大恩あるS看護師長さん…
正確に言えば私には、元上司である。
PikоがN病院を退職しても、何らかの交流はあった。
保育園も同じ、ママ友同士だった。
(当時は、ママ友なんて言葉は無かったな)
勤務中に倒れたという連絡。
何故❓何があったの❗
解らないけど予測は付く。
緊急事態で、看護師長たちが召集される。
ただならぬ状況なのだろう。
でも…Pikоには何も出来ないのである。
まだCORONA禍で面会すらも厳しい制限があった。
あくまでも、部外者なのである。
容態すらも聞くことは不可能。
Fちゃんを無事に送り届けられたんだから
良しとしようかな。
自動ドアの開閉はあるが、
Pikоは入館出来ない。
見えない壁が気持ちを押しつぶす。
タクシーのロータリーㇸ向かうが、
空車は無い。
S.RIDEか、タクシーGOを使うかな。
すると、
「Sちゃんママ〜❗」
大音量で呼び止められた。
Sちゃんというのは、私の息子のこと。
同じ保育園と小学校で一緒だった。
「М美ちゃん❓」
S看護師長の長女、М美ちゃんであった。
「Sちゃんママ、どうして
帰っちゃうの。」
いや…私は患者でもないし、
S看護師長の身内でもない、部外者。
М美ちゃんは、病院から出てきたのか❓
これから入るのか、どっちだろう。
「さっきね、
F看護師長さんとすれ違ったの。
ここまで、Sちゃんママと一緒だっ たって。
いろんな看護師長さんや
主任さんもいたし、
事務長のT田さんも…
ママ…まだ話しは出来ないけど
目は開けてた。
笑わないけど…
笑えないんだろうけど、
私の顔見て、笑って…笑って…
涙がて……
うわぁ〜ん😫」
張り詰めた想いが、弾けたのだろう。
М美ちゃんは、しばらくは泣いていた。
Pikоも……声は出さないが
涙が止まらなかった。
そして……
何だかよく解らないけど
窮地は脱しているのだな…