アドバンス or チェンジ | 三嶋浩二Official Blog

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 ~社会をより豊かに~

ファシリテーターが選択するものに、アドバンス or チェンジというのがあります。

アクティブメニューを「続ける」のか、やめて違うものに「替える」のか。
※ここでのチェンジにはメイクルール等のルールの変更は含まないものとして書きます。


その場にいる全員がやりたくないと感じているならば、迷うことはなくさっさと替えて違うことをやった方が良いですね。時間は大切です。

ただ、やりたくないと思っているのか、躊躇しているのかは、ファシリテーターと参加者の関係がある程度できていないと判断するのは難しいです。

躊躇している、迷っている時に、
「やりたくなかったら見ていてもOK」

という声かけをした場合、どうなるでしょう。

概ね、やらないを選択することになります。


私たちは、ファシリテターです。

参加者が、やろうかな?どうしようかな?と迷っている時は、自身で決断するまで待ってあげることや、少しだけ後押ししてあげることも支援になります。後押しにはファシリテーターの力だけではなく集団の力がとても大事になります。


「やりたくなかったら見ていてもOK」という言葉がどこから出て来たかですが、
ドラマケーションの基本理念の中に「無理をしない」というものがあります。
もともとは、「やりたくないと思ったら無理せず見ていて、やりたくなったら入ればいい」という少し長いものでした。
学校等の教育関係の場合、もとの長いままでも良いのですが、企業等の研修になると話は違います。どちらにもマッチするように言葉を変更しました。


「無理をしない」とは

例えば
みんなでハイタッチしようと思った時に、左手を骨折している参加者がいたらみんなと同じように両手でハイタッチする必要はなく、自分のできる範囲、即ち右手だけでハイタッチすればよいだけのことです。
無理してみんなと同じように骨折している左手の痛みを我慢しながら両手でハイタッチする必要はありません。

「自分の身体の状態に合わせた参加の仕方をしよう」というのが1つ目。

演劇には、「観る・観られる」という関係があります。
どちらの役割も体験できるようにプログラムは作られていますが、心の状態から観られる側として参加することが困難であれば、観る側としてだけ参加するのもOKです。
もちろん観る側として参加していたけれど、途中から観られる側を体験してみるのもOKです。

「自分の心の状態に合わせた参加の仕方、居方をしよう」というのが2つ目。

ふりかえり(リフレクション)をする時に、観る側と観られる側の双方の意見が非常に重要なので観る側を選択したからといってそこに学びが全くないわけではありませんし、まったく何にも貢献していないわけではありません。


アクティブメニューのアドバンス or チェンジ

有効に活用するには、必要になる別のものがあります。

「チョイス」

チェンジした後に何を選択するのか。

チェンジで選択したものが同じような状況になったらまたチェンジする、また同じような状況になったらまたチェンジ…。
こういう状況ではアクティブメニューを紹介しに来た人になってしまいます。


アドバンス or チェンジは常に頭の片隅に置いてあるものですが、アクティブメニューの紹介者にならないためには一度全体を再確認することが重要です。

・全体の目的は何か?
・全体の目的に至るための今日の(今の)目的は何か?
・今日の(今の)目的に至るための道筋は?

そして以下のことを事前に考えておく、やっておくことで、選択肢を拡げてくれるので重要になります。
・ベースプログラムの構成
・アクティブメニューの研究



アクティブメニューは、ツールです。大事なのは使い方です。
チェンジしなくても、例えば「もしも全員が参加するにはどうすればよいと思うか?」や「やろうと思った人とやりたくないと思った人、その差はなんだろう?」や「面白くするためのアイディアをくれる?」等、その状況を題材にして問いかけることで集団が獲得できる学びは非常に大きいです。


アドバンス or チェンジ、続けるか替えるか、いずれにしても全体が見えているかが大事になります。

その一歩目は間違いなく、「まず参加者と向き合うこと」です。


追記4/22
コメントをいただいた部分について追記していきたいと思います。
アドバンス・チェンジ・エクステンドについてのこの記事での定義についてです。

Aというアクティブメニューを参加者に提示します。

Aのアクティブメニューを実施する、また引き続きAを続ける→アドバンス(展開する、続ける)

Aを提示したがやっぱりAではなく別のアクティブメニューを再度提示する→チェンジ(替える)
Aを実施したがふりかえりが可能なほど体験はせずに別のアクティブメニューを再度提示する→チェンジ(替える)


Aを実施しさらにその発展系、派生系として別のアクティブメニューを提示実施する→エクステンド(広げる、拡張する)
Aのアクティブメニューの次のステップに移る→エクステンド(広げる、拡張する)