令和6年1月4日

俺の本棚~面白いッ書 第655回

元旦から大惨事! 石川・富山県の震度7である。 輪島市は200棟が火災で消失、石川県だけで死者74人である(・・・もっと増えるじゃないか?) 大揺れで家屋が何棟もペッちゃんこになっている、断水、停電、更に崖崩れと隆起や液状化で多くの道路が不通、この寒い時期に放り出された被災民の不幸は他人事ではない。 せめて大きな津波被害がなかった事を喜びたい。 富山県在住の高校級友・Mにメールすると、→コップが割れた程度、早速のお気遣いありがとう、と返信があったが、石川県在住の同じ業界人だったSさんの返事がない。 通信不調でそれどころじゃないのかも知れないが、平時には携帯メールでやり取りしていた仲間であるからちょっと心配である。 地震災害のニュースに見入っていた元旦・2日であったが、今度は羽田空港で北海道発のJALと、救援物資を積んで被災地へ向かう海上保安庁の飛行機が激突、旅客機が炎上する事故である。 新聞によれば滑走路にいた海保の飛行機に、着陸してきた旅客機が衝突、海保6人中、5人が死亡、乗客・乗員379人が炎上中の飛行機から無事に脱出した。 世界中から、その成功劇に大興奮、奇跡だ、と賞賛の嵐で湧きかえっている。 日航は、着陸許可が出ていたと確認していると発表していた。 日航機長は怒りの言葉で、→原因を徹底的に究明して欲しい、それでなければ乗客の命は守り切れない、とキツイ断言だった。 空港の滑走路で衝突事故とはあってはならない事だけに、正月早々の二つの大事故に茫然とするばかりである。      

 

 

伊岡瞬「清算」(Oさんから新刊借用)

「株式会社八千代アドバンス」は、大手の「八千代新聞社」の子会社で、80名所帯の綜合広告会社である。 制作部次長・畑井(はたい)伸一・44才は、自身を含めて制作部9名(正社員3名、アルバイト6名)の陣容であり、制作課と促進課とふたつの課がある。 部長は営業部長の那須・47才が兼務しているが、制作部の指揮実務は畑井が担っている。 正社員の制作課係長の市原尚己・31才と、促進課主任・田川果南・28才は畑井の頭が下がるほどの真面目さがあり、最も信頼置ける部下であった。 吉永常務・59才に呼ばれて、応接室に入ると、横田社長・65才と那須部長も顔を揃えている。 嫌な予感がしながらソファーに腰を下ろすと、社長から、→10月1日の異動で畑井君には昇格してもらう、総務部長だ、ただ、業績不振で3月の年度末でこの会社は解散する事になった、本社が決めた事で、もう覆らない、畑井君には会社清算の陣頭指揮を取って貰いたい、勿論、社員にはグループ会社への斡旋を始めとして、再就職に最善の配慮をするし、退社する社員には特別割増し退職金を考えている、と仰天するような話である。 経営が悪化しているのは承知していたが、リストラどころの話じゃない、会社が無くなってしまう事に心が震えた。 娘の結衣は来年高校受験なのである。 自分だけじゃない、それぞれの生活が掛かっている社員が多い筈だ。 ましてや、自分の後釜は総務部長の北見昌子・59才だという。 そっちの方が余程の適任だろうと思うが、横田社長は、→畑井君が適任だ、余人に代えがたし、と言う事だ、と断じるのである。 更に、→具体的には11月初旬に発表することになると思う、それまでこのメンバーだけの極秘事項だ、と念を押される始末だった。 妻の瑞穂・42才は契約社員として総合病院の事務職として勤務しているが、どう、打ち明けようか?

 

清算が始まり、その仕事に忙殺される毎日だったが、何とか凌ぎ切った。 グループ会社への再就職斡旋も、余りにも人望が無い人や退社を望んだ人以外は殆ど決まった。 社長以下役員の努力が効き目があったのは間違いなかった。 清算が終ってから一年間の清算人を要望されて、横田社長、吉永常務と旧・経理課長だった串本と4人のチームだった。 本社以外の全ての支払いが終ると2億円が残った。 本社への支払い4億円と相殺され、差し引き2億円の特損処理を本社はするらしい。 その通帳と印鑑と共に串本課長が失踪した。 ・・・清算中の苦労やこのアトの始末、意外な最終章が長々と続く。 正月も終ったし、取り敢えず、ここ迄のUPとしよう。 

(地震、羽田事故、その最中の箱根駅伝、正月はテレビ漬けだった。 本もまだ、2冊も残っている。 右足の踵の腱?が捻った訳でもないのに、朝起きると痛い、歩くと痛いからビッコを引いている、何だろうナ、齢を取るとアチコチが痛み出すナ、腰も痛いし・・・)

 

(ここまで約1,900字)

 

令和6年(2024年)1月4日(木)