先日の「風力発電による環境問題について」の講演会には、本当にたくさんの人が参加してくださっていました!講師の日本熊森協会会長室谷悠子さんは2時間半ずっと喋りっぱなし。詳しく分かりやすいお話しにずっとひきこまれてしまいました。お会いするのは、もちろん初めて。もっと年配のかただと思っていたのですが、お若いかたなのでびっくり!講演後、20年前に自著「森の中の海で」を会として100冊購入してくださったお礼を言おうと思ったのですが、何人もの方が室谷さんを取り囲んでおられたので出来ず。お礼が言えず申し訳なかったです。「森の中の海で」を描いてもう20年がすぎてることに改めてびっくりしました。この作品には熊はでてきません。なぜなら、我が家の近くには熊は出ないからなんです。出逢った動物を中心に描いた作品でした。我が家の庭で毒エサを食べて死にかけていた子だぬき。その子だぬきは、水をやろうとしたら拒否しました。少し離れた場所で、苦しむ子だぬきを心配そうに見つめる親だぬきの気配がしていました。「森の中の海で」は、ここから始まりました。

我が家の近所に居付いていた子ザルは、捕獲檻で捕まり処分されてしまうのですが、大阪から移住してきた僕には、害獣という言葉がまず驚きでした。猪はもちろんの事、タヌキやアナグマやうさぎまでが処分の対象になっており、人間と害獣とのバトルが畑や田んぼの周辺で繰り返されていました。「森の中の海で」の連載が始まったとき、そこの編集長からクレームをいただきました。「読者対象は子供です。子供相手に生とか死とかあまり描かないでほしい。そういう問題は子どもたちにはふさわしくない。森の中で、みんなが一緒に愉しく明るく暮らしているという作品にしてください」。冗談じゃあない、そんなマンガなんか描けるかと無視。さいわい、読者からの強い支持と若い編集者さんたちからの支持があり、描きたいように描き進める事ができました。

森で何がおこっているのか。新たに風力発電問題やソーラーパネル問題が起こり、森の破壊はますます深刻になっています。

わたしたち人間が生きることとはなにかが問われています。

これは田舎だけの問題ではありません。

わたしたちは、一部の金儲けに走る人達に日本という国を、わたしたち人間の心を、これ以上破壊されたくはありません。子どもたちにもわかる言葉で、森の大切さを語り続けていかねばなりません。そう想い、帰ってきた昨日の講演会でした。

 

なお、「森の中の海で」の作品は、僕の作品をいくつかアップしているテーマというコーナーに無料でアップしています。

読んでくださったかたからコメントをいただきました↓

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「森の中の海で」拝読致しました(^^)

さいわいさんのこの作品をどこかで読みたいと思っていたので、アップして下さりありがとうございます
人間の所業に依ってもたらされる数々の事象、自然破壊等、腹を立てながら、時には涙しながら読ませて頂きました。人間の傲慢さを描きつつもその人間を許して行こうとする動物達の健気さ…胸に詰まるものがあります。
希望的な終わり方にとても良い感触を受けました。良書と言うのはこう言う作品だと思います。
広く、子ども達やいえ大人たちこそこう言った作品に触れて欲しいと節に望みます。(^^)

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なんとかどこかから再出版にならんかなあと想い続けています(涙)