令和6年1月19日

俺の本棚~面白いッ書 第657回

元日の朝刊のクロスワードパズルは難解だった。 やっとこサ、正解を見出して1月6日必着だったので3日に投函した。 13日に正解が発表されていたが、何とまァ、応募者が18,000人オーバーだという。 あれだけ難解だったのにこんなにも・・・と、唖然とするばかりである。 北海道人口510万人の0.35%、札幌人口200万人の0.9%である。 全道紙であるから、280人に一人の応募者がいた計算である。 どの位の正解率か知りたいモンだ。 当選すればメッケモンだがなァ。 

 

毎週日曜版のクロスワードパズルも難解で、今朝の答は「オーバーズード対策」である。 若者の市販薬の過剰摂取(オーバーズード)が問題になっているそうな・・・ 知らなかった事実を知らされる安堵感がある。 前週は「化石燃料脱却」だった。 COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議・198ヶ国)で採択された宣言である。 こういった世界的なニュースは目にしても頭に残っていないから自分としては難解なのである 

 

毎年の、業界紙・S社の「LPG業界の会社のマーク当てクイズ」もパソコンを駆使しながら解答を探す。 一年間、覚え切れていない頭に呆れてしまう。 こうだ、と思っても自信がないからパソコンで確認しなければならない。 

 

麻雀は-5で、丁度、飲食込みの遊ばせて貰った被害で済んだ。 Oさんから新刊2冊借用、柚月裕子「風に立つ」、大沢在昌「予幻」である。

 

PGAツアー、新年はハワイオープンである。 日本人8人が出場したが、松山英樹、久常椋、桂川有人、蝉川泰果の4人が予選通過。 桂川が81人中の74位、残った3人は30位タイ(45千$)だった。  

 

東京からのYさんと待ち合わせた札幌駅左の「K書店」で、文庫本5冊を購入、山口恵似子「ゆうれい居酒屋④ とり天で喝!」(書き下ろし)、 中山祐次郎「外科医、島へ」(書き下ろし)、原田ひ香「三人屋」(単行本は2015年)、佐伯泰英「芋洗河岸」(書き下ろし)、亀野仁「地面師たちの戦争」(書き下ろし)である。 今、文庫本の書き下ろし作が多いのは世情を反映しているのかも知れぬ。 出版社の思惑はいかに?  ・・・K書店の近くの「塩ホルモンS」は、狸小路から移転してからもう10数年かと思うが、移転後初めて予約した。 Yさんと割り勘で4,000円、予約しないと入れないそうだが、本当に客席は満員の盛況だった。

 

 

 

中山七里「月光のスティグマ」(単行本は2014年)

・・・スティグマとは、社会の多数者が少数者に押し付けたネガティブな刻印の事であり、汚名、恥辱、不名誉を意味する、と解説者が言っている。 作者のどんでん返しの波状攻撃!とPR帯に呷っているが、まさしく!と首肯する。

 

神戸市須磨区の一卵性双生児の八重樫麻衣と優衣はまったくの瓜二つである。 しかもすこぶるの美人姉妹だった。 しかし、隣の同級生、神川淳平だけは二人を見極めることが出来た。 何故かは判らないが、ふとした仕草で違いが解った。 いつも三人は一緒だった。 淳平はハキハキとした優衣が心密かに好きだった。 6才上の兄・省吾は、→俺はどちらかと言うと麻衣の方と付き合いたい、お前はこのままどちらか一方と別れるしかないだろうが・・・と、せせら笑っていた。

 

小学三年生の二学期終り頃、姉妹の父親が経営していたメッキ工場が化学爆発し、父・進が焼死した。 淳平の父・康平が、→奥さんも何かと大変だろう、落ち着くまで姉妹をウチで預かってやろう、淳平は省吾の部屋に、淳平の部屋に姉妹を入れて、普段から兄妹みたいに育った淳平が兄貴みたいに接してやれ、いいナ、と厳命された。 母・志津子は、お葬式の準備に行ってくる、序に二人を預かる事もご近所に言っておく、と出かけて行った。 淳平は二人を迎えに行った、泣き腫らした顔を見た時、精一杯腕を伸ばして二人を抱きしめた、→泣かんでええ、オレが護ったる、と言うと、二人は強い力でしがみ付いてきた。 そして、二人は三人で寝ると言って効かず、淳平を真ん中にして手を握りしめたママ、寝入ってしまった。

 

八重樫家の経済状態は一変した。 保険金の余剰は得意先への賠償金に消えてしまった。 母・留美はお惣菜屋とビル清掃の掛け持ちを始めた。 中学生になると双子の姉妹は更に際立って美しくなっていった。 言い寄ってくる者、数知れずであったが、毎回、冷徹な謝絶が続くと、難攻不落の美人姉妹が、唯一、心を許す神川淳平とは何者なのか?と、例外なく好奇心を抱かれていた。

(ここ迄、全406ページの内、僅か39ページまで。 中3になった阪神淡路大震災の前日、淳平が優衣と別れて廃墟になった工場を横切った時、兄・省吾と麻衣が言い別れをして麻衣が立ち去ろうとしたが、腕を掴んで引き寄せた省吾に対して、隠し持っていた刃物を突き刺した! それを目撃した淳平は何かの見間違いだ、麻衣が刺すなんて・・・と、否定したい気持が心の底から湧いてきて逃げ出していた。 一卵性の優衣は姉が何をしたか、感じてしまったのである。 省吾は夜中まで帰ってこなかった。 翌早朝、あの大地震が襲ってきた、自宅は崩壊、両親が圧死、隣の麻衣と母も圧死、廃工場は全焼、優衣だけを辛うじて淳平が助け出した。 名古屋の叔母さんに連れられたまま行先不明になった優衣、苦学して大学を出た淳平、・・・それから15年の月日が経った。 東京地方検察庁の特別捜査本部に所属する神川淳平は30才になっていた。 上司の勝呂・42才から今回の衆議院選挙違反の内偵を指示されていた。 目星を付けた「NPO法人 震災孤児育英会」は、是枝議員が仕切っていて寄付で集まった義捐金を派閥に横流しいている隠れ蓑団体だろう、と目星を付けた淳平が、ボランティアを装って入り込むが、数日後、議員秘書だと現れた美人が、15年振りに再会した優衣だった。 そして翌年、今度は東日本大震災である。 「震災孤児育英会」にはこれまでより義捐金が集まり、更に、世界中に組織を拡げて、「震災・戦災孤児育英会」となって行ったのである。 優衣は是枝議員の片棒を担いでいた。 膨大な義捐金をどうマネーロンダリングしているのか、アルジエリアまで出張する優衣を追跡して、その仕組みを追う淳平だった・・・ スケールの大きい、凄まじい物語である)

 

Oさんから借用の、大沢在昌「予幻」、柚月裕子「風に立つ」及び、購入した文庫本3冊、桜木紫乃「俺と師匠とブルーボーイとストリッパー」、知念実希人「となりのナースエイド」、佐伯泰英「新・酔いどれ小藤次㉖ 恋か隠居か」も読了してそれなりに満足感があるが、ここに書き込む気持が萎えている。 粘りが湧いてこない。 トシかなあ・・・

(ここ迄、約2,800字)

 

令和6年(2024年)1月19日