若者の言葉が乱れている。いかにも見識がある(ようにみせたい)大人が口にする台詞であるが、多少乱雑だったり、格式を嫌ったりすることから生まれるのであって、廃れるものは廃れるし、定着する者は定着するのでやはり放っておけという話である。
例えばチョベリバなんて記憶の彼方だし、ら抜き言葉やファミレス敬語(~でよろしかったですか?など)はいやだなぁと思いつつも定着しつつある。最近では「Aのがいい(Aの方がより良い)」なんて~のも耳触りではあるが仕方ないのかなと達観している。
逆にさ~せん(すいません)、あざ~す(ありがとうございます)なんかはちょっと好感持ったり(笑)。
で、定番化しそうだが、まだ一縷の望みをつないでいるのが、店員にお金を払った時のフレーズ。
「ちょうどお預かり致します」
おぃおぃ、ちょうど払ってるのに何を預かっているんだよぉ、消費税かよぉ
と心の中で呟きつつも口には出さない。
それでも50人に1人くらいの割合で、
「ちょうどいただきます」
と言ってくれる店員がいると、ぶらぼぉと言いながら(心の中で)、小さく拍手(これは本当に)している。
意外にそれが、茶髪ピアスのに~ちゃんだったりするので、「まだまだ日本も捨てたもんじゃねぇなぁ」と
爺くさく感慨にふけったり。
それよりなにより、本当の言葉の乱れとは、本人は高等なつもりで使いつつ、実は間違っているというもの。上述のような言葉とは違い、心根が卑しい感じがする。呉智英 氏も指摘するように、例えば「すべからく」の用法である。
「すべからく」とは「すべくあらく」が変化した言葉で、「ぜひとも~しなければならない」という意味である。下に~べしをともなうことが多い。例えば、「学生はすべからく勉学すべし」←ぜひとも勉学しなければならないという意味で、学生は「すべて」勉学しなければならない、ではない。
この「すべて」の高尚な表現だと思って使う輩が多いことを呉氏は指摘し、さらにそういう輩の特徴として、自分を大きく見せようとする人間に多いとも。確かに、「すべて」ですむところをわざわざ「すべからく」と言い換えるところに厭らしさを感じるな。この言葉を誤用する人は、それまで好きでもかなり幻滅する。
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