令和3年(2021年)12月30日 第477回
正月用に文庫本7冊を購入した。 まさきとしか「彼女が最期に見たものは」(書き下ろし)、金子成人「付添い屋 六平太」(書き下ろし)、萩原浩「それでも空は青い」(単行本は2018年)、朝倉かすみ「平場の月」(単行本は2018年)、中山七里「ヒポクラテスの試練」(四六版は2020年)、今野敏「炎天夢」(単行本は2019年)、原田マハ「丘の上の賢人 旅屋おかえり」(初出は2014年月刊誌、他)である。 図書館から文庫本2冊借用。 これだけありゃ、正月明けまで持つだろう。
佐藤究「テスカトリポカ」(単行本、直木賞、Oさんから借用)
・・・553ページの厚さの長編である。
メキシコの麻薬戦争に破れた男が命からがらジャカルタに潜伏、再起を狙う。 そこで知り合ったのが日本人の臓器ブローカー、二人は新たな臓器ビジネスを実現させる為に日本に向かった。 無戸籍の幼い児童を父母の手から救い出すフリをして、児童相談所に網を張る。 世界の富豪は臓器移植の我が子の為には2~3億のカネは惜しまなかった。 正にビックビジネスである。 ・・・バイオレンス描写が多すぎて読むのが苦痛になってくる。 題名の意味は、麻薬世界に君臨する神の名前だと思うが、ハッキリしない。 文中のどこかにあった筈だが再読する元気は無い。 ただ、良くもこれだけ膨大なメキシコの参考資料を漁ったモノだと感嘆する多さである。 直木賞受賞はこんな事にも理由があるかも知れない。
誉田哲也「フェイクフィクション」(単行本、Oさんから借用)
物語は、首なし死体が発見されて始まり、途中でも、奇妙な凶器による首切り描写が続出する。 カルト教団と警察組織、元キックボクサーとカルト教団の暴力団員、カルト教団に囚われた女が性奴隷にさせられて、かつ、水道水を超能聖水として信者に売り付けて巨額の富を稼ぐ。 首切り悪魔は誰か、オウム真理教のような狂気のカルト教団に手懐けられた警察幹部がウラにいた、という気分が悪くなる展開だったが、どうにか、読み終えた。 とても再読する元気は無い。
春口裕子「行方」(文庫本、単行本は2016年)
山口妙子は真田中央公園で必死に我が子・三才の琴美を探していた。 夫・和彦、小1の遼太郎 も駆け付けてくれたが、赤い花の髪飾りが見つかっただけだった。 そこから奥には雑木林になっており、ドングリが沢山落ちている。 自宅に戻ると、神奈川県警真田署の三津谷と関と名乗る刑事が待っていた。 彼らから確認された事は、幼稚園から帰る途中の公園で14時50分から行方不明、ピンクの右足の靴が見つかった、の2点である。 妙子はスーパーのレジで働いているが交代要員が遅刻して幼稚園のお迎えが遅れた、と遅れた理由を言うと、義母・登紀子がまなじりを上げて怒りの表情で罵った。 お迎えの時間は二時半まで、幼稚園に到着したのが45分、この一ヶ月間で5~6回も遅刻していたので、幼稚園からは、→個別に遅刻を認めるのは不公平だ、と父兄からの苦情が来ているらしい。 それは全て交代要員の遅れが原因だった。 小さな個人スーパーでタイムカードを仲間二人で悪用している状態があったが、店の主も妙子もそこまで見抜けず、遅刻を偽装しているのだった。 この二人はレジをカラ打ちして売り上げを掠め取っている仲間であった。 幼稚園には、妙子がどうしても間に合わない時は田浦坂翔君のお母さんに引き渡して欲しいとお願いしていた。 しかし、今日は星野恋文(れもん)ちゃんのお母さん・朱里さんが一緒に連れ帰ったと言う。 何故?
・・・物語の進み方が微に入り細に亘ってここに纏めるのは難しくて、つい、ここへの書き込みが滞ってしまった。 22年後に新しい展開が始まるが、琴美が行方不明になった真実が解明する、交わる筈の無かった人生が交錯したのだった。
業界紙S・G・Jに我がコラムが掲載された。 コロナで、今年、たった三回しか行かなかった28年以上付き合いの小料理屋「K」からの帰途、タクシーの中でK・元会長から携帯が入った。 →コラム見たけど、胃を三分の二も切除したって本当か?と、30年程前の出来事を質問されたが、12年前に専務理事を要請された時には打ち明けていなかったンだなと気付いた。 元会長から今回のコラムの内容を賞賛されたアト、気分良く我がマンション近くのカラオケ居酒屋「K」に立ち寄ると、カウンター隣の初対面の方が、かって落語仲間だった和服の関係者だと知って吃驚だった。 私製の名刺を差し出すと、始めは名乗らなかった彼の口元が滑らかになったのだった。 唄が巧い! 彼の歌声に陶酔して、楽しい三時間を過ごし、お代わりの芋焼酎ボトルを入れて4,700円で済んだ。 ここはず~と続けて欲しい店なのである。 先の小料理屋「K」は、ビール一本と日本酒四杯、Kの郷里の森町・佐原から仕入れた一夜干しホッケ半身を二度焼きして貰って、骨も皮も全部美味しく平らげた。 3,000円でイイ、と言うが煮栗と洋菓子のお土産も頂いたから無理矢理4,000円を置いてきた。 それにしても安い! 有難い!
業界紙の創業者であるN社長の御父上・99才の逝去を彼の誌面で知った。 一週間以上を過ぎていたのでご逝去を悼んでメールだけ打った。 五年程前迄?続いていた当時90代のコラムが凄かった。 世の中の知識の深さ、人生経験の豊かさ、どれも胸を打った。 10数年前、彼の母上の葬儀のお寺に相当の時間前に辿り着いて(飛行機の時間・・・)、葬儀社にお願いして香典を手渡してきた事が昨日のように思い出される。 ・・・メール後、二日してN社長から電話があった。 彼の事だ、自立心旺盛な気概を発揮して業界貢献をリードして行くだろう。
札幌市のひと晩の積雪は記録的な55cmだった。 我がマンションの除雪車は今年初だったが、我が愛車は雪に埋もれてドアがやっと開いた。 その後、今日まで2回の除雪車で、昨年は30日の除雪車一回だけだったから、このアト、どうなるのかなァ。
(ここまで、2,500字超え、すっかり書き込む力が落ちてきた・・・)
皆さま、穏やかなお正月をお過ごし下さい。
令和3年12月30日