閑話休題。

少し時は遡って、2020年の2月24日。


Dの純情vol.6が開催された2日後。この日、僕はなつきと西九条ブランニューさんにいました。この日GourDoolsさん(現在は解散)、GOURTRIBEさん(現在は解散)の解散ライブが行われ、それを見届けに行った時のお話。


何度も話していますが、僕がこの世界に来たきっかけは、Re:birthというグループがいたことが始まりでした。いくつかの変遷を経て、最後の活動をこのグループ(TRIBEさんだったかな)で終えることとなったかつてのメンバー、ちはるさん(現在は引退)の有終の美を見るために会場に足を運びました。


ちぃさんはRe:birthと袂を分かった後、STARS(現在は解散?か休止?)で清水久美子さんと共に活動された後、時々ソロでライブに出演されたりもしていて、僕も見に行ったりはしていました。もう時効だから話しますが、リバ解散はちぃさんの脱退がきっかけによるところもあり、メンバーだったなつみちゃん、紀美ちゃん(共に現在は引退)とは絶縁に近い状態だったかと思います。リバファンの総称、彩星隊として1番最後の方にファンになったであろう僕は、気持ち的には最後の彩星隊として、そしてDONDOLIとして活動を再開してからは当時のファンが離れていってしまった2人の活動を、なつみちゃん脱退、紀美ちゃんソロ時代、新しく加入した本間有実(みんみん、現在は引退)さんとのDONDOLI解散までを憚りながら中心となって応援してきた身としては、複雑な思いもありながら、一方でちぃさんのこともやはりどこかで心配しながら、忘れられずにいました。一時は恨みもしました、悲しい気持ちにもなりました。でも、今なら分かります。アイドルグループが日々の活動の中で形を守り続けていくことがどれほど複雑で難しいものなのか。どれだけのものを犠牲にして、華やかな舞台に笑顔で立ち続けているのか。そのわずかでも気持ちが理解できたり、裏方に回れば見えてくるものは決して夢や美しいものばかりではないことが。否定的な意味ではなく、努力が実をつけ、花が咲くにはどれだけ大変なものかを。


DONDOLI解散ライブ、その時点でまだわだかまりや、正論では片づけられない複雑で壊れかけの関係のまま、あの日、ちぃさんとなつみちゃんを紀美ちゃんのラストライブに招き入れた手筈をとったのは、僕です。その時も波紋や、否定的な声もたくさんありました。でも、紀美ちゃんのラストをどうしても見たいと言った2人の気持ちを僕はやっぱり尊重してあげたかった。


この日のライブには、逆にちぃさんのラストを見届けるために紀美ちゃんとなつみちゃんが会場入りしていました。Re:birth3人が久しぶりに揃ったことで会場は色めき立っていました。


DONDOLI解散の際には、ほとんど僕は最愛の推しだったなつみちゃんとは話せませんでした。そっとしておくべきだと思えたからです。


この日、久しぶりに僕はなつみちゃんと会話を交わす機会がありました。今、さきしまコスモタワーでイベントを引き継ぎ、イベンターになったこと。今でもあの頃のことを大切に想っていること。そして僕が話してきたDONDOLIとのことやその楽曲で彼女らを知り、好きになり、今、あの場所で活動してくれているなつきというアイドルがいるということ。


今も手元にあるなつきと、紀美ちゃん、なつみちゃんが一緒に写った写真は僕の宝物です。なつきがRe:birthに、DONDOLIに触れたこの日のことを僕は忘れないでしょう。


そして、この日が3人のRe:birthと僕が会った最後の日になりました。僕は今もあの場所でイベントを開いています。そのかけがえのない時間ももうすぐ終わろうとしています。


(色々と思い出すものですね、続きます)

Goldeeでの次のイベントとして、ハロウィンに合わせたライブの企画が進んでいました。この頃、その裏では社会情勢や、繰り返す緊急事態宣言等規制の合間を縫うように、水面下でさきしまコスモタワー再開の根回しに奔走していました。


先にも述べたように、ライブハウスやライブ自体が悪とされ、疫病を撒き散らす諸悪の象徴のように扱われていた頃でした。そして、会場のさきしまコスモタワーは大阪府の庁舎、公の場所としてコロナをその悪名高きライブイベントで出すわけにはいかない。許可が出る、やっぱりダメ、条件が出る、やっぱり無理、そんな繰り返しの交渉。情報解禁までギリギリの調整が必要でした。


そして、満を持して開催が決まりました。念願のさきしま復活。なつきと志織の生誕中止という大きな挫折から半年もの月日が流れていました。


その時のイベントの名は、「Dの純情vol.8 sakishima rebirth」。僕をこの場所に連れて来てくれた最初の推しの名前を、サブタイトルに付記しました。帰って来たぞ、と、万感の思いを込めて、ようやく約束の場所に戻るのだ、と。強い気持ちで、Dの純情はさきしまコスモタワーに帰還すると決めたのでした。


まぁここからも実際の開催までにはあーでもないこうでもないと紆余曲折あるのですが、ともかく2020年11月14日、Dの純情はさきしまコスモタワーでの開催に再度望むことになりました。この時の告知を出した時のファンの皆さんの温かい言葉を今も忘れられません。


(その前にハロウィンライブをやらなくちゃ、続きます)



真夏のDメンションは、色んな意味でしんどいイベントになりました。一緒に二人三脚でやってきたD君の離脱、イベント自体の赤字、メンタルぼろぼろな状態で取り組んだ苦い思い出。兎にも角にも未だに思い出すトラウマになりました。


僕自身は何も変わっていないつもりでしたが、僕の変節やだらしなさを、そばで見てくれていたD君には失望や裏切り、そんなふうに思われてしまったのかも知れません。今から考えれば僕の脇が甘かったことや、誰にでもいい顔をしようとする八方美人な部分が色濃く出てしまっていたのだと思います。


D君とは、たまに連絡を取り合ったり、それから先も疎遠になるとまでいかないくらいの頻度でやり取りをしています。確かこの頃、海外勤務になる予定なども聞いていて、遠慮がちになったこともありますが、また会いたいなと今は思っています。大切な仲間です。


そんなこの頃、次のライブとして決まっていたのもコラボイベントでした。堀江Goldeeさんと僕との連名によるイベント、『GoldeeでLiveしようぜ!」が2020年8月30日に開催されました。


タイトルからも見えてくるように、Goldeeさんに限らず、ライブハウスさんが1番しんどい時期だったかと思います。ライブハウスを使ってほしい、遊びに来てほしい、存続できるか否かそんなギリギリの努力と我慢がエンタメを支えているそんな時期でした。


出演は、秋月萌里さん(現在は引退)、Magic Timeさん、MaleeNaさん、鐘村のえるさん、柊ゆうさん、神凪涙羽さん、ビジネス妖精!あーみーちゃん(現ミルキー妖精!あーみーちゃん)さん、Good knight** さんが出演して下さいました。


このイベントを機に、僕は住んでるんか?くらいの勢いでGoldeeさんに顔を出したり、公私共にイベントのみならずお世話になっていくことになります。


堀江Goldeeさんは、DONDOLIの前身であったRe:birthが解散ライブを行った思い出の場所です。なんか不思議な感覚でした。僕にとっては雲の上の存在であるオーナーの里見さんと親しくお話ができるようになったのもこの頃だったと思います。まさかその後、曲を書いてもらうとか想像だにしなかったです。


(水面下で色々動きながら、の続きます)



2020年7月5日。

当時、新興勢力?として勢いのあったイベント、推しメンションさんとの共催イベントとして、初めてのコラボイベントが、西天満MOERADOさんで開催されることとなりました。双方が、よくイベントに出演されていた、又は繋がりのある演者様をそれぞれブッキングし、コロナ禍に負けないスペシャルなイベントを作ろうと企画されたこのイベントは、お互いのイベント名から「Dの純情×推しメンション 真夏のDメンション」とつけられました。


出演者はBBzzzさん、原頭はるみさん(現、とわるの原頭はるみさん)柊ゆうさん、わんだーらんどさん(現、帝都薫風の城山碧さん)、地獄のみきちゃん(現在は引退)、CharMさん(なつきとしずくの姉妹ユニット)、にっぽんワチャチャさんが出演されました。


とにかく、直前までバタバタした記憶しかないくらい、当日しっちゃかめっちゃかだった思い出があります。やはり、コミュニケーションって大事なんだな、と思わずにはいられなかった笑。推しメンションの運営前田さんのみならず、前田さんのブッキングした演者様とも、共催であるからには密にコミュニケーションが大事だったな、と。今から思えば反省仕切りなイベントでした。


この頃にはコロナも第2波?だなんだとまたぞろイベント制作に支障が出てきた頃、シッティングで両部入れ替え性、とにかく人手が足りなかった。確かこの頃には運営仲間のDくんとも少しずつ距離が生まれ始めていました。彼には彼の考え方があって、正しいと思う道筋や理想とした形にならない歯痒さ、何よりも初志から僕が外れてきているように、Dくんから見て僕は道を間違えてきつつあるのではないか、そう思えていたそうです。和歌山在住だった彼が、他府県への移動に制限がかけられる中で自らがコロナを媒介する危険性を危惧して、ということもありました。むーさんは僕と活動を共にしてくれていましたが、明らかにDくんと僕には溝が出来つつあったし、彼からDの純情を卒業したい、そんな話が具体化してきたのもこの頃でした(話自体は春先から相談を受けてはいました)。引き留めももちろんしました。DONDOLI活動時から二人三脚で、卒業からもずっと一緒にDの純情を作ってきた仲間です。コラボイベントといういつもと勝手が違う中、僕の心は乱れていました。


今だから言いますが(もう時効だよね)、僕はこの5年間でイベント制作において、1回を除いて、赤字を出したことがありません。その唯一の赤字イベントがこのイベントでした笑。たとえ1円だろうと黒字にしてきた中で、ただの1回、このコラボイベントだけが、汚点なんてことは言いません。ただ今だに悔しかったなぁって思い返されます。イベント自体はめっちゃ楽しかったのですがね。


(夏にマスクは最悪でしたよね、続きます)




2024年5月26日の主催ライブを終えましたので、また今日からぼちぼち備忘録を再開していきます(待っててくれる人がいるのかは疑問ですが笑)。


2回目の配信ライブ、dの純情 #2は、2020年6月26日に開催されました。出演はMagic Timeさん、ATSUKIさん、福田りんさん、柊ゆうさんの4組による配信ライブでした。そういやMaleeNaさんがいませんね、何でお休みだったかは忘れました笑。


配信メインでしたが、実験的にお客様を入れてのソーシャルディスタンスライブ。少人数の有人ライブでしたが、一旦緊急事態宣言が明けて、どこも手探りでライブ環境を模索していた時期ではないでしょうか?たぶんこの時は限定15席くらいで設定したような気がします。


しかし、お客様を入れてライブができる、ということ自体に喜びを感じないわけにはいかないライブでしたね。配信を完全に否定するわけではないですが、やはり観客があってこそライブだということ。この頃、よくお笑いのライブ、それこそ1000人規模の劇場などで、無観客配信ライブ、それも記念ライブなど節目のライブを配信で売り出すなどありましたが、観客からの反応がダイレクトにもらえないライブに、果たして達成感は見出せたのか、それこそ笑い声という分かりやすい反応がもらえない中で芸人さん達は手応えを実感できぬままプロの矜持を見せる、それがどれほどエンタメ心を消耗させ、傷つけたか。アイドルの世界も同じ。下世話なことかも知れませんが、「かわいい」と直接言ってはもらえないビジュアル、感動すら与えるパフォーマンスや場面場面のエモさ、生であるからこそのライブ感に、もはや時差と言ってもいいであろう配信の無機質さ、リアクションがないことがもたらす不安はどれほどのものだったか。


ライブハウスが諸悪のように連日報道されていたあの頃。たまたまコロナのクラスターが初めて確認されたのが大阪のライブハウスでしたよね。ライブハウスに出入りする者は関係者のみならずお客様に至るまで、悪とされていました。得体の知れないどす黒いものに飲み込まれていくような気持ち悪さがありました。はっきり言ってしまえば異常でしたね、あの頃の日本が。


出演者さんも、ライブができるそのわずかなチャンスに日々賭けていたかと思います。それくらい我々は生活の基盤を奪われ、生きる糧を奪われ、表現の自由を奪われ、またその能力や才能を奪われつつありました。


(明るい兆しがまだ見えないまま、続きます)