新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除が決まった。515日には川勝平太静岡県知事は会見をする予定だという。一方で、解除は手放しでは喜べない。東京都をはじめ継続が決まったところもまだまだある。解除と言っても、コロナウイルスが消滅したわけではない。むしろ、共存、共生というすら耳にすることが増えている。

自粛、クラスター、陽性、飛沫、社会的距離、咳エチケットなどなど、コロナウイルスにまつわる様々な言葉が登場してきた。その中でも、市民権を得たともいえるのが「三密」。「密閉、密集、密接」、この言葉は3月下旬ごろから登場してきた。

オンライン、テレワークが頻繁に聞かれるようになった。仕事だけではない。「オンライン診療」「オンライン飲み会」「オンラインお見合い」。オンラインなんとかが毎日誕生してきている。そんな中で、ミエルカイの読者から面白い話があった。

「案外やってみると楽しいもんだね」。笑顔を交えながら、こう話してくれるのは三島市に住む89歳の女性。毎年5月の大型連休には、東京から長男家族が遊びに来るのが楽しみというが、今年は誰も訪ねてこなかった。気落ちしていた女性に、近くに住む次男夫婦が持ち掛けたのが「オンライン帰省」ならぬ「オンライン・ファミリーミーティング」だった。最初こそ、画面上の向こうで何が起こるか、皆目見当のつかない様子だったが、映し出される映像を見ると、家族の顔があちこちにあった。10分程度の出来事だったが、思い思いに近況を話せた様子で、みんな満足気だったそうだ。「直に会うのがいいけれど、声が聞けてうれしいね」。連休が終わっても毎週日曜の夕方「オンライン・ファミリーミーティング」を続ける予定という。

ちなみに、先ほど登場した三密。実は、意味は全く違うが、密教の世界に古くからある言葉。身密(行動の教え)口密(言葉の教え)意密(こころの教え)を三密と言うのだそう。515日からの「新たな日常」。我々は新型コロナウイルスと、どう向き合った生活になるだろうか。まだまだ「新た」のつかない日常に戻るのは時間はかかりそうだ。(masagon