「いってらっしゃい。」

「行ってくるよ。」

「気を付けてね。」

「うん。LINEするから。」

「ん。」



いってらっしゃいのキス。

唇が触れると、離れるのが淋しい。



今日は俺の車でしょおくんを空港まで送った。



本当は搭乗口まで行きたいけど


ううん

本当の本当は平昌まで付いて行きたいけど


駐車場でお見送り。



芸能人専用の出入口だから

セキュリティも万全。




タクシーやマネージャーの車だと

二人だけのいってらっしゃいできないから


ドラマの撮影スケジュールをなんとかこじ開けてお見送りした。




「送ってくれてありがと。潤も帰り、運転気を付けてね。」

「うん。」



もう一度キスをして

あなたは車を降りた。












あれから数時間。

テレビの前であなたを待つ。






しょおくんだ。

横顔もカッコイイ。




ふふっ、耳当てしてる。

あれ去年俺が買ってあげたやつ。

モコモコしてて可愛いな。




仕事してるしょおくんは

やっぱりカッコイイ。





隣に並ぶ元フィギュア選手のキャスター。


いいなー。

俺もしょおくんの隣に並びたい。


なんて、少しヤキモチ。






スタジオのニュースが終わって

もう一度画面に映ったあなたは

キラキラしてる。




ふふ、楽しそう。




好きなんだもんね、報道の仕事。




エンディングで映ったあなたは

もうこの番組の顔。




目に映ったこと

肌で感じたことを

分かりやすい言葉で届けてくれる。


あなたにしかできないことがある。




「しょおくんお疲れ様。」


番組が終わると、いつもテレビに声をかける。

元気な姿を見られてホッとした。



地球の裏側じゃなくて、

同じ時間を過ごしてる。


そんなことが嬉しいんだ。