消費者は「裏の理由」を解決してもらえばうれしいのです
さて、お客さまが美容室に来店して、雰囲気を変えたいと思うのはなぜなのでしょうか?
季節の変わり目だからかもしれません。
たまたま、昨日見ていた雑誌で気に入った髪形を発見したのかもしれません。
テレビ番組のタレントのスタイルが気に入ったのかもしれません。
彼氏の好みの髪形にしたいと思っているのかもしれません。
髪が伸びたら切りたい。この理由は当然ですね。
しかし、その奥の理由も必ずあります。
髪が伸びると、ヘアスタイルのまとまりが悪くなるのかもしれない。肩のところではねてしまうのかもしれない。
クセ毛で伸びてくると変にウエーブが出てきてしまうのかもしれない。ショートの場合は、耳にかかるお髪が気になるかもしれない。毎日のシャンプーブローに時間がかかってしまうことを解決したいのかもしれません。
白髪も目立ってくると染めたくなりますよね?なぜなのでしょうか?
染めることで若く見えるからかもしれません。
白髪混じりのヘアースタイルより、落ち着いたカラーで染めることで、上品に見えるからかもしれません。
毎月きちんと染めることで、歳をとってもオシャレに気(お金)を使っていると周囲の人に感じていただけるからかもしれません。
清潔感を感じていただけるからなのかもしれません。
反対に、染めないことで、「歳をしたら身なりを気にしなくなったわね、○○さん」と思われたくないのかもしれません。
ざっと思いつくだけ挙げてみてもこれだけの裏の理由が考えられます。
例えば、サロンで提案するときも、この隠された裏の理由を感じなければ、的外れの提案になってしまうでしょう。
クセ毛のウエーブが出て気になるから美容院に来たのに、そのことに触れずに、最新のヘアースタイルを提案したところで、納得はしないでしょう。
「今日はいかがいたしますか?春の新色キャンペーン中ですが新しいクリーミーカラーで、春らしい雰囲気に変身してみるのはいかがでしょうか?」って。
「そんなことよりも、私のこのクセを何とかしてもらいたいの。3センチほどカットしてもらえば落ち着くのに・・・。」
と心の中で思うわけです。
提案に乗ってそのスタイルにしてしまった場合は、美容院を出てから不満となって現れてきます。
そして、リピートに影響を与えてしまいます。
そのお客さまは、「ウエーブを何とかしてもらいたくて来ていること」が裏の理由なのです。
しかし表の理由は「髪が伸びたから」ということですから。
その時「裏の理由」を解決してもらえば、納得するし、うれしいのです。
それを解決した上で、カラーや、トリートメントの提案は快く受け入れるかもしれませんが、そのお客様にとっての最も重要課題のクセの問題が解決していなければ、どんな提案も、快く受け入れはしないでしょう。
いつまでたっても、その心情は後を引きます。
そして、不満に変わるのです。