バーバリアンというホラー映画を観ました。

ホラー映画というジャンルでは、久々にお腹いっぱい大満足な映画でした。

冒頭のストーリーを説明すると、宿泊予約した家がダブルブッキングされて、先に宿泊していた男を警戒する女性でしたが、とても親切で紳士的な男性に徐々に警戒心がとけて…

という。
サスペンスやホラーの導入として、よくありそうですよね?

「あの人いい人だけど何か怪しい。裏があるぞ~いつボロを出すんだ~騙されないぞ~」って思うじゃないですか。

それが、話が進むにつれ思わぬ方向に引っ張られ、「え…え?」としか言えなくなり、それはまるで生まれて初めて乗るスペースマウンテン。暗闇ジェットコースター。

物語だけ説明すると全然笑えない話なのですが、私は後半とあるシーンがツボッて笑いが止まらなくなりました。 

昔、職場で結成された『B級映画友の会』があるのですが、会員にそっこうおすすめしました。

監督が、この映画をとても楽しんで作られたんだろうなあという映画への愛が伝わって清々しい気持ちになりました。

奇をてらってやろうとか、こんな感じでやっとけばいいだろう、みたいなものが一切感じられず、例えていうと、料理の基本の「さしすせそ」はしっかり守りつつ、隠し味にセンスが光る老舗料亭の二代目みたいな…

「いい仕事してるねえ~」と偉そうなおじさんみたいなことを言いつつ、最後まで楽しませてくれた映画でした。

映画評論家の町山智浩さんの批評で、「この映画のタイトル『バーバリアン』とは野蛮人のことで、誰が野蛮人かっていう映画です」ということをおっしゃっていて、なるほどそういう意味だったのかああと膝を打ちました。

タランティーノの『デスプルーフ』を観たときのような充実感を得られました。

おすすめです!