨月迄頑張ってラーメン店を続けたい、その後、半年程休んで再開したい、その間、店がサビれないように半年間だけ借りてくれる人を捜したい、と千歳の希望であるが、そんな中途半端な借主はいないだろうが、はじめ食堂関係者は全員、心に置いていた。 ・・・夜の五人の予約が入った。 永野つばさと母・五十鈴、五十鈴の兄で人気時代小説家の足利省吾・紗和夫婦、そして松原団の弟・開だった。 大手化粧品メーカーに勤めている開がつばさにプロポーズして、即お受けしたというので、伯父夫婦への紹介を兼ねたお祝いの会だった。 団の結婚式にサンドウイッチをギリギリで届けて以来のお付き合いが続いていたらしい。 つばさがお世話になっているサンドウイッチ店の夫婦が、支店を出すので店長を引き受けて欲しい、とつばさに申し入れがあった。 将来、独立希望がある身としては、支店を預ったアトからは辞めにくいので、少し早いが結婚を機に独立を考えている、と言うと、伯父は、→早過ぎる、独立する店に大金をかけて失敗したらどうする、店長の話はお断りして、もう少しウデを磨きながら様子を見るべきだ、と主張する。 しかし、娘の決意が固く、更に、開が、母の五十鈴と同居してもイイ、養子になってもイイ、と言ってくれた、と五十鈴は、資金も含めて全面的に応援する、と兄・妹でつばさに対する意見が異なった。 怒気を見せて足利が夫婦で出て行った。 話を聞いていた二三は、つばさと開、五十鈴に提案した。 →試験運転の積りで「らーめんちとせ」の休業中、そこでサンドウイッチをやってみたら? どんなものが売れるのか、客層の年代や、お客様の生の声を聞いて、半年で店の方向を確定したらどうかしら? 何よりも自信が大事だと思う、開・つばさ夫婦が借りてくれるなら、兄さんの団・千歳夫婦も全面協力してくれるし、ウイン・ウインだと思うけど・・・、と言うと、つばさが目を輝かした。 →店賃を半額支払って貸してほしい、と千歳さんにお願いするわ、そして、足利伯父さんにも必ず理解してもらう、開さんもイイわよネ、と即決の感じだった。

 

翌週末、足利がやって来た。 →いや~、イイ提案を頂いた。 半年の試運転後なら仮に失敗しても大事にゃ到らない、二三さんのクリーンヒットだ、私の血縁は妹・五十鈴とその娘・つばさだけだから、何れ、遺産問題も最後はつばさになる、半年後の独立店の開業資金は全て私が負担する事にした、と上機嫌で帰って行った。 万里も八雲の修業が終わったら、何れ、独立の夢を持っている。 こうして若者は巣立っていくんだな、と、二三は、娘の要のいつかの結婚を予感して五月晴れの空を見上げた。

(ここまで、全五話の内、二話・三話を中抜きで。 毎度、ほのぼの話である)

 

町内会主催の夏祭りに顔を出すと、カラオケ会で顔見知りになった10数人がいた。 強い陽射しを避けて、テント内の椅子に腰掛けて4時間も生ビールを飲みながら話し込んだ。 いろいろな情報を知ることが出来る。 顔見知りがいなくちゃ、一人で身が持たないから、一時間もいられないだろう。 この年になって新しい人脈は必要だと思う。 ・・・今日は町内会のカラオケ会・会長に誘われて麻雀である。 どんな内容か判らぬが、頼まれれば嫌とは言えない。 日ハム戦もテレビ放送が無いし、ヒマ潰しに丁度イイ。

(ここまで4,200字越え)

 

令和6年(2024)8月12日(月)