令和6年2月12日

俺の本棚~面白いッ書 第660回

PGAは松山だけ。  80人中、71位で最終2日間に臨む。 ・・・最終日が雨で中止になった。

翌週は松山と久常涼、久常は予選落ち。 ・・・松山は22位(82千$)に終わった。 最終ホールでバーデイを決めて追い付いたテイラー。 プレーオフは8年振りの優勝を目指す47才のホフマンと、勝てば56年振りとなるカナダ人が、2ホール目もバーディを決めて栄冠に輝いた(1,584千$) 凄まじいプレーオフだった。 やはり、PGAの最高峰の試合は楽しく、興奮する。 

欧州ツアーはバーレーンで、川村昌弘、星野陸也、中島敬太の3人。 星野だけが予選通過。 星野は12位(36千€)だった。

翌週はカタールで同じ3人、3日目を終えて星野が首位。 ・・・星野が逃げ切った、欧州ツアー初制覇(394千€)! 天晴れ! 川村16位(29千€)、中島は33位(16千€)だった。

 

 

床屋で顔摺りだけ1,000円を終えて、元マスターのMさんとカラオケ居酒屋Kで三回目の飲み会をした。 床屋の弟子だったW子さんが、→今夕はお~さんと飲み会だってね、とメールをしたらしい。 元マスターは居酒屋Kのママさんと話が盛り上がっていた。 相変わらずの艶っぽい声で数曲を熟していた。 12月は飲み会を出来なかったが、恐らくこれから月イチ位で続くだろう。 Mさんはススキノから自宅までタクシーは5,000円以上かかるけれど、ここからだと2,000円以内で済むし、その差額3,000円前後で吞めるし、ススキノよりも結構気に入っている筈だ。

 

町内会のY会長に誘われて、M会館のカラオケ会に初参加した。 レモンハイ一缶と4:6割りの芋焼酎5合瓶と氷、及び途中のコンビニで仕入れた1,000円ほどの摘まみを持参した。 結構、用意が面倒臭い。 商売でやっている昼カラオケに通った方がイイかも知れぬ。  新加入の紹介を受けて2曲歌ってきた。 4時近くに終わったがこれから二次会だという。 それがいつもの「カラオケ居酒屋K」の隣の「居酒屋W」だと言われて吃驚! 酔っ払って最後は覚えていないが翌朝確かめると所持金が減っていない。 Y会長に携帯すると、私が払いました、と言うではないか、赤面である。 その内、昔は通っていたという、隣のKでご馳走させてください、とお願いした。   

 

 

 

月村了衛「白日」(単行本は2020年)

千日出版社教育事業局第一課・課長の秋吉孝輔は、プロジェクト・パートナーの「天能ゼミナール」との打ち合わせを終え、いよいよ最終段階だ、一課の部下に結果を教えて意気を高めたい、と勇んで帰社して来た。 課長代理の沢本仁司が、→小此木部長がA会議室でお待ちです、我々も併せて3人で来るように・・・、と伝えてくる。 その後ろに課長補佐の前島亜寿香・29才も従っている。 会議室で執務中だった小此木が徐に、→実は梶原局長のご子息・幹夫君が亡くなられた、ご自宅近くのビルから転落したらしい、今朝になって発見された、と驚きの話だった。 梶原局長の自宅には公私とも何回か訪ねており、幹夫君も良く知っていたから、秋吉は仰天するばかりである。 →ついては例のプロジェクトは一時中止にする、社長始め役員の総意で決まったらしい、梶原局長は休職になるかも知れんから、統括しているプロジェクトが立ち上ったら新会社の社長だろうし・・・と、簡単に言うが、直接の指示を受けていた第一課の存続問題である。 大会社からの独立会社になっても、全員、新会社に骨を埋める覚悟の一課であった。 →一課は前からあった企画の「コミック学参シリーズ」の資料を纏めて置いてくれ、今回のプロジェクトでアト廻しになっていた左ページが全部マンガになってるヤツだ、と言い残して出て行った。 小此木が去ると、前島が、→実は自殺じゃないか、って噂があります、社運を左右すると言っても過言じゃない、かってない規模のビックプロジェクト「黄道学園プロジェクト」ですから、自殺が本当だとしたら大変な事になります。 そうなのだ、引き籠りになるような学校生活から生徒を救う為の学校を作る訳だから、その新会社の社長の息子が自殺となれば、悪影響は計り知れない。 藤原局長は、背水の陣の一課全員の生活を守るべく、プロジェクトの顔として各種のメディアにも積極的に出演していて、顔も名前も広く知られているのであった。 一課に戻ってこの件を説明すると、案の定、不安な声が続いた。 新井主任が先頭に立って、ここまで進んでいるのに一時中止なんて極端すぎます、と怒気をも帯びているのは全員の気持であろう。 更に、→我々は各方面との交渉を進めている真っ最中です、ここで一旦中止したらデメリットが大き過ぎますよ。 その通りだ、秋吉だって「天能ゼミナール」との矢面に立っている張本人である。 どう、説明するのか、頭が痛い。 それでも、短期的な一時中止を願おう、と説明を終えた。

 

午後9時過ぎに帰宅した。 顔を見るなり妻の貴美子は眉を曇らせて、→何かあったの? 暗い顔だわ、と気付かれてしまった。 →梶原局長の息子さん、幹夫君が亡くなった、近所のビルから転落したらしい、と告げると、娘・春菜が虐められて登校拒否から一時引き籠りになった時に、幹夫君や妹の沙織に助けられたから妻も知っているので、吃驚して口が閉まらない。 →春菜がお風呂に入っていて良かったわ、それを聞いたらあの子、気絶しちゃう、沙織ちゃんも大丈夫かしら?と声を潜める。 →それでナ、例のプロジェクトのトップが梶原局長なので一旦中止になった、ちょっとの間、休職するかも知れないらしい、と告げたら、春菜が風呂から上がってきて、→お父さん、お帰りなさ~い、ねえ、お仕事の学校はどう? 私も絶対、その黄道学園に入学する、虐めなんか起こらないシステムなんでしょう、素晴らしいもの、と屈託ない。 貴/

美子に目配せして食事を終えた。

 

「黄道学園」は千日出版と天能ゼミナールが目指している通信制高校である。 「引き籠り・不登校対策」を前面に打ち出した「ネット上にある学校」である。 入学したら自室でパソコンに向うだけでイイ。 天能ゼミナールが誇る一流講師の授業を受けられる。 IT企業の雄「ジュピタック」と提携し、その技術力でこのプロジェクトが軌道に乗ったのは間違いなく、3社の充分な連携が必要だった。 学校法人の授業料収入はあまり見込めないが、関連する機材や機器の売り上げ、或いは使用料金で各社が回収するビジネスモデルであった。 ジュピダックも千日出版も教育関連事業で実績を挙げる事で企業イメージの大巾アップが期待されている。 秋吉は三年前の春菜の不登校を想い出した、我が子が引き籠り、一家にとっての危機、そんな局面に直面した時に黄道学園のような場があれば、どれ程の救いとなる事か、秋吉は切実な思いを胸に抱いてこの仕事に取り組んできたのだった。

(やはり幹夫は自殺だった。 父の本音の言葉に失望したのだった。 それを絶対、悟られたくない梶原局長と事実を知った千日出版の社長やトップ層、彼らの姿勢に振り回される秋吉課長達、天能ゼミナールやジュピタックとの軋轢が激しさを増して来て、板挟みに陥る一課の面々、さて、秋吉課長はどうこれを仕切って行くか、最後のどんでん返しが痛快である)

(ここまで、全310ページの内、僅か28ページまで。 読み応え充分である。 また、月村了衛らしからぬ新鮮な内容だった。 彼の新しい境地である)

 

 

Oさんから新刊3冊借用、河崎秋子「ともぐい」(直木賞)、中山七里「彷徨う者たち」、東野圭吾「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」である。 どれも直ぐ既読になるだろう。 マアジャンは+3だった。 吞んで食って遊ばせて貰った上に、お小遣い迄頂いて有難い結果だった。

 

(ここ迄、3,200字超え)

 

令和6年(2024年)2月12日(月)