01☆( ’ ◇’)転生したら櫻井翔だった件。
俺の名前は相葉雅紀。
嵐の中間管理職である。
なーんて年齢順で真ん中だっていうだけだけど、心の中でそう呼んでいる。
なんとなくかっこいいから。
そんな元気印の俺、
天下の嵐の相葉くん。
ある日、目が覚めたら
櫻井翔になっていた。
「店かよっ!!」
クローゼットを開けて思わず突っ込んだ。
白いTシャツがずらりとハンガーに掛けられて吊るされているからだ。
その数、およそ20。
しかも全て同じ物かと思いきや、左胸についているポケットの柄だけが少しずつ違うという、こだわりがあるんだか無いんだか、俺にはちょっと理解し難いけども!
噂には聞いていたけど、実際に見ると壮観。
パンツを履いてこのTシャツを被れば着替え終了だもんな~。
所要時間は1分以内か。
まぁ、システマチックなしょーちゃんらしいのかな。
そういえば、すごく仕事ができる人っていつも同じ服を着て着替えに時間かけないって聞いたことあるもんね。スティーブ・ジョブズも同じ服だったし。
やっぱしょーちゃんって仕事のできるすごい人なんだなー。
そう思いながら、素直に着替えて鏡を見る。
うん。
いつものしょーちゃんだ。
でもなんかちょっと物足りない気がするんだよね。
むくむくとイタズラ心が顔をあげる。
クローゼットの奥の方をゴソゴソ漁る。
「ビンゴ!!」
奥の方の引き出しを開けると、
中から迷彩柄の服や小物がどさっと出てきた。
「うわっ、懐かしっ!!あ、これ俺があげたやつじゃん!」
しょーちゃんは迷彩柄のイメージだけど、実際にはメンバーやスタッフがプレゼントした物がほとんど。
イジりすぎて、最近ではあまり迷彩柄を着てくれなくなった。
しょーちゃん、迷彩似合うのに。
ちょっと勿体ないよね。
中には完全におふざけの迷彩もあったけど、その中からいくつかオシャレなアイテムをピックアップして、鏡の前で合わせてみる。
迷彩のパンツに黒のカットソー。
カットソーの下には差し色の赤いTシャツを重ね着して裾からチラ見せ。
懐かしのドルマークのごついベルトを引っ張りだして緩めに巻いてみる。
ハットと時計を身につける。
思い切って小物類を合わせてみる。
人のクローゼットって自分じゃ買わないような物もあって、新鮮で面白い。
「うん。なかなかいいじゃん」
迷彩柄を取り入れたコーディネートが完成!!
櫻井翔の迷彩イメージを守りつつ、
ちょっとオシャレアレンジ。
なかなかいい感じ!
ふんふーん♪と鼻歌を歌いながら鏡の前でポーズを決める。
しょーちゃんカッコイイじゃん!
これでもうダサいとか言わせないぜっ!
鏡の中にピースサインをした。
🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶
「ん?」
ちょうどその時スマホが鳴った。
音を頼りに探すと、音は鞄の中から聞こえてくる。
ぐちゃぐちゃの鞄の中をあさる。
スマホを取り出すと、着信は『松本潤』だった。
あれ、潤ちゃん?
しょーちゃんに電話?
仲良しだな~。
「もしもーし!潤ちゃん?」
「……」
「あれ?もしもし?もしもーし?」
「……誰?」
潤ちゃんの疑い深い声がした。
「俺?俺はえっとね、しょーちゃんだよ?」
「もしかして…相葉くん?」
「えぇーー!!」
言い当てられて、マジでびっくりした。
「潤ちゃんすごい!!なんで分かったの?え、もしかしてサイコメトラー?」
「それを言うならメンタリストな!」
「あ、そっか。あはは」
「……」
「てゆーか、潤ちゃんすごいね~!しょーちゃんじゃなくて俺だって分かるんだね!!」
「違う違う」
「愛だよね~」
「まぁ愛ではあるけども。
いや、そうじゃなくてさ。俺、櫻井翔だから」
「へ?」
「なんか、朝起きたら松潤になっててさ。んで、俺に電話してみたわけ」
「え?え?」
えっと…
「え、どういうこと?」
「つまり、何故かは分からないけど、どうやら櫻井翔は松本潤になってて、相葉雅紀が櫻井翔になってるみたいだな」
「え?つまり…俺がしょーちゃんになってて、しょーちゃんは潤ちゃんになってんの?」
「そういうことみたい」
「じゃあ、潤ちゃんは俺になってんのかな?」
「分からないけど…そうかもしれないね」
「すごーい!中身が入れ替わってるなんて君の名はみたいだね!!俺、一度でいいからしょーちゃんになってみたかったんだよー!!」
「その適応力、マジで尊敬するわ」
「しょーちゃんの姿で何しよっかなー」
「おいやめろっ!ワクワクすんなっ!」
「ふふふ」
「まぁ、メンバーが俺になってるなら良かったわ。ワケわかんないやつじゃ、怖いもんな」
「俺、立派にしょーちゃんを務めあげるよ!」
「ありがとう。すげー前向きだな」
「まかせて!」
「それで、早速なんだけどさ…。いや、不安しかないんだけどさ…」
「うん、何?」
「今日、月曜日なんだよ」
「月曜日?」
あれ?
月曜日ってなんの日だったっけ??
しょーちゃんにとって、すごく大事な日だった気が…
「zeroあるから。よろしく」
「えぇーーー!!!!」