俺の本棚~面白いッ書 第645回

令和5年11月6日

図書館から借用の、梶よう子「三年長屋」はそこに三年住むと望みが叶うという意味だった。 河童を祀った祠があって毎日手を合わせている住民も多かった。 別名、カッパ長屋と呼ばれている所以である。 そこの差配は元・武士の佐平次で、長屋住民の世話をお節介すぎるほどに焼いて、難事件を解決して行く人情物語であった。 そして、夢を叶えて長屋を出て行く者、新しく入って来る者、最後には佐平次の夢も叶うのだった。

 

浅田次郎の続編、②③巻はイマイチだった。 ①巻が面白かったのに残念だった。 楡周平「ショート・セール」は、傾いた企業の再建に功を成したプロ経営者は、不採算部門の切り捨てや財産の売却、人員削減等々で、目先の取り敢えずの業績を上げると、アトは野となれ、山となれの思想で自分の価値向上だけを狙う陰謀家でもあった。 この物語は、又もや同じ意図を持って暗躍する事を知った投資ファンド副社長・怜が、オネエ言葉の真吉社長と一世一代の経済ゲリラ戦を仕掛けて大成功する物語である。 悪徳プロ経営者は、「先住民特権を悪用した株価操作」をSEC(アメリカ証券取引委員会)に暴かれて、証券取引法違反、外為法違反で逮捕され、株価に投資した巨額が全て紙屑になって、更に、生きて娑婆に出られない程の長期罪で投獄されてしまったのである。 怜の父親は再建した筈の企業の後釜に指名されたが、将来に実になる芽は一つも無く、業績下降の状態からノイローゼになって、精神を壊してしまった仇を見事果たしたのだった。   

 

文庫本4冊購入。 上田健次「銀座 四宝堂文房具店」(2022年書き下ろし)、堂場瞬一「コーチ」(単行本は2020年)、南原詠「弁理士・大鳳未来 特許破りの女王」(書き下ろし)である。 上田、南原は初めての作家、さて、どうなのか。  

 

PGAはメキシコで開催。 小平智、石川遼、平田憲聖の3人が出場。 石川と平田は前回日本で開催されたPGAの試合で上位入賞した権利があって参加出来た。 ・・・3人揃って討ち死、予選通過ならず。 

LPGAは日本で開催、78人中、日本人は38人。 その中にはLPGAメンバーの畑岡奈佐、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、西村優菜、勝みなみの6人が含まれている。 道産子は小祝さくら、菊池絵里香、阿部未悠の3人だけ。 3日目を終ってベスト5に日本人6人が並んでいるのは爽快だった。 ・・・稲見が今季初優勝、通算13勝目の逆転優勝(300千$)だった。 これで来季はアメリカでプレーする権利を得たが、果て? 1打差で初優勝を逃した20才・桑木は惜しかった。 小祝34位、菊池40位、阿部56位に終った。 これで31勝3敗である。 

日本男子の道産子は、片岡尚之と植竹勇太、植竹が予選落ち。 中島敬太がぶっちぎりの優勝(2,400万円)、賞金王トップに躍り出た。 片岡は40位に低迷した。

(ここ迄、1,200字越)

 

令和5年(2023年)11月6日(月)