琵琶湖畔 小景 (滋賀県大津市) | 高橋みさ子のブログ

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趣味のウォーキングを通して出逢った町や自然を
写真とともに楽しくご紹介しています。宜しくお願いします。

タマのたまたまブログ気分-大津プリンスホテル

先日、大津の琵琶湖畔をウォーキングした折りに、心に残った小風景を三点ほどご紹介させて頂きます。

高校卒業まで滋賀で過ごしましたが、滋賀については何も知らないままでした。
大人になってこの地を再訪して、琵琶湖のあわあわとした美しさや、比良山の猛々しい魅力に気づきました。

滋賀を歩くということは、わが故郷を再認識するものでもあります。

さて、最初の写真は、大津のランドマークとしてもすっかりお馴染み、大津プリンスホテルです。
由美浜のサンシャインビーチから写しました。

背後に見える山は比叡山(848m)
比叡山は京都からもよく見えますが、大津から見ると山容も異なり、別の山のように見えます。

砂浜にはヒルザキツキミソウ(昼咲き月見草)が真昼の強い日差しを浴びて、力強く咲き乱れていました。

タマのたまたまブログ気分-常夜燈

二枚目は、打出浜(うちではま)の「石場(いしば)の常夜灯」です。

湖上からも灯りがよく見えるように常夜灯としてはかなり大型(高さ8.4m)のものです。

写真は北方向を写したものです。
琵琶湖の奥にうっすらと見える山影は比良山。

江戸時代には、この打出浜と琵琶湖東岸の矢橋(やばせ)(現 滋賀県草津市)との間を渡し船が往来していたそうです。

この湖上ルートは東海道ルートの近道で、琵琶湖の南岸をぐるっと遠回りしなくてもよかったので、矢橋は多くの旅人で賑わったそうです。

タマのたまたまブログ気分-矢橋帰帆

大津の打出浜から矢橋の入り江に渡し船が帰ってくる情景は「矢橋帰帆」(やばせのきはん)として近江八景の一つにも数えられ、広重の浮世絵にも描かれています。

それにしても、この保永堂・永久堂版の広重の構図の取り方は実に見事で、色調も黄昏のうら寂しい感じがよく表れているように思います。

画面の奥は比叡山です。
夕焼けに染まる西の空と、闇が追い迫る湖上の情景とが、対比的な色調で印象的に描かれています。

現在は入り江に人工島の矢橋帰帆島が築かれ、景観は一変しているそうです。

タマのたまたまブログ気分-柳が崎ヨットハーバー

最後にご紹介するのは、滋賀県立柳が崎(やながさき)ヨットハーバーの 旧 管理棟です。
老朽化が進み、現在は物置程度にしか利用されていない様です。

竣工年など詳しいことは全く分かりませんが、古めかしくもどこかモダンな印象を受けます。

外壁に露出した配管やシンメトリックな構造が特徴的で、レトロフューチャーな味わいも感じます。

両翼のように広がったバルコニーの重みで重心が左右に二つあるような、どことなく不安定な印象を受けますが、それもまたこの建物を印象づけるものなのかも知れません。

昭和40年代、もしくはそれ前後に建てられたのでしょうが、この時代のものは探せば他にも色々と面白い構造物があるように思います。

しかし、築半世紀近くが経過し、老朽化や耐震性の問題などで立て替えもどんどん進んでいます。

この年代に建てられた未来志向のユニーク建築が街中から姿を消していくのは、一人のレトロフューチャ-建築ファンとしても残念に思います。

(写真)2013.5.25 撮影


(C)Misako Takahashi 2013