◆天使と悪魔。 | 「らりるれろ」通信 Remark On The MGS

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MGSシリーズ及びK島監督系作品+αについてのブログです。
ファンサイトと云うよりは論評、考察よりかも?です。
ちなみにK島監督というのはゲームデザイナーです。
業界では映画通としても知られているようです。

最近は映画の記事の方が多くなってますが・・・(^_^;。

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天使と悪魔(2009)
監督 ロン・ハワード 
出演 トム・ハンクス         ロバート・ラングドン 
   アイェレット・ゾラー      ヴィットリア・ヴェトラ 
   ユアン・マクレガー       カメルレンゴ 
   ステラン・スカルスガルド  
   ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ  
   ニコライ・リー・コス  
   アーミン・ミューラー=スタール 

ハーバード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)教授は
ある日突然、ヴァチカンから思いがけない協力要請を受ける。
「ダ・ヴィンチ・コード」の一件でラングドンはヴァチカンにとっては厄介な存在。
そんな彼に緊急の協力要請とは?
事件の陰には歴史に埋もれていた秘密結社イルミナティの存在があった。
イルミナティは法王が逝去した今、次期法王候補の枢機卿4名を誘拐。
枢機卿の殺害と、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)から盗んだ「反物質」で
ヴァチカンの破壊をも目論んでいたのだ。
「反物質」爆破は、その日の24時。
ラングドンはその果たして時間までにその知識を駆使して爆破を阻止できるのか?


特にファンではないのですが(^_^;なんとなくポイントがたまっていたので
この映画を見てきました。
前作「ダ・ヴィンチ・コード」(2006)は一応原作を読んでから見ましたが
今作は原作は未読です。
基本的にはタイムリミット物で、テンポがいいのでガンガン進みます。
そのあたりは謎を解く感じを期待している人には拍子抜けかもね。
でも、娯楽作品としては正解の作りでしょう。
個人的には、ヴァチカン・ローマの史跡を車でがんがん走りまわる感じが
すごく現代のローマ、と云う感じがして
史跡と現代と云う映像のコントラストが前半はおもしろかったかな。
いいね~ローマ。って思わされる感じでした。
基本が「宗教と科学」ってことですから、この辺はいかにもそう云う感じですね。
きっと原作をかなりダイジェストチックに脚色してるんだろうな~と云う
駆け足感でしたが、個人的にはこのネタに「反物質」を持って来たのは興味深かったですね。
この映画ではCERN(セルン)<欧州原子核研究機構>から
(ちなみに<CERN>自体は実際にある機関)
「反物質」を盗み出した「イルミナティ」と云う秘密結社が、ヴァチカンを脅かすと云うストーリィ。
実際の反物質は生成は可能ですが、ここまでの量蓄積できないし、
エネルギーとしてもまだまだ実用化には遠く及ばないものですが、
映画でも云われていた通り、「ビッグ・バン」と大きな関係があると云われています。
クライマックスでこの反物質が爆発するシーンは、まさに「ビッグ・バン」。
つまり天地創造なわけです。
ここを映像で見せられた時には「へ~」と思いました。
映像自体も、ビッグ・バン的、つまり、宇宙的であると同時に
宗教絵画の天地創造的でもあり、なかなかおもしろかったです。
但し、あの質量の反物質が実際にあそこで爆発したら、
被害はあんなものではすまないでしょうけどね(笑)。
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会、パンテオン、サン・ピエトロ広場、
ベル二ー二の彫刻、カタコンベ、アンビグラム、イルミナティ、などなど、
映画だと、こう云うキーワードを視覚化してくれるという点が利点ですよね。
ヴァチカンの図書室の描写なんかも地味におもしろかったですね。
でも、先にガラス撃ってからにしなさいwと思っちゃいましたけどw




役者は、トム・ハンクスはある意味うまいんでしょうね。
基本的に、このラングドンに関する描写はほとんどないし、
キャラクターを出すのが難しい脚本だと思うんですが、
ちょっとユーモアチックな部分も細かく出せてました。
ともすれば、こう云う作品は、堅くなりすぎる傾向があると思うんですが、
その部分はうまく回避してますよね。
カメルレンゴ、パトリック・マッケンナ役のユアン・マクレガー
あらゆる意味でうまかったですね。
これ、難しい役だと思うんですが、
単純に純粋培養な感じがしないところもよかったです。
あと、黒の僧服が似合いますよね。
でも、○○○○ー○で降りて来るところはちょっと笑っちゃいましたけど(^_^;。
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ステラン・スカルスガルドも手堅い感じですね。
ヒロインのヴィットリア役、アイェレット・ゾラーは理知的な科学者、と云う感じはしましたが
ちょっとインパクトに欠けたかな。でも、これは脚本の問題だと思います。
個人的にはイルミナティの暗殺者役、ニコライ・リー・コスがよかったです。

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おもしろい役だと思ったんですが、原作だともう少し描写があるのかな?
いろんな国の人が出ていたのはよかったですね。
そう云えば「イルミナティ」って「トゥームレイダー」(2001)にも出てましたよね。





ラングドンさんラテン語読めないの?とか(笑)。
色々突っ込みどころはありますが。
娯楽作としてはそこそこな映画だと思います。
まぁ、個人的にはロン・ハワードより、もうちょっとヨーロッパよりの監督に
映画化してもらった方が好みな感じにはなるでしょうね。
内容的には、突っ込めばいくらでもおもしろい方向に突っ込める映画だと思うんですが、
ヴァチカンや多方面への配慮とかもあるんでしょうね。
でも、意図は明快だし、テンポはいいので、これはこれでいいかな、と思います。