ひな祭りの、この時期になると思い出す話があります。息子が幼稚園年長の時の話です。

幼稚園で保育参観があり、ちょうどひな祭り近くだったので、紙コップで作るお雛様の製作風景を見ていました。


黒い折り紙に切り込みを入れ、紙コップのまわりに貼り付けると長い髪の毛のように見えます。

息子は手先を使うことが得意ではないのですが、当時は今よりも大変で、はさみや糊を使うこと、絵を書くことは特に苦手でした。

それでもなんとか折り紙で髪の毛を作り、あとは貼り付けるだけ…

見本と同じように作ったつもりだったと思いますが、息子は髪の毛を上下逆に貼りました。



なんともロックなお雛様が出来ました。

私は息子らしいなぁと思いました。
保育参観が終わり保護者が帰ったあと、お雛様を糊が乾くまで棚の上で乾かしていたらしいのですが、息子のお雛様を見た子が「間違ってるよ」と息子に指摘しました。

幼稚園が終わったあとに息子が私に「間違っちゃった」と泣いて話してきました。
当時の息子は間違いを指摘されると過剰に気にするところがあり、落ち込んでしまったので私は焦りました。

なんとかしなければ…

「間違いだよって教えてくれた子はね、息子が作ったお雛様みたいに髪の毛が立ってるヘアスタイルがあるのを知らなかったんだよ。本当にこういう髪型があるから間違いではないけど、ただ見本とは違うねって教えてくれたんだと思う」
私はそう言って、80~90年代のバンドマンたちの画像を見せまくりました。

最初は笑顔になった息子ですが、彼らが全員男性と知ると…

「女の子はいないの?」

私は記憶をかき集め必死で探しました。髪が立ってる女の子…

そしてついにたどり着きました。
ブル中野さんに。

そして息子はブル中野さんの現役時代の画像を見て、ようやく納得したのでした。

私は、この息子が作ったお雛様が大好きですが、ただ全長が長すぎて収納に不便なことだけが困りものでした。

お読みくださり、ありがとうございました。