俺の本棚~面白いッ書 第649回
令和5年12月4日
業界紙へのコラム投稿が11月号で最終回を迎えた。 いつもその内容について、メールの一言を添えてくれるH市のKさんから2年間の労いの言葉を頂いたが、同じく、K市在住のS氏から携帯に労いのメールが入った。 吃驚である。 まさか、いつもご覧頂いているとは夢にも思わなかったからである。 同じ業界に身を置いていたS氏に、この7月に、→後継として如何か?とお誘いしていたが応諾の無かった事が残念だった。
日本男子最終戦のメジャー戦は30人のみ。 道産子は片岡尚之ひとりだけ。 3日目に32才・石川遼がtoday-8を出して首位に2打差に急追した。 ・・・ しかし、一緒に最終組で回った22才・蝉川泰果が優勝! 史上最年少の記録とはやっぱり世代交代かナァ。 ベスト10に入った選手は誰もがスコアを伸ばしているのに石川だけはtday+3で、7位(400万円)に敢え無く散った。 ベスト3の、23才・中島敬太、25才・金谷拓実は正に新時代の徴候だろうなァ。 片岡は15位だった。
PGAはバハマで、今季メジャーチャンピオン等の20人のみ。 松山英樹は招待されていない。
欧州ツアーは、オーストラリアで、星野陸也、久常涼、比嘉一貴、桂川有人の4人。 3日目を終えて星野が首位に立った。 ・・・残念! 星野は、P・O戦で惜しくも敗れて121千豪$(豪$=100円)、久常も桂川も8位だった。
U内科から借用した単行本2冊、米国人作家の「石の猿」は、カタカナだらけの地名や人名だらけで、更に登場人物が多くて頭の中で整理しきれない。 不法移民を操る蛇頭の殺し屋・ゴーストが、アメリカ沿岸警備隊に追跡されると、乗って来た貨物船を爆破し、証拠隠滅を図って、乗客だった不法移民20数人を荒れる海上で次々と射殺するシーンにアングリとするばかりである。 「不法移民は既に世に亡き者たち」と嘯き、「蛇頭に金を払わなければ殺される、文句を言えば殺される、この世から消えたきり二度と見付からない」 ・・・ウ~ン、途中でギブアップした。
もう一冊はドイツ人作家、「乗客ナンバー23の消失」は、大西洋横断客船「海のスルタン号」は乗客の失踪が相次いでいた。 囮捜査官マルチン・38才は、5年前、妻ナージャと息子ティムをこの船で失っていた。 このクルーズ船で航海に出かけた3日目の夜に、ナージャはティムの顔にクロロフォルムを湿した布を押し付けたアト、海に落とし、自分も50メートル下の海にダイブしたのである。 ・・・この日、見知らぬ老女(らしき・・・)から電話が入った。 →あなたの妻が自殺でない証拠を手に入れた、この「海のスルタン号」に直ぐにいらっしゃい! 何だと、直ぐ行くしかない。
・・・海のスルタン号の一室で、医療用ベッドに固定されて横たわっている黒人スポーツ選手・24才が身悶えている。 ドクターと呼ばれているが、博士号は持っていない男が、隣室に用意した電動骨カッターや解剖刀を取り出した。 45分後、手術が成功していつものカクテル10杯を飲む、午後8時30分、急がないとメイン料理のホロホロ鳥に間に合わない、膝のところできれいに切断した右足を生ごみ処分する為に甲板に急いだ。 酷いシケだ、エコバックに入れた生ごみを大きく振りかぶってインド洋に投げ捨てた。 背後から声がした、→そこで何をしてるの? エアコンの陰から少女が出てきた、→魚に餌をやっていた、と保安官で無かった事に安堵して優しく答えた。 →お父さんは死んじゃった、今はお母さんと一緒だけどいつも夜遅く帰って来て酒臭いの、良くカジノにいるの。 ・・・この子が題名の乗客ナンバー23号のアヌーク・ラマー・11才だった。
(これも突然の劇化シーンが続き、理解が追い付かない、途中でギブアップした)
購入した文庫本2冊、今村翔吾「イクサガミ 地の巻」は、天の巻を読まずに買って来たのが間違い。 全巻からの流れが掴めない。 先に巻末を見たが、更に続いている。 天、地巻のアトは、人巻であろう。 明治初期、東海道を舞台にした死闘が、鞍馬山で鍛えられた義兄弟妹8人に襲い掛かってくる。 既に4人が倒された。 侍たちの最後の戦いを描く文明開化の世の中、とあるが、・・・途中で辞めた。
湊かなえ「カケラ」は同じ人の思い出す話がクドクドと長すぎる。 途中で読み飽きてきた。 これも途中で辞めた。
知念実希人「十字架のカルテ」(図書館から借用、単行本は2020年)
光陵医科大学付属雑司ヶ谷病院は、中規模の精神病院である。 40代半ばの影山司准教授が院長で精神鑑定の権威である。 助手の弓削凛は、医学部卒業後、二年間の初期臨床研修を終えて自ら志願して院長の助手となった。 過去に親友を失った辛さから精神鑑定を見極めたい、という願望があった。 ベッドは300床で一般解放病棟、閉鎖病棟がある。 刑法39条に、(1)心神喪失者の行為は罰しない (2)心神耗弱者の行為はその刑を減軽する、と定められており、殺人事件であっても精神鑑定によっては起訴されない可能性が大なのである。
今日の面談相手は、歌舞伎町無差別通り魔事件の犯人、白松京介である。 一人住まいしている大崎のマンションから電車で出掛け、新宿のデパートで包丁を買い、映画公開イベントが行われている広場に集まっていた群衆12人に斬りかかり、4人の命を奪ったが、駆けつけた警官に逮捕された。 しかし、支離滅裂な言動があった為に、簡易鑑定で重度の統合失調症による妄想故の犯行として疑われ、本鑑定の為に検察庁から身柄をこの病院に移されて2週間が経った。 白松には過去には精神科の通院歴もあった。 しかし、自分勝手に快癒したと思い込み、怠薬の結果、今度の事件を引き起こした、との見方があり、起訴してから裁判で無実になることを恐れる自己保身が強い検察庁が、起訴しない、結果、不起訴となるのがこれまでの流れであった。 ・・・大崎からの途中に原宿や恵比須や池袋等々、人が溢れている街がいくつもあるのに、何故、新宿まで行ったのか? 12人を襲撃したアト、逃走せずにイベントの実況が為されていたカメラの多い場所に行ったのは何故か? そして自分の名前と大学名と今のマンションじゃなく実家の住所をカメラに告白したのは何故か? これらの全てがワイドショーに取り上げられ、全国にその名が知れ渡った原因だった。 影山院長は凛に助手としての調査を命じる。 凛は、白松が通院・入院していた精神科医院の院長に面会を求めた。 ・・・詐病を疑った院長と凛は、その裏に潜む京介の心の闇を暴かねばならない。
第2話は、横溝美里・29才が生後5ヶ月の長女・怜香を絞殺したアト、胸に抱きしめたままマンション4階から飛び下りて自殺を図ったが、本人は右足の骨折だけで命に別状なかった。 駆けつけた警察官に訊かれ、乳児の殺害を認めたので緊急逮捕となった。 しかし、殆ど言葉を発しない美里だった為、影山院長に精神鑑定が依頼され、ここに移送されて一ヶ月が過ぎた。 骨折も完治してやっと鑑定面接が始まった。 ・・・夜泣きが止まずマンションの住人からもクレームが多かった為、このままじゃこの子はダメになる、と将来を過激に危惧した咄嗟の衝動だった、と言う。 院長と凛は、産後うつ症による心身耗弱状態で娘を殺害した、が罪を軽くしようと、死ぬ事はないと分かった上で、4階から飛び下りたが、樹の枝にぶつかりながら柔かい花壇に吸収され命を失う事は無かった、と判断した。 じゃ、彼女は詐病なのだろうか? 責任能力がある状態で我が子を手にかけたのだろうか? 元精神病の看護師だった美里は刑法39条の知識がある。 うつ病だけでは不起訴にならないと考えたからこそ、悪魔に命令された、とか言い出したり、自殺を図ったり、統合失調症を装った言動があった。 院長は断言した、犯行時、重度の産後うつ病による妄想状態があった、本気で自殺を図ったと鑑定書に書きます、恐らく、検察は不起訴の判定を下し、医療観察法に基づいて指定された精神病院で治療を受ける事になるでしょう。 すると突然、正気に戻った美里は、→この手が娘の首を締めて命を奪ってしまった事を覚えています、殺した事実は変わりません、犯行時に私が正常だったという鑑定書を提出してください、我が子を殺した殺人罪で裁いて下さい、償いをさせて下さい、と喘ぐように叫んだが、院長は、→私の職務は裁く事ではない、精神鑑定医としてあなたを診察し正しい判断を下す事です、あなたを犯行に駆り立てた心の闇は間違いなく疾患により生じたものです、だから法では罰せられない、本当の贖罪はこれからの人生をかけて自分で考えて下さい、それを見付けるお手伝いはします、先ず、治療を進め、あなたの心に生じた闇を消し去りましょう、きっと娘さんもそれを望んでいるでしょう。
(ここまで、全357ページの内、105ページまで。 このアト、3、4、5話が続く。 精神科の専門用語が多くて完全に理解し難い読後感である)
元会社の旧・E事業部OBが11人集まって、初の懇親会。 4人位は直ぐ予想できたがアト7人の顔ぶれは当日の楽しみだった。 ・・・何と、事業部系列の4人の営業所長と、事業部で見落としていた3人はYaとKとYoだった、特にYaは最後は別会社へ出向していた為、頭から消えてしまっていた。 一番上の役職者だったAが、個人で買い込んだお土産を全員に配っていたので有難く頂戴した、ススキノでこの日開店したビルの店のチョコレートだった。
(ここ迄、3,900字超え)
令和5年(2023年)12月4日(月)