静岡県田方郡函南町丹那。外周約4キロのこの場所に丹那盆地が広がる。高い建物はなく、空は広く澄み渡り、夜になると星が街路灯の代わりにあたりを照らす。イノシシ、シカ、タヌキ、ウサギが道路の真ん中を闊歩する場に遭遇することもあるという。東京からわずか100キロ圏内にあるこの里山は、酪農を中心に農業(今の時期はホウレンソウが旬)のを基幹産業としながらも、東京都内に勤務するサラリーマンも生活する独特のコミュニティを作り上げている。移住者も多彩だ。静岡県下はもちろんのこと、東京都内、海外からの移住者もいるほど。

 もちろん、里山に問題がないわけではない。深刻な酪農家の後継者不足、少子高齢化の問題、公共交通機関の不足、最近ではメガソーラー建設の問題も浮上してきている。ミエルカイでは里山に生きる人々の今を不定期で連載します。今回は、地元の保護者が企画したノルディック教室の開催報告を寄稿していただきました。

 

 日頃、車で通りすぎて見落としている丹那盆地周辺の自然の素晴らしさを、子供たちと歩いて再発見していく中で、この森とどう共存していくのかということのヒントを見つけられたらいいなと思って企画した「こどもノルディック教室~僕たちのふる里を歩いてもっと知ろう~(仮)」。

 320日、空には雲一つない青空が広がりました。参加者15名の親子が丹那盆地を約2キロほど歩きました。最年少は3歳から40代半ばの大人が参加しました。丹那牛乳のおいしさの秘密や、小学校で行われていた牧場体験の話など、地元なのに知らなかったことがたくさん!丹那盆地に鮮魚店があったことも、歩いて初めて発見しました。

 今回、ふる里を歩く際にはノルディックウオーキングを交えてみました。北欧が発祥のノルディックウオーキングは2本のポールを使って、歩きます。全身の筋肉を使って、無理なく運動ができることもあって、年齢性別を問わず楽しめます。

 丹那盆地には信号がありません。信号に足を止めらえることもなく、360℃パノラマの景色の中、みんなで歩きながらおしゃべりをしていると、一気に心と心の距離が縮まるから不思議です。これもこの雄大な自然のマジックなのだと思います。

 オラッチェを出発して、丹那断層を回り、オラッチェまで約2時間。あっという間に時間が過ぎていました。オラッチェに戻り、ソフトクリームを頂きました。オラッチェのソフトクリームは、他のソフトクリームと比べて色が白くて、もったりとしている。それがオラッチェのソフトクリームの美味しさの秘密。

 今回は新型コロナウイルスの影響もあり、小規模での開催にとどめました。しかしながら今後は幼稚園や小学校の子供たちを中心に、地域の人達ともこの活動を継続していけたらいいなと思いました。丹那周辺に住む小さな子供から、ゆったりと時間を過ごしているシニアまで、世代を超えて一緒に集える機会を作ることで、日本の原風景に失われつつあるコミュニティの再構築に繋がってほしいと願いつつ…。

MT

 

(関連のHPもよかったらご覧ください)

酪農王国オラッチェHP https://oratche.com/

 

インス丹那 インスタグラム

https://www.instagram.com/tanna_project/