楽しいお正月も終わり、明日は娘達の始業式。


そろそろ、伝えなきゃね…。


ここ何日も、娘達に伝える言葉を考えては涙がでた。


申し訳なくて。


ただでさえ長男の世話や家事で頼りまくってる。


その上、母が病気でしかもがんなんて…。


娘達は受け止めきれるだろうか。



迷いながら私は口を開いた。


『あのさ、前にママ病院行ったでしょう。んで検査してもらったら、あんまりいい結果じゃなかったんだよね~。
…あのさ、がん、だったんだわ』





『………、知ってるよ、ママ』



『…は?』




娘達は、知ってた。


12月28日、私は旦那も仕事に戻ったんだと思ってた。


けど旦那は仕事に戻らず自宅に帰り、娘達に話したらしい。


『ママ、ショック受けてるだろうから、病院どうだった?なんて聞かないで普通にしよう。ママから話してくるまで待とう。』


そんな話をしながら、長女も次女も泣いたって。


けど、私が仕事から帰った時、2人ともそんな素振り全然見せなかった。


こんな大変な事をちゃんと受けとめて、自分たちの中で消化して、その上私に気遣ってくれていたんだね。


これからしばらく面倒をかけて申し訳ないと思っている事、病気を治す為に頑張る事を伝えると、真剣に聞いていた長女が笑顔で言った。


『ねぇママ、乗り越えられる困難しか神様って与えないらしいよ。だから大丈夫‼︎』


お正月中やっていた、再放送のドラマの台詞を長女は覚えていたらしい。

確かあのドラマにも乳がんになる人が出ていた。



どんな気持ちで見てたんだろう。



いろんな思いが頭の中を駆け巡ったけど、この言葉は何より私の心に響いた。



この子らの為に、絶対乳がんを克服する。



















我が家には3人の子供がいる。


長女、当時小学5年生
次女、当時小学3年生
長男、当時2歳


ここ何日かの私の心の不安定を、長女は敏感に感じ取っている。

次女はとても心配性で泣き虫。

こんな2人に病気の事を何と説明していいか分からないまま家路についた。

旦那の車があったから、もう旦那の口から聞いてるかも…。


と思って家に入ったら、子供らは………フツー。
いつもと全く変わらない。

ああ、言ってないのね。

そこで私は決めた。

お正月が過ぎるまで、言わない。

もしかして…。もしかして来年のお正月はみんなですごす事が出来ないかもしれないから…。


最後かもしれない、みんな揃ってのお正月は、笑って過ごそう。



















旦那にごめんね、とつぶやいて職場に戻る。


戻る途中、娘がやっているバレーボールの親の会のみんなにメール。
みんな凄く心配してくれていたから。


『件名 : ごめんなさい
    本文 : 癌だった』


速攻で会長から電話。
出た瞬間から泣いてるのがわかった。

お互いしばらく泣きながら話し、詳しい事は年明け落ち着いたらね、と電話を切った。

他のみんなからもぞくぞくメールが届く。

戸惑いのメール。
励ましのメール。

全部心に響いて涙が止まらない。
でも仕事に戻らなきゃ。
無理やり涙を引っ込めて職場に向かう。



当時私がしていた仕事はヤクルトレディ。
しかも働き始めてまだ1ヶ月たってなかった。
マネージャーに報告しながら、今度は情けなくて涙が出た。
そんな私をマネージャーが力いっぱい抱きしめてくれた。

『大丈夫だから!絶対大丈夫‼︎』

残っていた職場の仲間たちも、まだ一緒に働き始めて間もない私を気遣ってくれた。

まわりの優しさでなんとか気持ちが落ち着いた頃、また一つの不安。



子供達に、なんて伝えよう…。