もう、ちょっと前になるがYesの新譜(日本先行発売)を購入。
Fly from Here あのトレヴァー・ホーン を再びプロデューサーに迎えたアルバムである。

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Yesのことを知らない人にはどこから話せばいいのだろう? 昔プログレ (Progressive Rock 和製英語)というジャンルが流行った。Yes以外にもELP、キングクリムゾンあたりが代表的なところであろうか。ロックにクラシックやジャズの要素を取り入れ、壮大なオーケストレーション、変拍子などを使ってロックの閉塞感を打破しようとしたムーブメントである。


実は私は、年代的にはプログレブームよりちょっと後の人間で、友人の影響でELPの展覧会の絵なんかは好きだったけど、そんなにハマったわけではなかった。Yesも90125という「ロンリーハート」が入ったアルバムからで、生粋のファンというわけではない(「こわれもの」とかはそんなに好きじゃない)。


Yesはメンバーチェンジを繰り返しながらも、現在でも存続しているのがすごいところであるが、ずっとメンバーだったのはベースのクリス・スクワイアだけで、他のパートは、ヴォーカルのジョン・アンダーソンやドラムのアラン・ホワイト、ギターのスティーブ・ハウ、キーボードのリック・ウエイクマンあたりが有名だが、出たり入ったりである。


ジョンとリックが抜けた穴に、ラジオスターの悲劇をヒットさせたバグルズの二人~これがトレヴァー・ホーン(vo)と後にエイジアを作るジェフ・ダウンズ(key)なのだが~この二人がそのまま参加し作成されたのが「ドラマ」というアルバム。しかし、これはファンも知らない人がいる位ヒットしなかった(個人的には好きだが)。


ここで意気投合したジェフ・ダウンズとスティーブ・ハウはYesを抜け、元ELPのカール・パーマーと元キングクリムゾンのジョン・ウエットンとエイジアを結成し、時へのロマンなどのヒットを生む。エイジアもこの後色々あるが、最近またオリジナルメンバーでアルバムを出している。


トレヴァー・ホーンはジョン・アンダーソンの代役のヴォーカルでは相当ブーイングなどを受けたようで、意気消沈しプロデューサー業へ。自身のレーベルZTTを作り、アート・オブ・ノイズ、プロパガンダ、フランキー・ゴーズ・トゥー・ハリウッドなど、アルバム以外にも何種類もの12インチミックスを作る手法で大成功を収める。他にもABC、グレイス・ジョーンズ、ペットショップ・ボーイズ、SEAL、最近だとt.A.T.uも彼のプロデュースである。


ZTTを作った頃、トレヴァー・ホーンのプロデュースでYesも復活した。スティーブ・ハウの抜けた後釜のギタリスト、トレヴァー・ラビンを中心に作られたアルバム90125で。これにはジョン・アンダーソンも出戻りで参加し、前述のロンリーハートのヒットを生む。オーケストラ・ヒットというオケの音をサンプリングしたサウンドは一時期ものすごく流行った。このアルバムと次のビッグ・ジェネレーターというアルバムは今も愛聴盤だ。実質的にはトレーヴァー・ラビンのアルバムって感じなので、Yesファンからはあまり好かれていないかもしれないが。


まあこの後も色々ゴタゴタあるのだが、トレヴァー・ホーンの25周年記念コンサートではYesも参加し(ジョン・アンダーソンはいなかったけど)、トレヴァー・ラビンとスティーブ・ハウが仲良くギターを弾いていたのは感慨深かった。(ちなみに、他にもAON、SEAL、ABC、FGTH(ホリー・ジョンソンは不参加)、グレイス・ジョーンズt.A.T.uなど大同窓会のようでDVDは必見である。個人的にはABCのベースをカジャグーグーのニック・ベッグスが弾いていてうれしい。)





で、今回のアルバムである。ベースはもちろんクリス、ドラムはアラン、キーボードはジェフにギターはスティーブのエイジアコンビ。ヴォーカルはジョンは不参加で、ベノワ・デヴィッドというカナダ人の若者を起用(ジョン、そっくりです)。


正直聞くまでなんとも言えない不安があった。90125のようなトレヴァー・ホーン色が出すぎても、ポップすぎてもいやだし、かといって全く彼の色がないのもなぁ・・・と、実に矛盾した不安。


しかし、それはアルバムを聴いて、そして特典のDVDを見て払拭された。


適度にプログレで(Yesらしさがあり)、適度にホーン色もある絶妙のバランスだったから。

それもそのはず、このFly from hereという曲は元はバグルズ時代の曲。ブートではその音源もあるらしい。DVDのインタビューによると、それを二人がYesに加入した当時にもやったらしく、30年の時を経てそれを膨らましてキチンと録音したという曰くつき。すごい執念だね。


そこらへんを詳しく書いたブログ を発見!


トレヴァー・ホーンというプロデューサーは、曲の良さなどは勿論、楽器の音をすごく綺麗に録ることに長けている人だと思う。なおかつ、そのおいしいところをきっちり印象深く使う技はすごい。サンプリングのグランドピアノの音が、ある意味本物のピアノより良い時があるのだ。


興味を持った人は彼のプロデュースした曲のコンピがあるので是非聴いてほしい。


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