令和6年6月3日

俺の本棚~面白いッ書 第679回

PGAはカナダで、久常涼が出場。 予選通過した。 ・・・35位に終わった。

 

LPGAはメジャー戦、何と日本人が道産子・小祝さくらも含めて21人も出場する。 ・・・7人が予選落ち、小祝も含めて14人も予選通過。 ・・・三日目を終えてトップテンに日本人が4人もいる、渋野日向子、笹生優花、小祝さくら、竹田麗央である。 ・・・驚いた! 笹生が3打差を逆転優勝! メジャー2勝目である。 朝3時から起きて難関なゴルフ場での高度な技を充分に堪能した。 優勝240万$(3憶8,000万円)、渋野も2位(130万$)で日本人のワンツーフイニッシュ!とは、凄い興奮だった。 古江彩佳が6位、小祝と竹田が9位タイ、山下美夢有が12位、岩井ツインズの妹・千怜が19位、アトの7人は省略する。 山下までの4人も3,000万円以上の国内優勝賞金と同額を手に入れた。

 

欧州ツアーはドイツで、川村昌弘、中島敬太、桂川有人の3人。 三人とも予選通過。 ・・・中島が6位(81千€)、桂川34位、川村は65位だった。

 

女子第14戦の道産子は、菊池絵里香、阿部未悠、宮澤美咲、内田ことこ、吉本ここね、政田夢乃の6人だったが、菊池と阿部の二人だけ予選通過。 ・・・菊池36位、阿部44位に終わった。

 

参議院議員・Hの北海道庁職員や道議会議員、及び札幌市役所職員に対する威圧的行動が連日マスコミを賑わしている。 野党の突き上げもあって、特別委員会の委員長も辞任に追い込まれている。 これまでの行き過ぎた言動を深く反省している、と本人は謝罪しているが、そんな事で来年の選挙で当選したい、と考えるのは甘すぎる。 恐らく厳しい鉄槌を下されて只のヒトに成り下がるだろう。 32年前に、よさこいソーランを成功させた驕りが今も続いていた事に驚きだ。

 

 

月村了衛「対決」(Oさんから借用の新刊)

日邦新聞社会部・檜葉(ひば)菊乃(43才)は、初老の元・統和医科大学のドイツ語教授・瀬島氏に取材中だった。 息子の裏口入学に絡む収賄罪で逮捕された政治家、及び学長も理事長も在宅起訴された事件のアト追い取材である。 東京地検が強制捜査してゴッソリ徴収した書類の中に、裏口入学どころじゃない、世間が仰天するようなネタがあって、秘かに大学は震え上がっているという。 大学に恨みの残っている瀬島氏はペラペラと話してくれる。 それは、女子学生を出来るだけ合格させないように、女子の点数を一律に減点しており、本当は合格だった女子学生を平気で落としている事実がある、常識を覆すこれらの証拠全てを持ち去ったらしい。 何故、検察が発表しないのか、不審であるが、これが本当であれば、著しい人権問題であり、訴訟を起こされたら統和医科大学は莫大な損害賠償を請求されて、建学200年越えの大学の権威も経営も破綻する大事件である。

 

檜葉はノートを纏めた。 ①瀬島氏は2008年に耳にしている、その頃から常態化しているのだろう。 ②一次試験合格者が、面接、小論文、適性検査の二次試験後、学長や教授で構成される入試委員会が合否を判定するが、一次試験の女子受験生に対してのみ、一定割合の係数を掛けて一律減点している。 ③関係者の間では暗黙の了解事項と化しており、他の医大でも同様の処置がされているだろう。 ・・・女性はイイ医者になるのに大きな弊害がある。 出産・子育てと言う数年間の空白が生じるからである。 その点、男性にはそれがなく、更に夜勤でも徹夜でも熟せる体力もあり、子育て中の女性にはそれも容易ではない。 男性のイイ医者造りはある一方では正当な意見でもあった。 しかし、菊乃は書き出しているだけで震えがきた、女性としての怒り、記者としての歓喜、これほどのネタにぶつかる僥倖は滅多にある事ではない。 実は菊乃も会社で様々なセクハラ・パワハラに遭って来た事実がある。 折角、女なんだから、もっと女を使ってネタを取れ、なんてのは日常茶飯事だった。 だから女子学生達の無念を我が事のように感じる。 何としてもこの事実を暴き、白日の下に晒さねばならない。 しかし、瀬島氏の証言があるだけで証拠は何もない、その信憑性を裏付ける証拠が必要だった。 帰途途中、大手書店で医大入試資料等を買い込んで確認すると、男子の合格率は女子の3倍以上、女子の合格者は182人中、僅か32人、全体の二割にも満たなかった、という事実を目にした。 過去のデーターもほぼ同じだった。 あり得ない、男子は女子の3倍も頭がイイ事になる。 菊乃は改めてこの欺瞞を追及する正当性を確信した。

 

社会部長の下に6人のデスクがいる。 菊乃は上司の42才・相模キャップに打ち明けるも、証拠を掴まなきゃ記事にも出来ない、と断罪された。 ・・・シングルマザーの菊乃は、午後11時、千駄木の2DKのマンションに帰り着くと、高二の娘・麻衣子17才が笑顔で出迎えてくれた。 生きる支えとも言える最大の笑顔である。 ネットで見つけたズボラ飯、と言いながら麻衣子が作ってくれた食事を有難く頂く。  麻衣子の聡明さと鋭さは我が娘ながら誇らしい。 医学専門の予備校「医究ゼミ」からの宿題をこれからやる、と言って自室に引き上げて行った。 麻衣子は小さい頃からの医者になる夢に向って受験勉強に余念がない、まさか、この年頃の娘にスクープするかも知れない事実を打ち明ける訳にはいかない。

 

取材先を探して携帯電話を掛け捲った。 最初に会ってくれたのは、研修センターに勤務する女性眼科医だった。 →女子学生ばかりじゃなく、二浪とか三浪とかの受験生は低い点数になる、という話は聞いた事があります、止むを得ない事だと今も思っています、と吃驚する証言だった。 →女性には出産、育児という避けられないライフイベントがあります、人命がかかっているからこそ、途中での離脱が認められない、医療現場はそれ位、過酷なのです、眼科は命に係わる事は殆どありませんから、私が選択した理由です。 次は外科医の志村医師・38才、勤務先での休憩時間なら、と言われて、19時に伺う。 失礼、とお握りとペットボトルを広げながら、→これから夕食です、じゃ、何でも聞いて下さい、と催促される。 志村医師の答も、眼科医と同じだった。 現場での過酷さを実感しているからこその、同じ思いなのだろう。 52才の内科クリニックを経営している吉沢女医も差別採点を知っていた。 しかし、容認できない事である、私は出来ないが、檜葉さんは入試の不正を暴いて下さい、医学を志す全ての女子学生に絶望ではなく希望を与えて下さい、お願いします、と初めて深い怒りと真摯な願いが菊乃の胸を打った。 

(ここまで、全316ページの内、46ページまで。 題名の「対決」の意味は、檜葉菊乃記者と、狙いを定めた大学の女性理事・神林晴海との、一律減点問題に対する、取材でのやり取りや、神林が抱える、大学理事会に於けるパワハラ、セクハラ、アカハラ(アカデミックハラスメント)との対決でもあった)

 

 

 

 

高校同級生のSから小樽酒造会社の大吟醸酒と吟醸酒の四合瓶2本が送られてきた。 携帯番号に折り返し返礼をすると、何と、T酒造会社がⅠ町のⅠ岳伏流水や海洋深層水で作ったモノらしい。 我がマンション近くの居酒屋Kで出会った、亡くなったSの弟さんとの出会いや、その店で奥さんの姉さんとのカラオケが続いているのが親近感を伴ったのだろうか? 有難く美味しく吞ませて貰おう。

 

静岡県F市の亡くなったOの奥さんと娘さん夫婦が、Oが生活していたK炭鉱跡を見てみたいと来道されるのをメールで知らされて一泊の案内役を買って出たが、奥さんが急遽、手術をする事になって中止になった。 残念! 早期の回復を願って、再旅行の計画を復元して欲しいと思う。

(ここまで、3,200字超え)

 

令和6年(2024)6月3日(月)