ミエルカイは市民グループとしての機能とメディアとしての機能を兼ね備える団体として2019年6月にわずか3人でスタートし、2020年を迎えた。

拠点にしている三島市をはじめ、静岡県、静岡県内市町、他県や中央省庁への情報公開請求は100件を超えた。このうち、住民監査請求3件、審査請求(不服申立て)2件、陳情1件、住民訴訟1件、ヨチヨチ歩きの市民グループとしては、濃厚な1年になった。

1カ月に3本程度の出稿をと始めたブログは、情報公開請求で開示された多くの公文書を分析、明らかになった事実をブログに出稿しているうちに1月の中旬ごろからは、毎日出稿する体制に切り替えた。途中からはコロナウイルスの感染状況に関する速報もできうる限り伝えてきた。

記事については、調査報道に主眼を置き、新聞社など大手メディアの取材の網をすり抜けてきた事実を、ミエルカイが初めて報道したものも多く見受けられた。

新聞を読まない人が増え続けている。電子配信やSNSの普及で新聞を読まなくても情報は取れると判断している人も増えている。

メディアは、事実を伝えるという役割以外に、行政や議会のチェック機能を果たす役割も担っている。メディアも企業の側面もある。購読者が減少し、企業として減収となれば、取材を行う記者を配置することも難しくなる。手薄なエリアが出てくる。顔を覗かせるのが、メディア過疎と呼ばれる、取材が行き届かない、行政へのチェック機能が働かないエリアの存在だ。

このようなエリアで出される紙面は、自治体のイベントや発表者と呼ばれるジャンルが多い傾向になりがち。調査報道とは程遠い、あたかも自治体の広報誌の様な内容で行政のチェック機能が果たせているのか首を傾げることも多い。

ミエルカイは、今年以上に独自の視点を磨き、明らかになった事実のみを伝えていくことの努力を怠らないようにしていきたいと考えている。最後に、今年1年、取材にご協力いただいた多くの方々にこの場を借りて感謝申し上げたい。来年もよろしくお願いいたします。(Haru & W & masagon)