快気祝いをしていた。
彼女の好物の油淋鶏など、中華料理に入ったものの
ラストのスイーツ…フルーツたっぷり杏仁豆腐が
運ばれた頃、
2人のスマホにそれぞれ緊急連絡が入った。
Fちゃんには現在も同僚で、先輩看護師長でもある
S看護師長。
私にとっては元上司。
O看護師長からの緊急連絡で、
S看護師長さんが、勤務中に倒れたことを知る。
(O看護師長もPikоの元上司)
Fちゃん…スマホ片手にフリーズしている。
Pikо
何やってんの❗ 返信したの❓
Fちゃん、沈黙している。
言葉も出ない、混乱しているのだろう。
状況がまだ読めない。
S看護師長さんが倒れたの理由は…
まだ解らない
でも、これだけ管理職の方々が緊急で動く。
ただならぬ状況であることは想像がつく。
N病院に行く❓
Fちゃん、まだ黙ってる。
スプーンで、杏仁豆腐の入った器の端を
キンキン叩く。
我に返ったのかFちゃん…
いきなり、杏仁豆腐をかっ込んで咽る。
もう、デザートも来てメニューも終わりだった。
最後のホットコーヒーの代わりに
温かい茉莉花茶を頂き、店をあとにする。
FちゃんもPikоも、店の中では落ち着かなかったから。
Pikо
『で、これからN病院行くの❓
でも、先ずはO看護師長に
連絡だね。』
Fちゃん、ラインでやり取りしていたが、
Fちゃん
取り敢えず、N病院に行ってみます。
明日は、日勤だったけど、
他の看護師長さんたちと協議して
……
今日は、日勤のO看護師長が
通しで管理当直に入るって。
突発的な理由で急きょ、夜勤に入ったりと
変動はよくある。
でも、管理当直の代行は簡単には出来ない。
看護師長さんたち、看護主任さんたちで
やり繰りしなければならない。
N病院に行くと決めたFちゃんだが、
調子が悪そうだ。
ランチは、フツーに食べていたけど、案の定、
最寄駅N駅まで付き添うも駅に着いた途端、
Fちゃん、嘔吐した。
術後で、まだ本調子ではないのかもしれない。
Fちゃんが落ち着くまで待ち、
結局、PikоがタクシーでN病院まで付き添った。
懐かしさなど感じでいる余裕など無い。
病院に着く直前にFちゃん、突然、シャキッ❗
「Pikо先輩、ゴメンナサイ。
お陰で落ち着きました。
私は大丈夫です。
あ、K看護主任さん…」
実は、タクシー乗車中に
Fちゃんと私がN病院に向かってることを
O看護師長にラインで知らせていた。
このため、K看護主任さんが入り口で
待っていてくれたのです。
私は、N病院の中には入らず、
帰ることにした。
患者さんの出入口は、サーモグラフィーのパネル、
消毒器などが置かれてる。
このときはまだ、コロナ禍で
入館も厳密に管理されていた。
私はあくまでも、部外者なのである。
入館しても何の役に立たない。
Pikоの役目は、FちゃんをN病院まで
送り届けること。
Pikо先輩、後で連絡します❗
時は、コロナ禍…
第六派…デルタ株の頃…
(間違ったらゴメンナサイ)