平成24年の幕開けです。当ブログを読んで下さる皆さまにとって、幸多き1年となりますことを心より祈念いたします。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



さて、昨年末には、FXの決定、南スーダンPKO派遣、武器輸出3原則の緩和、沖縄の環境影響評価書問題・・・と、防衛省・自衛隊をめぐるニュースが一挙に押し寄せ、本来は休戦期間だったのですが、報道する側も対応する方々も慌しい年の瀬となりました。



武器輸出3原則については、いつもの「日本ビジネスプレス(JBプレス)」に拙稿が掲載されております。ひとまず、一歩前進というところでしょうか。



しかしながら、私はとても今「おめでとうございます」という言葉が口にできない心境です。24年度の防衛予算は、前年度比1.3%減の4兆7138億円と10年連続の減少だったからです。微力ながら予算増を訴えてきたわけですが、全く効果がなかった結果となりました。



中でも陸上自衛隊が、福島原発対処のためのわずかな人員増も認められず、全体的に厳しい査定となっていることは残念でなりません。




東日本大震災の復旧・復興関連を含めば前年比増だとも言われますが、それはそれ、これはこれでしょう。




いえ、私は別に、陸自がいじめられているから助けたい、なんてわけじゃないんです。人事、調達、様々な点でこれまで完璧だったとは言えないですし、失敗を認められないがために改善されない問題があるのなら、修正すべき面もあると思います。




でも、だからと言って、過度な削減やあるいは拡大の芽も摘んでしまうような政策は、将来に大きな禍根を残すこと明白です。




あと数年間は気付かないかもしれませんが、じわじわとボディブローのように効いてきた時にハッと青くなっても、もう遅いのです。




それから、概算要求の資料に存在した「研究開発」モノの装備品、FH70の後継である火力戦闘車についての記述、予算決定後の資料をみると幽霊のように消えてしまっています。



これって、なくなったってことですよね??



再三、申し上げていますが、予算もつかないのに常識的には企業はそこに人を充てるわけにはいきません。




国の防衛は、戦闘機やミサイルといったものだけで成立するものではありません。短期戦であれば、必ずしも国産にこだわる必要はないかもしれませんが、長期戦となる陸上戦力に関しては、国内基盤は肝になるはず。



とにかく、新年早々、今後の日本が心配でなりません。



そんな中、私が夜勤に入っていた先日の早朝、毎日新聞朝刊を読んで、眠い目も覚めるような記事を見つけました。今をときめく勝間和代さんの「クロストーク」というコーナーです。



勝間さんは言います、

「日本の安全保障についての議論が国内であまりにも不足しているのではないかというのが私の危機感です。」




さらに、

「私はいまの国家の安全保障について、関心も、予算も、そして対策も不十分であり、今後、国民の議論を踏まえて、関心は数倍から数十倍に、予算は数十%増しへの強化が必要だと考えています。」

との見解が述べられており、大変心強く嬉しい限りでした。



とにかく、海空重視だからと言って、陸の分を剥がして他に充てる方策には賛同しかねます。「ない袖は振れない」とは言われますが、それをすれば常に悪しき前例を作り続け、「このパイの内でやっていけるんだね」と理解されることになるでしょう。



影響力のある人に分かってもらうことは意義深いと痛感します。

そして私自身も、もう少し頑張って発信したいと思います!




桜林美佐の新・国防日記
今、出ている「夕刊フジ」新春特別号に記事を書いています。

前髪を自分でカットしたため、ちょっとヘン(笑)