(備前焼肩衝徳利 サカキ・スプレー菊)
備前焼の肩衝徳利を花入に見立て、紅葉したサカキ(榊)とスプレー菊を入れてみました。
小さな黒い実をつけている木が目に留まり「Google レンズで画像を検索」で調べたところ、サカキと分かりました。
神棚でお馴染みのサカキですが、年中青々としているものと思っていましたが紅葉するのですね。
(備前焼肩衝徳利 火表)
花入に使用した徳利は、徳利としては大ぶりサイズで 高さ17cm 幅10cm 。
穴窯で焼成し、薪材は杉と檜を用いました。
薪窯の焼成は一般的には松が使われますが、松灰とは異なる風情が醸し出されまた違った味わいがあります。
(備前焼肩衝徳利 火裏)
火裏には "抜け” (灰色の部分)が見られます。
抜けは、窯の中で灰や炎が掛からない場所があることで生まれます。
地の色がそのまま残り、それもまた味わいの一つとなります。
生焼けっぽく見えますが、1000℃を超える窯の中で数日間焼成していますのでしっかり焼き締まっています。
抜けのほかにコゲ、玉だれ、緋色(火色)、自然釉の貫入も見所と言えます。
ただし、貫入は備前焼では比較的好まれず、土の味わいがそのまま手肌に感じられる "土味" に重きを置きます。
(備前焼肩衝徳利 サカキ・スプレー菊)
最後に、スプレー菊を3本にして生けてみました。
淡いピンクの蕾が楚々として愛らしいですね。
(写真)備前焼肩衝徳利 サカキ・スプレー菊 2023年12月22日撮影