芥川竜之介紀行文集 (岩波書店) その4 | ひろのブログ

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芥川竜之介紀行文集 (岩波書店) その4


芥川竜之介紀行文集 (岩波書店) その4となります。

にっこり


以下は、前回のブログ記事です。


芥川竜之介紀行文集 (岩波書店) その3

アメーバブログ記事より



芥川竜之介紀行文集 (岩波書店) その3 アメーバブログ記事 



芥川竜之介紀行文集 

岩波書店 ウェブサイトより、目次を紹介します。

目次

 松江印象記 7 (7)
 軍艦金剛航海記 14 (14) 
 京都日記 28 (8)
 槍ケ岳紀行 36 (9)
 長崎 45 (2)
 長崎小品 47 (8)
 長崎日録 54 (5)
 軽井沢日記 59 (3)
 軽井沢で 62 (7)

 上海游記 69 (70)
 江南游記 139 (101) ←今ココ
 長江游記 240 (15)
 北京日記抄 255 (21)
 雑信一束 271 (8)

注解(山田俊治) 279
中国関連地図 372
解説(山田俊治) 375
"

今回は、芥川竜之介氏の文章で気になった事について、少し記述致します。
凝視

一、接続詞 逆接について

逆接(ぎゃくせつ)とは? 
意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 
goo国語辞書 ウェブサイトより


芥川竜之介氏の文章で、接続詞の逆接が、
『…。が、…』の使用が多いですね。
にっこり

これは、芥川竜之介氏の癖なのか?
それとも、戦前の学校教育ではこのような接続詞を使用するのが普通だったのか?
謎です。

例文を少し掲載しておきます。
凝視

「江南游記」『四 杭州の一夜(中)』
(本書148〜151頁)より、引用します。
にっこり

1.この往来の両側には、明るい店店が並んでいる。が、人通りは疎らだから、…
2.大きい旅館が二、三軒ある。が、それもさっきの店店のように…
3.私はやっと安心した。が、忽ちまたがっかりした…
4.夏の季題ときまっている。が、今はまだ四月だから…

このように、『…。が、…』の使用が多いように見受けられますね。
にっこり

「だから何?」と言われても、返す言葉はありませんが…。
凝視驚き

次、いきます。

『…なぞ…』の謎…。
凝視驚き

芥川竜之介氏の文章には、この『…なぞ…』の多用が見受けられます。

それでは、使用例をいくつか上げてみたいと思います。

「江南游記」『四 杭州の一夜(中)』
(本書148〜151頁)
「江南游記」『五 杭州の一夜(下)』
(本書151〜154頁)より、引用します。
凝視

1.何時か道が狭くなった上に、樹木なぞも左右に茂っている。 (本書150頁) 

2.丁度ホテルの後の隅だから、坐った儘西湖を眺めるなぞと云う、 (本書152頁)

3.きっと五十銭には売れるぜなぞと、つまらない保証を与えていた。 (本書152頁)

4.殊に禿頭の先生なぞは、女の腰を抱いた儘、
(本書153頁)

以上となります。
凝視

この、『…なぞ…』の使用については、池波正太郎氏や平岩弓枝さんの小説でも多用されているのを知っています。
小生の記憶に間違いがなければ、谷崎潤一郎氏も使用しているかと思います。
芥川竜之介氏を含めた、この四名の文豪たちは、何れも江戸っ子ですので、江戸言葉なのか?と思った事もありますね。
にっこり

このことについて、以下の通り調べて見ました。
参考に掲載しておきます。
にっこり


「なぞ」と「なんぞ」の意味・機能:「など」との比較を求めて 
CiNii Research ウェブサイトより



「なぞ」と「なんぞ」の意味・機能:「など」との比較を求めて 

CiNii Research ウェブサイトより、少し引用します。

❝ すなわち、明治期と比べて、現代では、文章語は「など」へ、口頭語は「なんか」へ、という役割分担の方向に向かっている。 ❞

と言う事で、戦前の学校教育では、『…なぞ…』の使用は、普通に教育されていたと推定されます。
にっこり

何か少しスッキリしました。
ニコニコ愛飛び出すハート


今回はここまでです。
ニコニコ