私の記憶が薄れる前に、
私が辞めてしまう前に、
尊敬と供養を込めて1人ずつ記していこうと思う。
その人は、とてもお洒落でジョークが通じる人だった。
豹柄のお召し物を着ていたり
杖に綺麗な赤をワンポイントで選んでたり
鞄をちょこちょこ変えたりしていた。
お会いするときはいつも、はりきって
朝早く起きてメイクして、支度して。
また珍しくお嫁さんと仲良しで、
お揃いのローズクウォーツのブレスレットをつけていた。
とても社交的で質問したら
なんでも教えてくれたし、
逆に色々聞いてくれた。
珍しく、私が写真に一緒に写り込んだ人でもある。
ご病気の関係で
思うように歩けない時はとても辛そうで悔しそうで、
でもそれだけに
歩きやすくなるアドバイスを貰って
歩けるようになった時は凄く嬉しそうだった。
1つ残念なのは
師範である程の腕枕なのに
一度も筆の御手前がみれなかったこと。
いつもは絶対1人で入浴しないのに、
冬の寒いお風呂で亡くなったのは
女性として最後まで綺麗な状態で
居たかったからなのかなと私は思う。
半年くらいの数少ない想い出を胸に、
彼女のマダム笑いを思い出しながら、
深く追悼の念をここに記す。