令和3年(2021年)11月22日 第472回

(今日は、イイ フウフの日である、逆らわないで楽しく生活するしかナイ、と心底思っている)

大相撲九州場所のテレビ画面右側に又もや高価そうなワンピース姿の清楚な美女?が毎日現れた。 前回の東京場所で姿を消したワンピース姿と同じような姿形の出現である。 東京は画面左側に毎日だったが・・・。 どちらもマスク姿なので、顔は判らぬがちょっと違う感じである。 東京の子が福岡へ行ったとは、とても思えぬが取り巻く雰囲気が同じなのが気味悪い。 福岡の子が東京の真似をしているのだろうか? 75才の相撲好きを惑わせて欲しくない、それにしてもマスクは顔を隠すモンだなァ、とつくづく感じ入った次第である。

 

図書館の予約で、回送中と出ると普通は僅か1~2日で、ご用意出来ました、と表示されるのに一週間以上もかかった時があったが、その時の図書館員の説明は納得がいかなかった。 今回、又もや一週間以上である。 回送中と出るからには借り手が図書館に返済した筈である、とすれば図書館側の不始末なのであろうか? 札幌市内の回送中なんて誰でも1~2日と思っている。 待ち侘びている予約客にはいっそ、ご用意出来ました、とイキナリ表示された方が気を揉まなくてイイと思う。 回送中と知らせる親切が仇になっている。 図書館員はそんな道理が判らない奴ばかりなのかなァ。

 

 

小路幸也「すべての神様の10月(二)」(文庫本~第468回の続き)

・・・天狗さまのもとに・・・

西川は消防士である。 地方公務員だから管轄内の人事異動はあるが、都外、つまり県を跨ぐ異動にも遭っている、奇妙な事に西川だけだ。 その理由は最近、やっと思い知った。 変な噂があってそれが事実だから困るし、不思議なのだ。 その噂とは、西川が出動すると現着する前に火が消えるという、何とも言えない事実がある。 もう5年も続いているから西川はマトモな消火活動をしていない。 4年振りに最初の分署に戻って来て4ヶ月、これまでに15回の出動があったが全て現着前に火が消えていた、西川が休みの時にあった火災は普通に消火活動があった。 隊長の加賀美さんに呼ばれて小会議室に入ると、→お前の噂は知ってるナ、だからあちこちから人事の要請がある、二年に一度の割合だったナ、今や、全国の消防本部から要望されている、と言っても過言じゃない、処でこれを見ろ、と数枚の写真を出された。 オレンジ色のジャケットを来ている人物は20代後半か35才位迄の若者である。 胸に「ネコ捜索中」と書かれていて反射板の文字が光っている。 仮に放火の場合、犯人は現場に戻るというデーターに基づいて見物客の写真を非公式に撮っているのだ。 →二枚はここの分署、もう一枚は他県の分署なので、この男については最早、偶然とは言えない、どうだ、この人物に見覚えはないか? 遠い親戚、小中の同級生とか、年恰好はお前と同じようだが・・・と問われても、一切、見た事の無い人だ。 ネコ探しの便利屋さんなんだろうか、偶然、居合わせても別に罪にはならないし、既に火は消えているのだから・・・、れっきとした放火の証拠があるならば、警察に届けてもイイのだろうが・・・。 加賀美隊長が、→この人に会って見ろ、インターネットに「ネコ探します」と載っているから、と半分、指示的に言われたので自分の興味もあるから、即OKした。 実は猫は好きだ、実家でも飼っていたし、公園のノラ猫が寄ってきて猫好きな奴に羨ましがられた事がある、結婚して自分の家を持てたら猫を飼ってもイイな、と思っているのサ。

 

その探偵に会えた、そして西川さんの家に上がり込んで、アパートの隅に仕掛けたネコ捕獲器で、尻尾が割れた大きな白い猫を捕らえた。 探偵が打ち明けてくれた、→天狗の羽団扇(はうちわ)は大変な神通力があります、風の力、水の力、火の力、ほぼどんな力でも行使できる団扇です、この猫は天狗様の眷属だったのを忘れて羽団扇を持った儘、半ノラで生きて来たんです。 だから、西川さんが出場すると先に現場に行ってこの羽団扇の力で火を消していました。 こいつは西川さんが大好きなんです、大恩を感じているんです。 西川さんが幼稚園前の幼い時に、怪我をした白い子猫を見付けて、必死にお母さんに助けを求めたんですね、お母さんは動物病院に連れて行き、白猫は怪我が治るまで10日間ほど家にいたんです、そして白猫は誰にも気付かれずに出て行きました、3才かそこらだったあなたも忘れてしまったんです、なので大きくなった西川さんのお役に立とうとして火事の現場に先回りして消していたんです。 こういう事はやり過ぎるといろいろと噂になったり、世の中を騒がせてしまったりしちゃうんで、連れて帰ります、天狗様の元に。 僕は天狗様の家来で鴉天狗と言います、ず~ッとこいつを捜していたので、西川さんの火事現場で捜していたんですよ。 申し訳ないけど、このアト、西川さんは今夜の事は判らなくなります、天狗様の仕業です、そういうモノなので・・・ いつか会えたら何かのお役に立ちますので・・・。

 

・・・死神に恋・・・

何事もなく平和に平和に生きて来た一般家庭の夏川麻美は高三の夏に一回死んだ事がある。 夏休みの初日、バスで塾に向かっていた朝、突然、パンッとか、ガシャッとか音がしたと思ったら肩の所に痛みみたいなモノが走って、普通じゃ無かった、鈍痛というのはホントに声が出ないんだね、固いモノを瞬間的に押し付けられたような痛み。 胸の上辺りを触ったら、ヌルッと血が付いた、何じゃこりゃ、と思ったけど周りの誰もが気付いてくれなくて。 生き返ってから訊かされたのは、暴力団の馬鹿な人が同じように馬鹿な人間を殺そうとしてビルの二階で発砲した弾が、奇跡的な確率で私に当たったらしい。 そのまま気が遠くなって目の前が暗くなって気を失った。 窓が割れて血を流しているのに気付いてくれた人が幸いに看護婦さんだった。 でも救急車が来た時は明らかに心臓が止まっていたって、それでも蘇生させようと一生懸命やってくれて、病院でも先生や看護婦さんが頑張ってくれたけど其の儘、蘇生しないで死亡が確認されたって。 警察官事務職のお父さんやお母さんが来る前に。 ところがお母さんが着いた時に傍の看護婦さんが気付いたんだって、急に頬に赤みが差して胸が動いたことに。 その看護婦さんはバスの中で気付いてくれた人で偶然に此処に勤務してた伊沢さんって言うんだけど、入院中、ず~ッと教えてくれた。 一度死亡が確認されて蘇生した人を、20年以上も看護婦をやっていて初めてだって、心底驚いたらしい。 どうして生き返ったのか、先生も判らない、神の奇跡としか言いようがないって。 実際の死因は出血多量だった。 どうして生き返ったのか、実は気を失っていた間の記憶の中に水色のスリーピースの男の人、めっちゃイケメン、ハーフのような、その人が心配そうな哀しそうな顔で傍に居た、何か喋っていた。 そんな悲しそうな顔をしないで、哀しい事は私が聞いてあげる、そしてあなたを笑顔にしてあげるって思ったの、私はその人が奇跡を起こしてくれたんじゃないかってそう思った。 お父さんもお母さんもバスとか救急車とか目撃者とか訊き回ったけど、そんな人は居なかった、と言うし、けど、この記憶はゼッタイに本当だし、いまでもハッキリ顔を思い出せる。 

 

入院して3週間、夜11時、ロビーで紅茶を飲んでいたら革靴の音が聞こえてきた。 あの人、あの男の人が歩いてゆく、追っかけて、→待って!と肩に触った。 振り返った男の人に、→あの、わたし、バスの中で拳銃に撃たれたんですけど、あなたに助けてもらったと思うんですが判りますか? 男の人は目を大きく見開き、→私が見えるんですね、私に触っていますものね、これは驚いた、と高い背丈から見下ろされた。 →知っていますよ、夏川麻美さん、高校三年生、しかし、ちょっと待って下さい、ICUに先に行って来ますから、私は死神です。 えッとびっくりしながらも付いてゆく、ICUの患者の死を確認していた。 →人間界に誤解されてますが、死神は死を誘うものでは無く、死を確認しなければ死が成立しないのです。 我々は人間と共に存在します、人間がいなければ神様は存在できなくなるでしょう、人によって生かされているのです、犬が神に祈りますか? 猫が運が悪いと嘆きますか? キリンが神社仏閣に初詣でに行きますか? 確かにそうだ、この世で人間だけが神様の事を知っている。 →私はあなたを看取る為に傍に行ったのに、どうして生き返ったのか不思議です。 普通は私を見る事なく死んでいくのに・・・ 私を見て生き返ったからこうして私が見えるし、触れるんだと思います。 →死神さん、私、今決めました、お医者さんになります、人の生き死にに多く携わっていたら、あなたに会える可能性が増えます、私はあなたに恋をしました、また会いたいです。 →判りました、私が看取りに行った時、その患者さんを救う事が出来たなら、つまり、私の仕事の負担を軽くしてくれたなら、私にいつでも会える方法を教えましょう、だから、楽しみにしていましょう、あなたが白衣を着て私の前に現れる事を・・・、と言った死神さんの姿が消えた。

 

福の神は今は、20年のベテラン看護師・伊沢となっていた。 夏川麻美のバスに同乗していた看護師である、→あの子は、私のせいでとんでもなく運が良くなったことは間違いないわネ、それにしてもあの子、高三なのに余り成績が良くないのよ、普通なら大学の医学部合格なんて無理だわ、でも、私がいるからね、頑張ってきっと優秀な医者になるわよ、貴方との約束をきっと果たせるわ、→それにしても近頃の福の神は死んだ人間を生き返らせる程にパワーアップしたんですか? →そんな力はありません、別な神様の気まぐれかしら? →死神は不憫だから、たまにはボーナスでもイイか、ということでしょうか? と二人の神様は納得したのだった。      

(ここまで全295ページの内、140ページまで。 このアト、眠れぬ夜の神様、笑う門には福来る、落とした物を探しています、引きこもりにおじさん、子供は風の子、七回目の神様、と六話が続く。優しい話が続いて一服の清涼感に包まれる。 税別740円、小路幸也の世界に引き込まれて下さい)

 

 

来年3月の運転免許更新を控えて認知機能検査があった。 問題6問のテストの結果、76点以上が何の心配もありません、49点以下は記憶力・判断力が低くなっていますので医師の診察を受けて下さい、76点未満は少し低くなっています、という結果であるが、何と74点だった。 4枚ずつの画を4回見せられたアト、その画を思い出して名前を書きなさい、の問題で16枚の内、8枚しか思い出せなかった。 これがアト2点に届かなかったのだろう。 短い時間制限もあって気持ちが焦った。 悔しいがこれが現実なのだろうと受取るしかあるめェ。

 

女子プロ第36戦、首位で出た黄金世代の原英莉花が逃げ切った。 -15で三人並んでいた17番ロングで鮮やかにイーグルを決めた勝利だった。 原は低迷していたから、今年初めての優勝に、もう、優勝出来ないかもと思っていた、と涙の歓喜だった。 賞金女王は稲見も古江も同じ19位に沈み、約1,700万円の差は其の儘である。 これで34勝2敗、ほぼ無敵な日本女子である。

男子は、today-8で追い上げたアメリカ人が9位から逆転優勝、同じ組で回った江別市出身の片岡尚之は一打及ばず2位タイ、首位で出た木下陵介も2位タイだった。 残念!

アメリカ女子は、首位で出た畑岡奈佐が1打差の逆転負け、惜しい! 笹生優花は48位、ヨーロッパでは川村昌弘が48位と予選をクリアしての健闘振りである。

 

大相撲中日が終了、我が一山本は十両で6勝2敗、勝越しは出来ると思うが10勝しなければ幕内復帰は無理だろう、さて、どれだけ勝ち星を上げられるか、楽しみに見よう。 札幌出身の幕下・北青鵬は初日に負けて怪我をして休場、十両関取が絶望となった。 照ノ富士は強い! あの精神力は賞賛しか無い、態度も誰かさんと違って殊勝で好感度・大である。 ここまで共に全勝の貴景勝がどこまで迫れるか、中日の幸運な反則勝ちがこれから実を結べばイイが・・・。

(ここまで、5,000字超え)

 

令和3年11月22日