拙著『日本に自衛隊がいてよかった』に挟んであるハガキが、予想をはるかに超える勢いで編集部に寄せられているということで、見せてもらいました。



「息子の家族が自衛隊に助けて頂きました(石巻で)。

息子が孫と会えない4日間、毎晩、一緒に泣いてくれたそうです。」




という1枚に、胸が詰まりました。まだまだ、知られざるドラマがたくさんあるのですね・・・。




「日本に自衛隊がいてよかった」と、この本を生んだ夕刊フジの「誰かのために」というタイトルを気に入って頂いた方も多かったようです。これらを付けてくれた両編集者との出会いにも感謝するばかりです。




さて、そんな中、野暮な話で恐縮ですが、やはり書いておかなくては気がすみません。




国家公務員の給与を2年間、平均7.8%削減する臨時特例法案が29日に参議院本会議で可決成立する見通しとなりました。




さすがに自衛官に関しては、今回の災害派遣などもあり、一応、「適用除外期間」が設けられるようですが、これに対しては配慮が足りないということで、自民党からの修正案で落ち着く模様です。これも詳しくはまた追ってどこかに書きたいと思います。





まず、そもそも自衛官が「国家公務員」であることをご存じない方も多いかもしれません。だから、今回の法案についても、「え?自衛官も入ってるの??」と後で知って驚く、なんてケースも少なくないでしょう。




「気付かない」と言えば、例えば東北の自衛官たちは自分たちも被災しています。家族や、家や車を失った隊員さんもたくさんいるのです。




それでも給与削減です。被災者のために全力を尽くした人たちに対して、あんまりの仕打ちではないですか?




本人たちは「国のためだから」「復興の役に立つなら」と黙って受け入れるでしょう。組合もありませんし、文句を言う術もありませんから・・・。




しかし、家計を預かる奥さんの苦悩や子供の教育・・・などなど、生活費に変化が及ぶことによって今は見えないかもしれませんが、様々な問題が発生する可能性が考えられます。





派遣で現場に行った人、そうでない人・・・色々な立場での悩みが出始めているこの時期は、本来、今後のためにもとても大事な時なのではないかと思うのですが、そのタイミングにこうした追い討ちをかけるというのは、あまりにも配慮に欠ける気がしてなりません。



個人個人は耐えるかもしれませんが、組織の力を削いでしまいかねないのです。




「メンタルヘルスが大事だ」などと言われますが、本当に気遣わねばならないのは、何かがあった「その時」だけではなく、「その後」ずっとつづく日常なのではないでしょうか・・・。




声の大きい人は損をしないけど、黙って我慢する人のことは誰も考えない。所詮は人ごと、そんな日本人が「絆」だとか何か言っていても、どこか虚しい気がします。




ご案内が遅れましたが、JBプレス「国防」コラムに「三菱電機の『過大請求』事件が浮き彫りにしたもの」が2月22日に掲載されました。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34579 声なき声について、ぜひ考えて頂ければ幸いです。