【桜一番はない】
なぜ「桜一番」とは言わず、「春一番」と言うのでしょうか?
風が先に来て、花はあとからひらく。
春は、まず風で始まるらしい。
桜は、自分の意思で咲くようでいて、
実は気温や風に、静かにほどかれていく。
固く閉じていた芯が、
少しずつゆるみ、
ある瞬間、ひらく。
人も同じで、
環境や出会い、言葉ひとつで、
自分でも気づかないうちに、何かがほどけていく。
――そのひとつが、名前かもしれません。
春一番といえば、キャンディーズ。
あの軽やかな歌とともに、
「はじまり」の気配を感じる人も多いでしょう。
また、春やすこ・春けいこ。
名前に「春」が入るだけで、
人はどこか前を向く。
はじめたい。
変わりたい。
一歩出てみたい。
その気持ちを、名前で先に名乗ってしまう。
さらに、「春」という字は、三人の日と書く。
私と、あなたと、もうひとり。
春は、ひとりで完結しない季節。
誰かが混ざり、関係が動き、
ざわめきが生まれる。
名前も同じで、
誰かに呼ばれた瞬間に、
ひとりのものではなくなる。
セカンドネームとは、
ただの呼び名ではなく、
関係を呼び込み、
人生をほどいていく
きっかけなのかもしれません。
名前は、偶然ではなく設計できる。
そしてときに、
風のように人を変えてしまう。
春一番
名の芯ほどけ
花ひらく
――あなたの名前にも、
春をひとつ、入れてみませんか?